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DMM TV ドラマ 脚本バカリズム 主演松田龍平 最高のコメディ『ケンシロウによろしく』 少しだけ西野七瀬
久しぶりに熱い紹介文を読んでしまったし、DMMがTVCM流していたので、思わず取り上げてしまった。
バカリズムの脚本は面白いし、西野七瀬も出演しているし、だから取り上げた。たまには軽い話で。
1.バカリズム×松田による最高のコメディ 『ケンシロウによろしく』が“運命的に”面白い
Real Sound 文=ハシマトシヒロ 2023.09.22
「松田龍平なら大丈夫だ」
筆者は胸を撫で下ろした。
なにが大丈夫なのかと言うと、松田龍平なら、ジャスミン・ギュ原作『ケンシロウによろしく』の主人公・沼倉孝一役を任せられるということだ。
主人公・沼倉孝一は、母を奪ったヤクザ・木村(中村獅童)を殺すために北斗神拳を学び(独学)、ケンシロウを目指していたら、なぜか超一流のマッサージ師になっていたという男だ。
4つの国家資格を取り(人の金で)、都内にマッサージ店も開業した(人の金で)。
ケンシロウなのだから当然初体験はユリアと決めているため、40歳を過ぎても童貞である。
このように全方位的にバカで、「男前なのにバカだから童貞」みたいな役柄がもっとも似合う役者、それが松田龍平だ。
松田龍平は、どんなに真面目にシリアスな芝居をしていても、心の中では「ハンバーグたべたいなあ」とか考えているように見えるのだ。
決して見開かれることのない細い目、あまり活躍しない表情筋、抑揚の少ないセリフ回し。決してディスっているわけではない。これらの要素は、ハードボイルドな役を演じる上では大きな武器でもある。
だが、このような要素がもっとも活きるのは、“シュールかつバカな役”を演じる時だ。
例えば、『恋の門』という映画がある。大人計画の松尾スズキの初監督作である、コメディ映画の傑作だ。
“石で漫画を描くことに執着する自称漫画芸術家”というのが、松田龍平の役柄である。もちろん、バカで童貞だ。バカで童貞の役に、“松田優作の息子”という超サラブレッドを抜擢した松尾スズキの先見の明は、さすがである。
この作品が素晴らしい理由は、全力で、命を懸けて、誠心誠意バカをやっているところだ。その姿勢の真摯さには、笑いを通り越して感動すら覚える。
バカは、真剣にやるからこそ価値がある。監督や演者が、ゆる~くヘラヘラしながら「バカっぽく」見せているだけの映画やドラマには、1円の価値もない。2004年公開の『恋の門』から20年近く経った2023年、やっと全力でバカをやっている映像作品を観ることができた。
それが、9月22日からDMM TVにて配信される、『ケンシロウによろしく』である。しかも主人公を演じるのは、『恋の門』の松田龍平だ。さすがDMM様、よくわかっていらっしゃる。
そして、脚本はバカリズムだ。完璧じゃないか。
ヤンキー漫画の世界観をそのままOL社会に持ってきた、映画『地獄の花園』の振り切り具合。あれはまさに、命懸けのバカだった。
またバカリズムは、同じく脚本を担当した映画『ウェディング・ハイ』において、あのEXILEの岩田剛典にウンコを漏らさせた男でもある。
この作品中の岩田剛典も、「男前でバカ」である。「見るからにバカっぽいバカ」より、「男前なのにバカ」な方が、より純度の高いバカと言える。「バカっぽいバカ」を見ても、「ああ、見た目通りのバカなのね」としか思わない。だが「男前なのにバカ」を見ると、その落差による喜劇性、ひいては悲劇性まで醸し出してしまう。
これは筆者の想像だが、「自らの脚本作にEXILEが出る」と聞いたバカリズムは、あえてウンコを漏らすシーンを書き足したのではないだろうか。「ウンコを漏らすEXILE」というシチュエーションには、男の浪漫をかき立てずにはいられない何かがある。
かと思えば、2022年冬ドラマで放送された『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)のように、笑わせて最後には泣かせるような、そんなホンも書いてしまうのだ、バカリズムは。このドラマにおける、リアルで自然な会話の中にさりげなく挟み込まれた笑いには、中毒性があった。安藤サクラと夏帆と木南晴夏の「どうでもいい雑談」を、永遠に聞いていたい。
