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そうちゃんはまだ元気

ラスボス退治がついに始まった
個室に移動し、投薬に向けて準備が始まる

この日から親の夜間付き添いはしばらくお休みだ
そうちゃんに前々から言い聞かせてきたけど
やっぱり寂しいのはお互いさま

最後の治療で使う抗がん剤は
点滴で体内へ入った後、排泄物だけでなく
汗からも排出されるようで
被爆しないようにガウンやゴーグルをつけて接触する

加えて治療中は気をつけることが増えるので必然的に親も助手として手伝うことが多い

慌ただしく忙しい室内で
そうちゃんの遊び相手をしながら
内服薬の介助や口腔ケアなど
様々なやるべきことをこなす

親も相当な体力と気力がいる
往復一時間半のお見舞いは
時間がもったいなく感じるがそれも仕方ない
帰宅してしっかり休んで
少しでも体力温存するのだ

治療前半は大きなトラブルなく終わった
束の間の休息日を二日挟んで
また抗がん剤投与が始まる

そろそろ血球が下がり副作用が強く出る頃
対策は万全とは言えないが
できる限りのことは毎日やった

そうちゃんの苦手な口腔予防薬を
副作用が出る前に
どれだけできるかが鍵なのだが

投薬の影響で気持ち悪さが続く中、
そうちゃんは泣き泣き口を開いてくれた

嫌でもやらなければいけないと
わかってくれている

もうすぐ4歳のそうちゃんは少しずつ成長して
こちらの駆け引き多めのお願いに
応えてくれるようになった

大きな合併症や炎症反応が
強く出ませんように

息子の変化をひたすら観察する緊張の日々

少しずつ皮膚に炎症の気配が見えてきた
ひどくなりませんように
祈るような気持ちでオムツ換えをする

毎日3回のシャワーも看護師さんと本人の
頑張りでなんとか最後まで無事に終えた
看護師さん達には本当に感謝しかない

ヒヤヒヤしながら過ごした2週間
心配していた皮膚の炎症は最小限に
抑えられたと思う

自己末梢血幹細胞移植も無事に終えた
そうちゃんの身体が元気になるための
大切な移植は点滴であっさりと終わった
(自分の幹細胞なので比較的安全に
移植ができるらしい)

予想よりも良い状態で終えることができ、
私も看護師さん達も安堵した

けれどそうちゃんはこれからも薬による
副作用と闘っていく日々が続く
むしろ大変なのはここからだ

投薬治療が終わったので
夜間付き添いが可能になった
ここから泊まり込みでケアしていく

なにも起きませんようにと思っていた矢先
白血球ゼロのそうちゃんに感染症疑いが。

2021.5.14

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