見出し画像

記憶の彼方にある本の話6

【五年二組の幽霊島】
タイトルに惹かれて、図書室で借りた記憶が
うっすらとあります。
「五年二組シリーズ」の一冊ですが、図書室には
これしかありませんでしたね。

名前は忘れてしまいましたが、ヤブンちゃんと
いう あだ名の女の子が主人公です。
個性的なクラスメートと一緒に謎に立ち向かって
いきます。

夏休みの始め、ヤブンちゃんの担任「クマさん」の
恩師である九鬼先生が暮らす島に、ヤブンちゃんと仲間たちが招待され、そこで起きる様々な出来事に、知恵と体力をフルに使って挑んで行く、という物語だったはずです。

その島には戦時中の悲しい愛の話があり、
それに纏わる出来事や騒動が次々と起こりますが、ヤブンちゃんのガッツとチョビ松君の知恵で、
謎が解けていきます。

船で出発する時から一緒で、ヤブンちゃんの仲間達を怯えさせていたヤンキーが、実はちょっぴり
イキっていただけの普通の高校生だということ、島の人々を困惑させた騒動にも理由があることがわかり、小学生の私が読むには丁度いい、
ほのぼのとしたラストでした。

今、書店の児童書コーナーを見ると、私が子供の頃とは違って、名作と呼ばれた本は ほとんど姿を消しています。
「魔界転生シリーズ」だとか、
「××は名探偵シリーズ」だとか、
ライトノベルのような感じの本ばかりが並んでて、
何だか寂しくなりました。

「中学生が知恵を絞って、一週間
大人の狡さと戦う話」とか…
「大砲の弾で月へ行って来る話」とか…
「天の川沿いを走る鉄道の物語」とか…
「魔法使いにヒラメに姿を変えられた王子様」や
「うだつの上がらない仕立て屋さんが、ワンチャンで王さまになっちゃう」なんて物語が、もう必要とされてないようで…

そういう時代なんでしょうか。