草創期 7(小児がんと向き合う家族の記録)
抗がん剤治療は全部で5回
一回の治療期間は約一ヶ月
治療が終わる毎に一時退院があり
入院と退院を繰り返しながら
半年間かけて治療する
一度目の治療は一番大変だった
副作用による発熱と嘔吐と口内炎
副作用の症状は個人差があるようで
そうちゃんの副作用は重く大変なものだった
他にも便秘や下痢、肌荒れ
(痒くて掻いてしまう、
そこが炎症して治りづらくなる)
唇はいつも乾燥するのでプロペトは欠かせない
まだ3才なので食事や入浴
排泄の介助も必要
カテーテルが入った身体に
緊張しながら抱っこ
自分の子なのにやたらと気を遣うことが多く
慣れるまで時間がかかった
そして副作用に対して
対処する術がわからないので
悪くなっても見守るしかできず不甲斐ない私
本人はぐったりと辛そうで不機嫌で
面会に行けば不満爆発、泣き荒れた
ごはんも何日もまともに食べてない
(10日ほど食べれなかった)
食べるのが大好きでガッチリ体型だった
そうちゃんはみるみる痩せて
背中を撫でると切なかった
食べなくてもしなければいけなかった
歯磨きは嫌がるのでまともにできず
結果口は大荒れ
最後は上唇と下唇がくっついて
剥がれなくなりそれはもう大変な状態に
なってしまった
口の中も外も痛いので
痛み止めをたくさん使った
喋れないそうちゃんは
痛みが強くなるたびにボロボロ泣いた
痛みが続く中でも疲れたら眠ってくれたのが
唯一の救いだった
少しでも辛い時間を忘れてくれたらいい
そして私も休憩したい しんどかった
同時進行で発熱や吐き気が続く
そうちゃんの痛みも治療も待ってはくれない
輸血や抗生剤、吐き気止めなど
絶えず点滴が続く
血球が上がってそうちゃんが回復するのを
先生や看護士さん達は看護しながらひたすら待った
先の見えない私は終わりのない治療に
途方に暮れた
こんなに悪くなって、、治るの?
希望なんて持てない 大丈夫なんて思えない
不信感は募るばかりで
この選択は間違いだったのではと思い始めた
恩師の言葉が胸に響かない
一度決めたら迷わずつらぬけ
無理だよ、みえさん、できないよ
だってそうちゃんこんなに苦しんでいる
私も苦しい
間違えたら戻ればいい
そういう選択肢もあるじゃないか
2021.5.3
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