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『いきものがかり』はマイルドヤンキー文化を体現していたのか? について ファンモンはマイルドヤンキー ②

「FUNKY MONKEY BΛBY'S」がマイルドヤンキーだという事にだれも異論はないだろう。


1.「FUNKY MONKEY BΛBY'S」概要

FUNKY MONKEY BΛBY'S(ファンキー・モンキー・ベイビーズ)は、ファンキー加藤とモン吉からなる日本の男性2人組音楽ユニット。
旧名義は「FUNKY MONKEY BABYS」。2004年に結成され、2006年にメジャーデビュー。元々はDJケミカルとの3人組で活動していたが、
2013年に解散。その後、2021年に2人組ユニットとして活動を再開した。

八王子の日通にまじめにi勤めていた勤めていた「ファンキー加藤」と「モン吉」が、流行りのヒップホップユニットをやりたくて立ち上げた。
2005年にケツメイシがパーソナリティーを務めていた『MOTHER MUSIC RECORDS』内のデモテープ募集コーナー「デモレンジャー」で決勝戦へ進むも、ナイス橋本に敗れ準優勝となった。

メンバー
※公式サイトの「PROFILE」に準拠。
ファンキー加藤(ファンキーかとう) - MC
モン吉(モンきち) - MC
旧メンバー
DJケミカル(ディージェイケミカル) - DJ


2.マイルドヤンキーが体現する価値観は、別にヤンキー独自のものではない。
グローバル化で世界は気付いた。


★結論らしき事筆者の見解を言うと、

日本国民の大多数は、グローバル化に疲れた、もしくは本能的にグローバル化への拒否感が大きく、その一部の反応が「マイルドヤンキー」なんだろうと思います。


■グローバル化が日本の大衆に知らしめた事

①世界を相手に超激しい競争で勝ち抜くのがグローバル化。企業は、世界で戦える規模が必要。
②標準化、効率化、究極のマスマーケティングであり、製品は標準化したうえで、世界の一番安い国・場所で作る事が儲けを最大にする事。
③よって、究極の非個性化、均一化が儲けの根幹。
④結局社会主義的構造を目指すが、究極の巨大な資本力をフルに活用して究極の金融で上澄みをかすめ取って行く。グローバル化の目的は、ごく一部の一族が財を独占する究極の格差社会を目指している。
⑤世界は二極分化し、分断される。政治が分断しているのではない。
⑥私らしいとか・個性とかはトップの一握りしか金にならない時代。自分らしさは、上級国民に成れない事を知っていて自分をごまかすレトリック。
⑦日本国におけるグローバル化とは、製造業の海外移転の事。日本の巨大製造業も、消費地での製造、製造コストの安い国からの輸出の事。日本国内の労働者の失業となり、それをまともに喰らった下層労働者はしたくても移住の必然性が無くなる。
⑧それによって、下層人民の所得は激減していて所得を上げる手段はないので、家族・仲間で助け合うしか生活力向上の手段はない。

と言う事をなんとなく、意識下で理解しているのだろう。

それを嫌がる人からTVが見られなくなる。





3.マイルドヤンキーの解説

読みたい人は読んでください。

■地元を席巻するマイルドヤンキー その消費動向とは?

原田曜平氏 博報堂ブランド若者研究所マーケティングアナリスト 
2014年11月号

最近、「マイルドヤンキー」なる言葉を耳にしたことはないだろうか。1980年代の怖いヤンキーとはちょっと違う、マイルドで優しい今どきのヤンキーは、地元が大好きで、一緒に遊ぶのは小中学時代の友人が圧倒的に多いなどの特徴をもつ。地域経済の復活を語るうえで、彼らの存在は無視できない。

――「マイルドヤンキー」という言葉がだいぶ世間に浸透してきています。原田さんは、その名付け親ということですが……。
原田 最初にマイルドヤンキーという言葉を使ったのは、『ヤンキー経済』(幻冬舎)という本でした。80年代までいたヤンキーがもはや「絶滅危惧種」になっているという事実を伝えたいというのが、この本を書くきっかけでした。
 ここ10年で少年犯罪の数が減っているし、暴走族も少なくなっている。でも、おそらく時代が時代ならヤンキーになっていただろうなという若者たちは存在していて、そういう子たちに何か新しいネーミングを付けて本にしたいと当初は思っていたのですが、出版元の幻冬舎さんとしては本を売るためにどうしてもヤンキーという言葉を使いたいという。その妥協案として出てきたのが「マイルドヤンキー」という言葉で、おかげさまで今年の流行語大賞のベスト10を狙えるくらいまでに認知度が高まってきています。

