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生田絵梨花卒業ソロ曲 『歳月の轍(ときのわだち)』は最高に生ちゃんらしい『準神曲』

生田絵梨花の卒業ソロ曲が昨夜「オールナイトニッポン」で公開されました。

生田絵梨花が卒業発表した10月25日から今まで、卒業する事への寂しさや「生ちゃんロス」などの感情があまり湧かなかったのですが、この曲にやられました。
橋本奈々未の卒業ソロ曲「ないものねだり」に比類する良曲です。

※表紙の写真は、2021年11月03日の写真です。


■ 『歳月の轍』は「準神曲」です。

神曲と言いたいのですが、個人的に乃木坂の「神曲」は、メンバー個人に宛て書きした表題楽曲と定義しました。

その詳細については、後日詳しく書く予定で、その中でカップリング曲は「準神曲」と命名したのでそれに倣うつもりです。

★ 神曲は、
作られたものではない現実のメンバー個人のドラマが隠れていて、そのメンバーのドラマを受け入れたファンとの絆を強く結ぶという狙いを持った戦略的な表題曲の事を「神曲」という。
表題曲という事も重要な条件だ。

★ 乃木坂の神曲は下記の3曲は、メンバーのリアルドラマが詰まっている、正に正真正銘の「神曲」。
・「5th 君の名は希望」
・「10th 何度目の青空か」
・「16th サヨナラの意味」

★ 「神曲」としてそれ以外の特徴として、
・イントロはピアノで始まる。
・極力アコースティック楽器主体の伴奏(ストリングスも)。
・センターのソロパートが目立つ。
  生駒センターの「君の名は希望」は生田がリードボーカル
・アイドルソングなのに音域が広めで、高音域に展開している。
・フォーメーションはセンター中心に三角翼で始まり三角翼で終わる。
 歌を聴かせる様にダンス(振り)は凄く緩めで、2~5人での歌割
 の時に正面カメラに映る、お顔を全員見せる様に立ち位置移動が中心。
・合唱曲として取り上げられがち


★「乃木坂の神曲」という世界観を持った楽曲こそJ-POPの主流
メンバーみんなが欲しがっていたヒット曲になり得る楽曲。
世間的にヒットしたとは言えないかもしれないが、「神曲」は乃木坂46の代表曲と言える。ヒットしなかった理由は、一人のボーカルではなく歌割に拘ったから。
「神曲」かどうかは秋元康判断という事になる。
つまり、乃木坂46が成功する為の「戦略楽曲」であり、多くのメンバーと顧客との接点をつなぐ為に重要な働きをした。

「準神曲」の『歳月の轍』は、J-POPの王道としてヒットする可能性を秘めている。


■ 『歳月の轍』は、秋元康が生田絵梨花を10年見て来ていかに理解しているかが感じられる楽曲です。

秋元康先生に感謝です。

『生田絵梨花 乃木坂46卒業記念メモリアルブック カノン』に対する秋元康の帯コメントは、
「生田絵梨花のこれまでの人生は、イントロに過ぎない。これから先、どんな音楽を聴かせてくれるのだろうか?」
と寄稿してくれた。

カノンは、パッヘルベルの楽曲カノンのコード進行であり、「J-POPの王道コード進行」の意味です。
生田絵梨花にとって
「乃木坂46の時期はイントロであり、これからが音楽家としての王道が始まる」
と言う賞賛と大きな期待を込めたコメントを書いたのだと思います。


【参考】

★カノン進行:安定して好まれる進行
J-POPのヒット曲で一番使われているコード進行
Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ
という進行。

例えば
C G | Am Em | F C | F G

例えばⅢに向かって少しずつ暗い印象になって、
最後のⅤに向かって少しずつ明るい印象に戻っていく、といった流れ

★一方、王道進行:少し不安定な情緒を感じさせつつ、トニックのⅥに着地する進行
J-Popでの王道の進行、ということで王道進行と呼ばれます。
VM7→V7→Ⅲm7→VIm
という進行。

ハ長調例示すると、
FM7→G7→Em7→Am

少し不安定な情緒を感じさせつつ、トニックのⅥに着地する感じです。
一旦終止するんだけど、なんとも終わりきらない、そんな感じ。
偽終止、というやつですね。


■ 『歳月の轍』の世界観を考察する

生田絵梨花の場合、初期から「裏表の無い素顔」が思いっきり出ていたので、作り手側と聴く側の認識のずれが全くない珍しいメンバーだよね。
幼かった創作者生田絵梨花の才能を見出していた事は間違いないが、生田のソロ曲の場合それが躊躇なく描けるので、秋元康が創りやすかったのだと思う。

特に、「生田の卒業が1期生の終わり」だと真正面から描いていると思っている。

★生田の悲しみと楽しさと達成感をファンの皆が知っているから共感できる
『歳月の轍』の歌詞を見ると、随所に佐久間正英氏の逝去だとか橋本奈々未卒業引退だとか、白石や松村や高山達との楽しかった思い出とかが溢れている。
又、日本一のアイドルと言われるようになった事への達成感と、自分が目指したミュージカル女優のポジションを得られたことへの達成感の両方を得られた事で満足感が描かれている。