だが、今作『ケンシロウによろしく』の会話には、そんな“自然さ”は微塵もない。
この2つのドラマは同じコメディでありながら、ひとりの脚本家が書いたとは思えないぐらいに趣きが違う。「シリアスもコメディも書ける」という脚本家はいる。だが、「まったくテイストの違う笑い」を書き分けられる脚本家は、稀有な存在なのではないか。
松田龍平も、体さえ鍛えれば、そのまま本当のケンシロウ役もいけそうなぐらいにカッコいい。だが彼の演じる沼倉孝一が、北斗神拳を(独学で)学んでやっていることは、風俗嬢・里香(西野七瀬)に“真のマッサージ”を教えて弟子にして月給100万円で雇ったり、妻とやりたくて仕方がない社長・野田(斉木しげる)のEDを秘孔で治したりといったことばかりだ。
特にこのED治療のシーンは、おそらくバカリズムも全身全霊のバカを込めて書いたはずだ。そのバカリズムの魂を込めたバカに、松田龍平だけではなく、大ベテランの斉木しげるまでもが、バカにはバカをもって応えている。
「てめぇらに、今夜を楽しむ資格は、ある……!」
副交感神経を刺激し、血流を良くする「八髎穴」というツボに百裂拳を叩き込む沼倉。徐々に膨らんでくる野田の股間。「勃ってる! 勃ってるよ!」喜ぶ野田……って、70歳過ぎた爺さんが西野七瀬に何を見せつけてるんだ。
「お前はもう勃っている」ケンシロウそのままに決める沼倉……って、40歳過ぎたおっさんが元乃木坂のセンターの前で何をやってるんだ。
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筆者自身、「いったい何を見せられているんだ」と思うようなシーンだ。だが、このシーンを書いた張本人であるバカリズム自身、筆者とほぼ同年代である。「同年代の人間がこんなにもバカなシーンを誠意を込めて書き上げたというのに、俺はいったい何を日和っているんだ……」と、筆者は自らを恥じた。
「もう年だから……」と日和ってしまうぐらいなら、人間はいくつになってもバカのままでいい。バカリズムに、そう教えられた気がした。
ところで原作の沼倉孝一は、長年の鍛錬によりケンシロウと同等の肉体を作り上げた。これが鈴木亮平なら、あるいは“王騎将軍”の大沢たかおなら、きっちり体を作り込んでから撮影に臨むことだろう。
だが松田龍平は、インタビューで「筋トレしたけど間に合いませんでした」と、悪びれもせずに答えている。この温度感、このテイストこそ、松田龍平が松田龍平たる所以である。「龍平は一生そのままの龍平でいてね」と、筆者は彼女気分で願っている。
『北斗の拳』作画担当・原哲夫によると、ケンシロウのモデルは「ブルース・リー+松田優作」である。
松田優作にインスパイアされて生まれたキャラがケンシロウだ。そのケンシロウにインスパイアされて生まれたキャラが、沼倉孝一だ。そして沼倉孝一を演じるのが、松田優作の息子・松田龍平である。これは単なる偶然ではない。運命だ。
原作において、筆者がいちばん好きなシーンがある。夢の中で沼倉とケンシロウが出逢うシーンだ。嬉しいことにバカリズムもこのシーンが好きで、「ドラマに入れさせてほしい」とお願いしたらしい。
これはつまり、「ケンシロウが初めて実写映像化される」という、歴史的快挙でもある(1995年のハリウッド版については、忘れた方が賢明だ)。ケンシロウ役のキャスティングは、まだ発表されていない。それを観るまでは、死ねない。
てめぇらに(そして筆者に)、このドラマを楽しむ資格は、ある。
この熱い紹介文を書いた人
ハシマトシヒロ
中学生の頃、リー・リンチェイ(現ジェット・リー)に憧れて空手を始める。大学生の頃、映画好きが高じて俳優を志すが挫折。現在はサラリーマン兼総合武道「空道」指導者兼ライター。
松田龍平&西野七瀬の共通点は?「足ツボマッサージは痛くても平気なフリをする(笑)」
ぴあ 2023/9/21(木)
【松田龍平と西野七瀬のインタビュー記事】
もうちょっと弾ける笑顔とか出していこうかな
――劇中には西野さんのサンバシーンも登場します。
西野 本物のサンバは日本人にはあまり馴染みのないテンポらしくて。現場では、もうちょっと踊りやすいようにと変えていただいていました。
松田 せっかくならガチサンバもみたかったけど。
西野 やってみたかったです。また違ったものになっていたかもしれないですね。
――お衣装もサンバのあの格好を?