――マイルドヤンキーとはどういう若者のことを指すのか、あらためて教えてください。
原田 私は『さとり世代』(角川書店)という別の本も書いていますが、基本的にいまの若者には「社会に反抗したい」「お金持ちになりたい」「東京に出たい」というような欲求がありません。かつての若者が普通に持っていた上昇志向や反抗心といったものがすべて削がれて、若いのに悟ったような言動をとる。だから「さとり世代」としたわけです。
 かつて団塊世代より下の世代が「しらけ世代」と呼ばれて、冷めた若者たちの存在がクローズアップされました。ただ、そのしらけ世代にしても、団塊世代が政治運動に熱心であったのに対して「しらけていた」という意味なんです。それに対して、今のさとり世代は、全体的にしらけている。恋愛もそうだし、もっとも象徴的なのが消費ですね。戦後の若者はずっと消費に関心を持っていたのに、さとり世代の若者はまるで悟ったお坊さんのように消費に関心が薄いのです。

――マイルドヤンキーも、その一連の動きのなかで生まれた?
原田 ええ。かつてのヤンキーとは明らかに異なるし、ヤンキーという言葉を付けてよいのかさえ疑わしいほどに、優しくマイルドになっています。しかし相当マイルド化されているものの、悪そうなイメージのファッションを好むなど、多少のヤンキー性は残している。たとえば男の子であれば、「EXILE」に憧れているといった具合にですね。
 EXILEのメンバー2人とは、朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ)でお会いしますが、「悪そう」というヤンキー性はファッションとして残してはいるものの、横浜銀蝿などと比べるとセンスは抜群に良くなっています。なおかつ礼儀正しかったり、団結心が強かったりして、中身は悪そうどころか、しっかりし過ぎているほど。マイルドヤンキーもEXILEに憧れるくらいなので、もちろん普通の子たちと比較するとやんちゃなことをした率が高いかもしれませんが、昔のヤンキーほどではない。どちらかというと、悪そうなものに憧れるというメンタリティーだけを残して、実際に悪いことをしているわけではないという子たち。それがマイルドヤンキーなのです。

――なるほど。
原田 あと、「地元志向」が強いところも特徴のひとつです。昔のヤンキーは「上昇志向」や「上京志向」をもっていました。矢沢永吉さんがその象徴といえ、「ビッグになりたい」といって、広島のバンド仲間を捨てて東京にやってきた。ところが今のマイルドヤンキーたちは、東京や大阪といった大都市に行きたいと思わないのです。できればずっと地元に残っていたいと考える。中学校時代の友人をいつまでも大切にしたり、親と仲がよいのも、そうした地元志向のあらわれです。
「半径5キロ」がテリトリー

――マイルドヤンキーは普段どんな生活を送っているのですか。
原田 地元のファミレス、ファストフード店、居酒屋に集まってダラダラと過ごすというのが定番ですね。基本的には、自宅から半径5キロ圏内で生活しています。
 私は東京都北区の出身ですが、同世代でヤンキーだった友人は池袋などの都心部にしょっちゅう遊びに出かけていました。ところが今のマイルドヤンキーに聞いてみると、赤羽からほとんど出ないという。「それは赤羽が便利になったからだろう」という人もいますが、ずいぶん前からマクドナルドはあるし、それほど変わってないですよ。赤羽が町としてレベルアップしたから都心に行かなくなったのではなく、やはり地元からあまり出たくないという意識が働いているのです。
 地方においても、イオンなどの大型ショッピングモールがあるくらいの人口規模の町ならば、若者たちは半径5キロ以内からあまり出ようとしません。イオンに行けば一日中時間がつぶせるし、それなりのものが買えるので「まあ、それでいいや」となるんです。

――半径5キロ圏内というのは、いわば中学校の学区内にちかいイメージですね。
原田 そうだと思います。実際、結びついている友だちも学区内。彼らにとっては、それが世界のすべてなんです。

