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J1とJ2の差  ~理想と現実と未来~

1.J2の現実

アルビレックス新潟は10試合、J2を戦いました。現在四連敗。自動昇格に向けて、とてもとても厳しい状況です。

今年J1から降格し、久しぶりのJ2での戦い。その中でJ1とJ2の差について、個人的に感じたことがあります。J1は長い間見ていましたが、J2はたった10試合なので、偏見も偏りも先入観もあると思いますが、以下の2つが大きな違いだと思いました。

・ピッチコンディションが良くないところが多い

・審判の質が低く、ジャッジが安定せず、ラフプレーは流す傾向

ピッチコンディションは良くないところが多いと思います。つまり、パスサッカーを志向すると、ズレる場面が多くなります。一方で、曖昧なロングボールが予期せぬチャンスに繋がったりします。ピッチコンディションが悪ければ、パスを2~3本つないで、クロスを入れる戦い方が有利になる試合が多い場面も増します。

また、審判の質は、当たり前ですがJ1と比較すると良くないです。ファールの基準が安定しなかったり、ラフプレーが流され続けたりします。多少ファール気味に行っても、流す傾向が多いため、ラフに当たりに行ってボールを奪って、ラフにボールを放り込んで、ラフに競り合うと得することが多いです。ジャッジが安定しないことを逆手に取るサッカーをすることが得です。

よくあるJ2のイメージ『守備を固めて、中盤をすっ飛ばし、FWに当てる』サッカーはピッチコンディションと審判の質が影響しているのではないかと思います。

2.エレベータークラブの傾向

一応、アルビレックス新潟はJ1を10年近く戦いました。その中で、J2から昇格して定着するチームもあれば、すぐに降格するチームもいます。アルビレックス新潟自体が残留争いをすることが多く、ライバルチーム達の戦い方はよく見てきたつもりです。
基本的にJ1に定着してるんだけど、たまたま落ちるチームは監督人事がうまく行っていないことが多いです。このタイプのチームは、選手の個の力があるため、もう一回上がれば降格はしにくいです。
一方で、エレベータークラブもあります。これらのチームは戦い方に類似性があると思います。
今まで、J1とJ2を行き来するエレベータークラブは下記のような戦いをしていると思います。これも独断と偏見ですが。

・素早いトランジションでカウンター狙い

・トップに大型FWを置いて、放り込む

J1では簡単にボールを失うチームが少なく、トランジションを発揮する場面が少ないです。また、例え数的有利な状況でも、J2から上がったばかりのタレント力では、J1の守備陣に対して後手に回ることも多くなります。

大型FWも、J1の守備陣では立ち向かえず、安定した勝ち方をできません。また、J2のタレント力では押し込まれる試合が多く、FWに当ててもフォローが少なく、分厚い攻めをする局面が少ないです。

このような戦い方をし続けて、J1に残り続けているクラブはほぼないと思います。どのクラブも結果を継続できず、苦労していると思います。その中で、鳥栖や札幌はJ1に残り続けるためにも、プレーモデルを必死に変えているのかなと、同じ地方クラブのチームとしては感じていました。
また、現在J2上位のチームは、J1に定着できるサッカーかと言われると、全部落ちてくると感じてます。

3.これからのアルビレックス新潟 ~理想と現実の間~

今までの述べたように、『J2の環境で安定して勝つこと』と『J1で定着する戦い方』は相反している要素が多いと思います。つまり、J2の環境で有利なサッカーをして勝ち点を稼いでも、それはJ1定着には結びつかないです。それを打破しようとしているのが、徳島であり、ヴェルディであり、千葉なのかなと思います。

現実、アルビレックス新潟は今勝てていません。矢野やターレス等フィジカルに優れたFWがいるため、安定してJ2で戦いたいなら、放り込むサッカーも選択肢だとは思います。守備を固めて、放り込む。みんながやっていることです。しかし、もっと先のことを考えるとその選択肢は良くないと思います。

今年は勝ち点に拘ってつまらなくても勝てるサッカーをする選択肢もあるかもしれませんが、それでは鈴木監督を呼んだ意味がありません。

 鈴木監督の掲げる『状況を判断し、どんな相手にも対応するサッカー』は賛成です。とても理想的で高い目標であり、目指す価値があると思います。選手の判断力をあげることが、どんな環境・状況でも勝てるクラブに育て上げます。その一方で、そのサッカーではJ2で安定して勝てるかというと、勝てないと思います。

理想と現実の間で、この先、鈴木監督とアルビレックス新潟フロントがどう戦うか、見守りたいと思います。

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