★『この季節がめぐるたびに
何度も思い出すでしょう
底冷えが寂しさに変わって
あの空見上げたことを』

乃木坂楽曲で冬や雪がテーマになった事は極小だ。
卒業が12月という事もあるが、自身の誕生日が1月22日という事と、橋本奈々未の誕生日が2月20日でその日が卒コンだった事への思いが入っていると思う。何しろ、もう会えない人だから。
これからも、冬の寂しさと卒業の寂しさで、この曲が忘れがたい曲になってしまう。
『あの空見上げた事を』はももちろん『何度目の青空か』の事です。


★『あんな直向き(ひたむきに)に想い続けられた 私の青春時代
夢の轍』

特に、生田がミュージカル舞台に立ちたいとの思いを持ち続けた事で、ミュージカル女優のポジションを得られた事を表現するのが、上記の歌詞。
2012年春の高校受験の時期から常に時間が無い中、どれだけ睡眠を削って大変な努力をし続けてきたのか、生田絵梨花を表現するのにふさわしい「努力の天才」を彷彿とさせる一節である。
※睡眠時間は削ったけれど飲食は忘れていないのが生ちゃん


★『雪よ降れ 美しいまま 何も後悔などない
新しい自分に生まれ変わるために全てを消して欲しい
歳月の轍』

ラスサビは旅立ちの覚悟を表現しているのだが、生田絵梨花の意志の強さが際立つ一節になっている。


それにしても、ピアノ一本での歌声が聴き応えあるのはさすがだよね。
2021年5月の日比谷野音の「君の名は希望」の時と同じ構成で、前半(1番)がピアノの弾き語りで後半(2番)がバンド演奏という生田絵梨花の楽曲編曲の基本になるかも。


■ 【歳月の轍】 歌詞

JASRAC様から著作権等侵害 の訴えにより歌詞を載せる事が出来なくなりました。主旨としては、この曲の裏側を語る事でこの曲をもっと聞いてほしかったのですが、残念ですが削除します。
どなたかの怒りを買って通報されたのかもしれません。まあしょうがない。

歌詞は耳コピ

(ピアノソロ)
(イントロ)

(Aメロ)

(Bメロ)

(サビ)

これ以降(ピアノ+ベース+ドラム+ストリングス)

(Aメロ)

(Bメロ)

(サビ)

(Bメロ)

(間奏)

(サビ)

(Bメロ)


(ピアノソロ)
(アウトロ)

『歳月の轍』は、生田絵梨花の代表曲になるだろうと思います。

是非聴いて頂きたい。


■ なぜ卒コンが誕生日(22年1月22日)でなくて、しかもソロコンでなかったのだろうか?

『ガルル8福神』の殿(しんがり)として覚悟して全員送り出した側だから、ソロコンが妥当だろう。
22年1月22日の1日だけで良かった。

私は、『ガルル8福神』で最後に残った孤高の生田絵梨花だけを見たいので、後輩メンバーとの薄っぺらい絡みを見たいのではない。
それは、却って虚しさや寂しさが増す事は間違いない。

せめて卒コン位、「さんざん1期生追い出しキャンペーンをやっていたサンキッズ」が参加する空間に一緒にいたくないという思いもある。メンバーが嫌いなのではなく、そのオタク達が嫌いなのだ。

卒業イベントなんてどんな演出するか?大概想定が付くし、秋元真夏意外に関係が深いメンバーは既に卒業してしまったから、関係が構築されていない後輩メンバーの薄いコメントで埋まるのは生田絵梨花にとって本当に気の毒だ。1期生だけの出演なら妥協しても良い。卒業生を含めての思い出話なら、何時間でも聴いて居られる。
話した事もない後輩にとっても何言ったらいいか困るだろう。

そういう意味で、橋本奈々未の卒コンを経験した後、それ以上心を震わす卒コンはない。
『ガルル8福神』の一番手の卒業だったから、送る側メンバーは総揃いで、結成から5年半の極めて濃い時間を思い出すには時間が足りな過ぎという空間だった。

橋本奈々未が何を成し遂げたのかを別な記事で書いたが、芸能界引退というインパクトと共に卒業に至る裏話が少しわかって来る数年間、心を離れない卒コンだった。その時期が来たら心してお皿を観る特別な卒コンだ。
橋本以降のメンバーの卒コンは、残念ながら自己満足にしか見えない。
松村沙友里はその意味を理解して、思いっきりジコチューな卒コンだった。
まちゅは私と同じものを見て感じている気がして、だから好きなんだよね。

又、「この曲を最後に25歳初日に卒業します」って歌って欲しかった。
この曲の後にはどんな曲もいらない。アンコールなんかくそくらえ。
その後、まいやんやまちゅんやかずみんが花束を持って来てくれたらもうそれで満足だ。見ず知らずの後輩が居たら出にくいだろう!

孤高で厳しい世界に船出する姿が、またこれからついて行く我々の気持ちを沸き立たせてくれるのにね。

卒コン迄、運営の儲けに利用されてしまい、気の毒だ。

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