――地元から離れたくないという意識はどこからくるのでしょうか。
原田 ひとつには、この20年間にわたる日本の経済停滞が背景としてあると思います。非正規雇用の割合が高くなっているし、なかなか将来の夢を持ちにくい状況になっている。景気がよかったときは、みんな「今日よりも明日がいい」と信じていました。だからヤンキーも上昇志向を持ちやすかった。ところが、この20年間で生まれ育った今の若者には、そうした幻想を抱くことさえできない。別に東京に行ったところでおいしい思いはできないだろうし、だったら「地元でまったりと居心地よく暮らしていた方がいい」と考えるのです。

――お金よりも「居心地」が優先されるわけですね。
原田 それともうひとつ、携帯電話やソーシャルメディアの普及によって、地元の友だちと密接な人間関係が築けるようになったことも理由として挙げられるでしょう。
『ろくでなしBLUES』や『ビー・バップ・ハイスクール』といった、かつてのヤンキー漫画をみてもわかるように、むかしのヤンキーたちも地元の友だちとのつながりが強い。でも、それはあくまで同じ学校に通っているときの間だけです。別々の高校に進学したり、違う会社に就職したら、もう一緒に遊ばなくなる。というのは、こまめに連絡を取り合う手段がなかったからです。最初はたまに会っていても、しだいに共通の話題がなくなり、疎遠になっていくのが普通でした。
 ところが今のマイルドヤンキーたちは違います。だいたい中学3年くらいで親に携帯電話を買ってもらい、そこでソーシャルメディアを通じた人間関係が築かれる。すると、その人間関係がずっと継続されていきます。ライフステージが上がってもかつての居場所が一番となって、高校や大学ではよそ行きの顔で過ごし、週末に中学時代からの友人と遊ぶときだけ「素の自分」をさらけ出す。そんな生活スタイルになっているのです。
「ミニバン」が大好き

――とくに地方の場合、マイルドヤンキーを地元経済を支える担い手(消費者)としてみることもできませんか?
原田 若者が消費をしなくなったと言われて久しいですが、マイルドヤンキーはそのなかでも比較的消費意欲が旺盛な子たちなんです。彼らが地域経済を多少は活性化させる可能性はあります。もちろん、むかしのヤンキーに比べてそもそも持っているお金の額が違うため、過度な期待はしないほうがよいですが……。

――マイルドヤンキーがお金を出すのはどういうもの?
原田 ヤンキー性が残っている分だけ、そこの部分で財布のひもを緩めます。たとえばEXILEや「湘南乃風」などが好きなので、CDを買ったりコンサートに行ったりするのにお金を使います。あるいは、若者の「車離れ」が言われるなかで、例外的に自動車にも関心がある。ただ、むかしのヤンキーみたいにスポーツカーや高級外車が好きなわけではなく、大人数が快適に乗ることができるミニバンを好む傾向があります。改造するにしても、車高を低くしたりマフラーを代えたりすることには関心がなく、乗車する友人や家族が快適に過ごせるようにむしろ内装にお金を費やしていますね。
 ほかにも、タバコやパチンコにもお金を使うし、地元が大好きなのでそこにマイホームを建てたいと思っている。地域経済に一定の役割を果たしているのは確かでしょう。

――彼らを消費者として見ていく場合、企業はどんなマーケティング的な視点が大事となりますか?
原田 「ヤンキー性」と「保守性」の2つですね。
 マイルドヤンキーは「新保守層」と呼んでもよいほどに、〝地縁〟を大切にするという意味で、非常に保守的なんです。ヤンキー性と保守性の2つを臭わせた商品なら意外と可能性があります。
 たしかに大型ショッピングモールはたまり場として一日中過ごせる場所にはなっていますが、マイルドヤンキーたちが本当にそこで消費をしているかというと、実はそれほどでもない。なぜかというと、一億総中流マーケティング的な品ぞろえばかりで、ヤンキー性のある商品が売っていないからです。要は、EXILEみたいな洋服が置いていない。むしろヤンキー性の抜かれた毒のない洋服ばかりが売られています。もし地元の中小企業がマイルドヤンキーを狙っていくのなら、大型ショッピングモールでは決して売っていない、彼らの好みを反映した商品を用意することをお勧めします。

