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わたしごと 良い思い出の後に

前回、苦い思い出ばかり書いてしまったので
良い思い出も書いておく。

私が育った家は、家族5人が暮らすには少しコンパクトな二階建てだった。
二段ベッドを3人で使っていて、下のベッドに私と二番目の姉が寝ていた。

20時になる前に布団へ行くと絵本を読んでもらえるので、ごはんも競うように食べて大急ぎで二階へ行った。

好き嫌いもなく食育は上手くいったと母は自負していた。少々スパルタだったけれどおかげでなんでも食べれるようになったので感謝している。

絵本の時間が大好きで、そのまま母と寝落ちする時間も嬉しかった。夜中に起きてしまったときは、ベッドを抜け出してこっそり両親の布団に潜り込んだ。
三姉妹の中で一番さびしんぼうで甘えん坊だった私。

イベントもたくさんあった。クリスマスや誕生日、父の日、母の日、こどもの日、お月見、七夕、ひなまつり、、母のごはんと飾りでお祝いしてくれることが多かった。

七夕には毎年笹を近所から切ってきて飾りつけ、キラキラした色とりどりの飾りに心踊った。お月見には手作りのお団子。お団子をじょうずに三角形に重ねられなくてスネたのを覚えている。

誕生日にはもちろん手作りケーキ。なぜか毎年固いスポンジになってしまうけど、なぜかいつも美味しかった。生クリームを星型の金具でデコレーションしてくれるのが嬉しかった。

クリスマスはチキンやローストポーク。
女のコだからテーブルマナーを覚えてほしいとナイフとフォークは早くから使った。
こう書いていると良いところのお嬢さんみたいだけれど、暮らしは至って質素だった。

母の生い立ちは貧しくお金に苦労したのでやりくりがじょうずだった、といえば聞こえは良いが、かなりの節約、倹約家だった。なので必然的に子供達はガマンを強いられ、"ダメ"なものが多かった。

おでかけもたくさんしたけれど、外で無駄遣いしないようにお茶とコーヒー、お弁当は必ず持参していた。時々アイスクリームやジュースなどを買ってくれたけれど、滅多に買ってはもらえなかった。

つい、してもらえなかったことばかりが出てきてしまう。良い思い出を書いているはずなんだけど、まあ仕方ない。

おでかけで嬉しかったのは毎年のキャンプ。
私の自然好きはここにルーツがあると思う。
車酔いが激しくてしょっちゅうリバースしていたのだけど、山道を車で走ると涼しくて緑と土のにおいが好きだった。狭いテントで家族5人眠る時のにおいも好きだった。

私達家族のキャンプは、他のキャンパーに比べると子供でもわかるくらいちょっと不器用だった。(火のおこし方とかテントの張り方、持参している器具など簡素で時間もかかった)他の場面でも不器用さは多々あった。

雨でズブ濡れになりながらブルーシートをタープのように一生懸命張ったのは良い思い出だ。写真にはどれも良い笑顔が写っていた。

普段の休みの日は父にたくさん遊んでもらった。家から徒歩5分で海に行けるのだが、そこは遊泳禁止の海なので、泳げないけれど水石を拾ったりテトラポットを登ったりひたすら駆け回ったりしていた。

外に出れば遊びは無限にあった。春夏秋冬いつも外で駆け回っていた。家族の時間はたくさんあった。

それでも私が寂しい思いをしたのは何故だろう?満たされない欲求を抱えたまま大きくなった気がする。

幸せな思い出はまだまだたくさんある。
マラソン大会では絵の得意な父がボール紙で即席の御守りを作ってくれた。走るポーズの女のコの形をした御守りに、ガンバレ!と書かれていた。そのおかげで初めてのマラソン大会では3位だった。

その後は6位、12位と、年々順位は下がっていったのだけど、あの時の喜びは忘れられない。

こうして書いてみて気付いたことがある。
私の思い出が暗いのは、このマラソンの順位と同じように、私自身が少しずつ下がっていったからかもしれない。

楽しいことが少なくなり、テレビでヒマを持て余した小学生時代。
パートで忙しい母はいつも帰ってくると疲れていた。父も夜は大抵遅かった。

ゆるやかに下降していった私達家族は、いつの間にか取り返しのつかないところまで落ちていったのだと思う。

私達家族に足りなかったのは話し合いだ。
話すことを怠ったので意思疎通は言葉ではなく態度に現れた。

なんだか書いていて情けなくなってしまう。
基本的なことなのになぜできなかったんだろう。

夫婦で阿吽の呼吸ができても親子には無理な話。コミュニケーション不足の家庭で育った私は外の世界でうまくやっていけるはずがなかった。育つ環境は本当に大切だと思う。

やっぱり両親への恨み辛みになりがちなのでこの辺りでおしまいにしておく。

次は親子関係や私自身が改善していった背景を書いていけたらいいかな。
noteはありがたい。頭と過去の整理にちょうど良い。


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