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草創期 5(小児がんと向き合う家族の記録)

外科病棟から血液腫瘍科病棟へ移動した時のことを朧げに覚えている

病棟にいる子達の髪の毛は当たり前のようになくて比較的元気な子が多いように見えた

そうちゃんは頭の後ろ側を
10センチ程切っている
その部分は剃ってあるが
それ以外の髪の毛はまだある

無意識に平常心を意識していたと思う


この時少し外出許可をもらって写真を撮った

兄むくとまとめて
七五三の写真を撮る予定だった
素敵な写真を撮る友人にお願いし、
外で撮影した

慌ただしい日々だったので
衣装は揃えられなかった
普段着で自然体で撮ってもらえたら
それで良かった

急遽ばあばも来てくれて
およそ一ヶ月ぶりの外の空気、感動の対面!かとおもいきや

外へ出てくるなり病院に帰りたいー!! 
と泣くそうちゃん、、

寒かったのか、写真を撮る空気が嫌だったのか、、どうやら一番の理由は病棟プレイルームのおもちゃで遊びたいらしい

そうか、移動したばかりだから
真新しいおもちゃがたくさんあるんだね、
タイミング悪し

お調子者の兄むくは
写真が恥ずかしくて騒いでいる
そうちゃんは泣き泣きでバギーから降りない

肝心な時は大体まとまらない八木家

なんとかそうちゃんを笑わせて
兄むくをつかまえて写真撮影

あんなカオスな状況だったのに
素敵な家族写真に撮ってくれた友人、
さすがです。ありがとう。

七五三代わりの短い撮影を終えた頃
私側のじーじばーば&姉も合流

その頃にはそうちゃんのごきげんは
良くなってバギーから降りて歩いてる

あらあら、ちょっと時間が必要だったのね
しばらく待てば笑顔で撮影できたのかな

こども達の気持ちを汲み取りながら
大人の用意したことに参加してもらうのって
難しい

我が子は二人共警戒心が強くて
それでいてどこかのんびりしている

次の行動にササッと移れないので
なにかと時間がかかる

せっかちな私は待つのが苦手
子育ては子どものペースに合わせるよう
心掛けたが
無意識に急かして育てたのだろう

のんびりな夫が子育てしたら
こども達の性格は変わっただろうなと
真面目に思う


短い外出を終え 早々に病棟へ戻る

これから約半年 
抗がん剤治療の日々へ向かう

2021.5.2


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