――マイルドヤンキーは「地元で働きたい」という意識が強いといいます。そうした気持ちを社会全体ですくい上げてあげることも、地方経済復活のためには大切だと言えませんか?
原田 むかしだったら、例えば名古屋圏の人が親から「トヨタ系列の会社に入っておけば安泰だから」といわれたとしても、「自分はイヤだから」といって東京に出てきていた。でも今は、真逆の状態にあります。できるだけ地元で働きたいと考えている若者は多い。でも、とくに地方における女性の働き場は少なくて、介護スタッフ、カラオケ店員、パチンコ店員、スーパーのレジ打ちといった仕事に限られてくる。地方の働き場を増やす意味からも、ユニクロさんがはじめる「地域限定社員」は方向性としては間違っていないと思います。とにかく、地方で働くのに魅力的な企業を少しでも増やしていかなければならない時期にきているのは確かでしょう。

――最後に中小企業経営者に向けてメッセージをお願いします。
原田 いまの若者の経済力が以前にくらべて脆弱になってきているとはいえ、それなりに自由に使えるお金は持っています。結婚したり、自立するだけの経済力がなかったりして、親元にパラサイトしている若者の場合、家賃はかからない。むかしのように月に20万円を稼ぐのは難しくなっているかもしれませんが、たとえば13万円を稼ぐことができれば、家賃がかからないため、自由に使えるお金はほぼ同じ。可処分所得は意外とあるんですよ。こうした理由から、少子高齢化で若者の人口ボリュームが小さくなっているからといって、若者の存在をまるで無視した販売戦略を敷くのはあまり得策とはいえません。その視点をぜひ忘れないでください。

(本誌・吉田茂司)
掲載:『戦略経営者』2014年11月号



■ヤンキーの虎のビジネス手法


じゃあ「ヤンキーの虎ってなに?」ということですけれども、私が作った言葉です。「マイルドヤンキー」を束ねる存在として、ヤンキーの虎がいたということです。


マイルドヤンキーというのは、これは3年ぐらい前に出た本で、地方で働いている一般的な消費者・生活者のことをマイルドヤンキーと呼んだわけですけれども、私はそれを読んで「じゃあ、マイルドヤンキーってどこで働いているの?」ということが疑問になったわけですね。

そうしたら、こういう人たちがけっこう多いんです。例えば、建設業などの地場産業を軸に、コンビニ、介護、中古車販売、飲食など、コングロマリット化で事業を拡大している、という。

衰退した地元中小企業を矢継ぎ早に買収して、地元が求める業態ならなんでもやる。出自はだいたい、「事業継承型」いわゆる2代目・3代目と「成り上がり型」に分けられます。

これまではこういう人たちの存在がセクターとして見えていなかった、もしくは過小評価されていたんですね。でも、みんなこういう人がいることをなんとなく知ってはいる。

地方出身者だったら、「地元の友達の〇〇君がこんな人だよ」とすぐにでも思い当たるような人たちなんですね。

例えば、私が高知県に行って、高知の商工会議所でセミナーをしました。そのあと懇親会があって、そこで名刺交換をすると、佐藤ホールディングスとか鈴木工業という名前だったりして、(名刺の)裏を返すと、たくさん何業、何業とあるんですね。不動産賃貸業、パチンコ業、ホテル業、焼肉、それからパン屋などと書いてあります。

普通の人はそこで「いろいろやりながら地方でがんばっていらっしゃるんだな」と思う。そこに目新しい産業はあまりないからです。

東京のベンチャーで「新しい技術で、イノベーションを起こして世界を変えるぜ!」みたいなところはなんとなくかっこいいと思われるし、こういう会社を増やそうというのが社会的なイメージではあるんですけれども。

(地方では)コンビニエンスチェーンのフランチャイズだったり、牛丼店のフランチャイズをやっているということだったりして、新規性がなさそうに見えるので、今まで過小評価されていたんです。

ところが実際に見てみると、彼らはすごく金回りがよかったり、意外と商売の知識やいろんな情報をよく知っていたりしていて、また人生が楽しそうなんですよね。そういう人たちが地方にはたくさんいることに気がつきました。

ヤンキーの虎ってどんな人?

