なぜ大坂選手は叩かれるのか

 人は誰しも、自分の都合の悪いことはなるべく話題として取り上げたくない。
 これは正直な人ほどそういう動きをする。
 正直であれば、自分に都合の悪いことでも取り上げるのではないか?
 いや、そんなことはない。自分に都合の悪いことは、誰だって話題として触れてほしくないし、自分から取り上げたくはないし、取り上げるときの論調も慎重になる。
 だったら、自分に都合の悪いことを取り上げる人は正直ではないのか? いや、間違いなく正直だ。そして、正直さに加えてお人好しか、自分に厳しいか、もしくはその両方を備えている人だ。

 しばらく黙っている間に、女子テニスのトッププレイヤー大坂なおみ選手が爆弾発言をし、グランドスラム側は「反逆者は許さん!」的な過剰反応を示し、続く大阪選手の第2弾投下(大会を棄権)でプロテニス界は混沌としながらクレーコートで開催中のグランドスラム(全仏)を続けている。
 この幾重にも重なるおかしな反応の連鎖が、世界の縮図かもしれないと考えたりする。

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