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アルベルト・プッチ著「FCバルセロナの人材育成術」から見えるアルビレックス新潟の未来

FCバルセロナの人材育成術 https://www.amazon.co.jp/dp/4905154154/ref=cm_sw_r_other_apa_i_IT16DbG78EDF8

新監督の著書

2020シーズンからアルビレックス新潟の監督に就任するアルベルト監督は元FCバルセロナカンテラテクニカルディレクターであった。
この本は、その当時、バルセロナの育成年代での思想を纏めた書である。

バルセロナの育成年代で受け継がれてきた思想や哲学を知ることや、サッカーをする子供と親の関係性、子供の教育の大切さ、バルセロナに培われるメンタリティーを知るためにはとても参考になる本で、為になるので、是非アルビレックス新潟サポーターには読んで頂きたい。

新監督とアルビレックス新潟の未来は?

結果から言うと、アルビレックス新潟のトップチームを率いるにあたり、やろうとしているサッカーを感じ取れる要素はない。なぜなら、この本はバルセロナの育成に関わるスタッフや選手たちのインタビューを纏めた本だからだ。

最近よく見るサッカー本のように戦術的な要素やテクニックに関する本では決して無い。だから、この本からは来年のアルビレックス新潟のサッカーを予想する事は出来ない。

アルベルト監督就任とフロントの意図

アルベルト監督は完全に育成畑出身の人物である。昨シーズン、はじめてプロチームのコーチを努めたものの、それまでの経歴は育成年代の指導である。その人物をアルビレックス新潟の監督にポストを置いたフロントは、長期的なプランを描いているのだと思う。

アルベルト監督はバルセロナ育成年代のメンタリティー、仕組み、叩き込まれる哲学を良く知っている人物だ。育成年代に必要なメンタリティー、人間教育、人格形成を新潟に根付かせるために、知識ある人物をトップに置いた。この人事から、クラブは短期的な成功ではなく、長期的なプランに基づいた道程を描いているのだと思う。

知識ある人物登用とリスク

以前の韓国や中国企業は、日本のエンジニアをヘッドハンティングして、日本人の知識や経験を真似をした。その結果、企業の繁栄をもたらした。ある程度のレベルまでは、経験者を呼ぶことで身につくことがあるのは確かだ。

でも、重要なことは、知識を与えられたスタッフが、与えられた知識以上のアウトプットを出し続けることだ。成長した韓国、中国企業はそれが出来た。

アルビレックス新潟は、以前の韓国・中国企業と同じことをしている。ヨーロッパの知見を、新潟に持ってこようとしている。でも、大事なことは、その知見を本当の自分の力に繋げられるアルビレックス新潟のスタッフがいるかどうかだ。

逆に、拒絶反応を起こすリスクもある。栄光か、破滅か。アルビレックス新潟に関わる全ての人に、変化を受け入れて、自分の力にすることが求められる。

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