ヤンキーの虎がどんな人かという話をしましょう。まず、若いですね。あまり年寄りくさい人はいません。60、70歳のヤンキーの虎みたいな人もけっこういますが、心が若いですね。それで、チャレンジ精神がある。

あとはここが大事で、情報収集能力が高いということ。都会に頻繁に訪れるし、場合によっては海外に行くと。あとは仲間意識が強い。消費は健康的で、意外にスマートというところがあります。

どういうビジネスをされているのかというと、車の修理とか、ガソリンスタンド、クリーニング店、カフェ、介護、パン屋、リフォーム事業、不動産賃貸、保険代理店とか、いろいろあります。携帯電話の販売というものもあるわけです。



地域経済に深く入り込むために、生活に関わる異業種を組み合わせて、1つの生態系を作っているというのが、こういう人たちの特色になります。

登場の背景をお話すると、2000年の頭に小泉改革がありまして、公共投資を引き上げたんですね。市町村合併もありました。

それによって公共工事の需要が小さくなったり、もともとあった場所に役所がなくなったり、商店街がなくなったりということがあって、非常に厳しい時代がありました。それで「地方はもうダメだ」と言われたりして、地方の環境がかなり悪化したんですね。

その時に、「座して死を待つよりは、なにか挑戦しよう」という人たちがいました。多くはなにもしないで廃業したり、やめていったりということだったんだけれども、ジタバタするタイプの人たちがいて、そのジタバタする人たちは、主にこの時期にこういう事業を伸ばしたという話です。

1つ大きかったのは携帯電話です。ちょうど携帯電話の普及期にかかっていたので、携帯電話は既存の人たちがやっていないビジネスですよね。なかったものだから。だから参入しやすかったというところがあるので、携帯電話ショップをやりました。

もう1つは、コンビニエンスストアです。コンビニエンスストアが地方に増えてきて、それのフランチャイジーになったんですね。場合によっては、ローソンとファミマと両方やりますというかたちもあって、複数のコンビニのフランチャイズをやるようになりました。

あとは介護ですね。2000年に介護保険法が施行されたことをきっかけに社会福祉法人になったりということで。これらを組み合わせながら伸ばしていったということになります。

地方には「ナショナルブランド予備軍」が眠っている

彼らのビジネス手法について見ていきましょう。地方は、慢性的な人手不足があるのと、マイルドヤンキーの仲間意識の強さがあって、人材教育が鍵です。社長が社員をお客さんと考える時代です。

人材は能力よりも地縁血縁が大切ということで、育ってきた環境が同じ地元の仲間から優秀な幹部を選んでいきます。ネットワークをたどって役所にも協力者を見つけるということをします。

飲食店の経営者が、店長について一番重要視していることはなにかというと、「泥棒をしないこと」なんですよ。飲食店の経営者と話をすると、店長の泥棒って実は多いらしいんですよね。

店長がお金をネコババするとか、社員がネコババするという、「内引き」と言うらしいんですけれども。この内引きをなくすだけでも、会社の収益性はわりと高くなるんですよね。

ネコババさせないためにはというと、仲間だとしないんですよね。要はバレちゃうから。野球部ネットワークとか、サッカー部ネットワークとか、そういう地元の中学高校のネットワークを使いながら人を雇っていくことをします。もしくは親戚のお兄ちゃんとかお姉ちゃんというかたちで採用してきている。

ヤンキーの虎が現れている今というのは、イメージでいうと、応仁の乱をきっかけに戦国大名が誕生したなところで。小泉改革というものがあって、それで1回全体焼け野原になったのだけれど、そのなかで、戦国大名の芽みたいな、地方豪族が出てきたというのが今の状態です。

いわゆる今ナショナルブランドと呼ばれているようなユニクロのファーストリテイリングもコメリもニトリも壱番屋もヤマダ電機もコシダカという会社も、もともとは言ってみれば最初はヤンキーの虎だった人たちです。




だから、地方にはナショナルブランド予備軍が眠っているということなのです。

実は東京から全国チェーンの会社が出てきたってことはあんまりないんですよね。ます地方で勝つということがとても大事です。

「ワクワク」は東京だけじゃない

今後のイメージですけれども、今、現状はこういう状態になっていて、地方のマーケット自体は縮小しています。でもまだ穴だらけなんです。だからリスクさえ取れば勝てる状態になっているので、地方にどんどん虎たちがいっぱい出てきています。虎の勢力が大きくなっているんですね。