西野 羽根を背負いました(笑)。なかなか自分のサンバ姿を見ることはないので、いっぱい写真も撮りました(笑)。
松田 サンバ感ないもんね。
西野 ないですね。
――松田さんから見た西野さんはどんな方なんでしょう。
松田 なんだろう。サンバ感がないのはわかるんだけど……(笑)。すごくマイペースですよね。自由な感じでいてくれるので、逆にこっちも気を遣わなくてすむというか。
西野 今回は2人のシーンが多かったので、よく話しましたよね。あと、ふたりとも寝てたり。
松田 そう。そういうところも自由で、リラックスできて良かったです。
西野 私も『0.5の男』でご一緒したときから接しやすい方だなという印象があって、それがちょっと意外でした。
松田 え、本当ですか。
西野 すごく寡黙で、共演者の方とあんまり喋らないのかなというイメージがあったんですけど、お会いしてみたらすごく気さくで。1度、「感情あるんですね」みたいなことをご本人に言ってしまって。
松田 失礼だなと(笑)。
西野 そしたら「結構ある方です」って(笑)。役の印象なんですかね。笑わない方なのかなとか、勝手にそういうイメージがあって。
松田 確かにそう思われたりしますね。やっぱりもうちょっと弾ける笑顔とか出していこうかな……。
西野 松田さんの笑顔、ちょっとぎこちない感じがすごくいい感じなんです。
――出来上がりが楽しみなシーンはありますか。
松田 指圧のシーンは気になりますね。監督の関(和亮)さんはじめ、みなさんがドラマチックに見せようといろいろ作戦を練っていて。接写ができる特殊なカメラを使って撮ったり。
西野 仕上がりが面白そうですよね。
松田 皮膚を押してるところにカメラが寄ってきて。
西野 胃カメラみたいな細いカメラが。
松田 そう。なんの撮影してるんだろって何度かなったけど(笑)。ドラマの中にどう組み込まれていくのか、完成楽しみですね。
首が寝違えたときは、現場でマッサージしてもらってました
――おふたりはプライベートでも指圧に通ったりしますか。
西野 疲れを感じたときに行きます。指圧もそうですし、あとは整体とか整骨とか体のメンテナンスは定期的に。
松田 頭皮マッサージも行くって言ってなかった?
西野 最近行きはじめました。
松田 現場で「顔と頭は皮膚でつながってるから」という話をしていて。
西野 1枚の皮になってるので、顔のマッサージだけやっても意味ないそうなんです。そういうのをいっぱい語って。
松田 俺も行こうかなって。
西野 絶対やったほうがいいですよ。オススメです。
松田さん、現場でマッサージしてもらってましたよね。
松田 そう。首が寝違えちゃって。指圧の先生がいつも現場にいてくれたんですけど、マッサージ台も現場にあったから、こんないい現場はないなと(笑)。
――記憶力が蘇るツボとかストレスに効くツボとか、劇中でもいろんなツボが登場しましたが、おふたりが今押してほしいツボは?
西野 百会を押してほしいです。何でも1日に1回しか押しちゃいけないらしいですけど。
松田 そうなんだ。
西野 覚醒しちゃうから押しすぎは良くないそうです。頭をほぐしてもらうと全然違いますよね。
松田 俺、結構足ツボが好きなんで足ツボかなあ。
西野 足もいいですね。
松田 やる時は結構痛めにしてもらいますね。で、それに耐えるのが好きなんです。耐えたあと、めっちゃ楽になるから。
西野 わかります。痛ければ痛いほど終わったあとの気分がいいですよね。私は耐えたっていう達成感が。
松田 おー、そうなんですか?意外と同じマインドですね。
西野 痛いって絶対言いたくない。
松田 わかる。
西野 「痛いですよね?」とか聞かれるけど、「う~ん。まあまあ」みたいな、なぜか平気なフリをしちゃう(笑)。
松田 (笑)。
10年もタレントやっていると、トークが弾むようになって、おじさん嬉しいよ。( ;∀;)
あの西野がな~~
終わり
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