大手企業は「選択と集中」と言いながら地方から撤退しているので、マーケットにどんどん穴が開くということになるから、そのことに気がついた虎たちは今やりたい放題で伸ばしつつあるということです。

ところがいずれこうなるんですね。2025年以降だと、マーケットはもっと縮小するけれど、虎も大きくなってきているということがあるので、ここからは虎同士の食い合いが始まるということになるわけですね。

そうすると、生き残るためには近代的な経営が必要になってくるので、これからとても優秀な人材が必要になります。

ということは、2025年以降に戦国時代に突入するのであるならば、もう今からやらなきゃいけないんですね。わかる経営者はわかっていて、地元にいるマイルドヤンキーの人たちだけではなくて、東京からファイナンスがわかる、マーケティングがわかる人材を採用できるように、ヒューマンリソースのプロ等々を必要としているということになります。




最後に、ここがお伝えしたいポイントです。「ワクワクは東京だけじゃない」ということなんです。このお話をして締めたいんですけれども、この地方から東京に人が来る大きな理由はなにか?というと。

私は生まれが富山です。富山県は住みたい街ナンバー1といわれているんですね。家も大きいし、ごはんもおいしいです。お酒もおいしい。ストレスも少ない。人も優しい。それで、完全雇用に近い状態にもなっているんですね。

ところがどんどん若者が出ていくんです。なぜでしょうか? ワクワクが足りないんですよね。夜行っても遊ぶ場所がないし、寂しいし、ドキドキしないんです。

実は住みやすい街というところに欠けているのが、ワクワクドキドキなんですね。ワクワクドキドキしないと思うから、どんどん若者が東京に出ていってしまうということになります。

地方でチャレンジする2つの道

今日はお二人にお話をしていただくんですけれども、このヤンキーの虎たちは地方にもワクワクとドキドキを作っているんですよね。

新しいビジネスをクリエーションして、拡大して、伸ばしていくということをしているし、またそこで新たな産業、新たな価値観を興すことができている。実は地方のなかでもワクワクが存在しているということを、今日はみなさんに知っていただきたいなと思うんです。

要するに、ワクワクは東京だけじゃない。さらに地方でワクワクはクリエイトできるということなんです。自分たちでワクワクを創り出すことができるということになります。

そのためには、地方でチャレンジする道の1、「元気な経営者(ヤンキーの虎)の右腕として新たな事業をつくる」ということです。これはかなり可能です。

これからお話をしていただく藤堂さん、もう「どんどん社長を作りたい」「今、社長が不足しています」と言うんです。すごいですよ。「じゃあ藤堂さん、ファーストグループに行きます」と言ったら、少しトレーニングしてから「君、社長ね」ということがある時代が来ているということです。

あともう1つ、地方でチャレンジする道の2は、「自ら起業をしてビジネスを展開する」ということですから、自分自身が今日の藤堂さんや丑田さんみたいに起業家になる道があるということです。

だから、僕らは実はたくさんの選択肢を持っていて、東京でがんがんビジネスをして、それで成功する道もあるけれども、実は地方のなかにけっこう穴が開いていて、そこでわりとストレスフリーで戦いができる環境があるというところを今日お伝えしたいと思います。

時間が3分過ぎてしまいましたが、ヤンキーの虎、要は「なぜこれから地方経済が伸びるのか」という話の前提についてお話をしました。今日はどうもありがとうございました。

(会場拍手)

「地方ビジネス最前線」とは?

地方ビジネス最前線」は、地方に関心を持つビジネスパーソンや、将来地方で働くことを考えている学生のためにLO活プロジェクトが開催したセミナープログラムです。

「地方で暮らす」というと、生活環境の良さがPRされることが多いですが、このセミナーでは、「地方で働く」ことに焦点を当て、現場の最前線で活躍するゲストの方々にそれぞれの切り口から地方で働く魅力を語っていただきました。

Occurred on 2016-11-20, Published at 2017-03-21 18:10




■「ローカル」「ソーシャル」「スロー」を希求する成熟社会の若者たち

機関誌『水の文化』69号 Z世代の水意識 2021年10月1日/リモートインタビュー


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