春眠

電車に乗ると、周りの人の観察をする癖があります。いつもは大体9割の人がスマホをいじっています。しかし今日は太陽さえ出ていませんが曇り空でポカポカと。電車の中では見渡す限り、皆さん眠っておりました。4人がけの電車の椅子に老若男女大人が4人スヤスヤと眠っている様は穏やかというか平和というか異様というか。保育園児じゃあるまいし、と思わず笑いがこぼれてしまいます。

前日にYouTubeで南アフリカの最近の危険な現状を見聞きしたばかりでした。増え続ける殺人と20%にまで落ち込んだ殺人の検挙率。一般家庭も電流が流れるフェンスを家の塀に張り巡らしたり監視カメラを取り付けて、警戒をしているそうです。一歩安全な島を出ると、1人で出歩くなんてもってのほか。車を運転していても、信号で止まるといつ襲われるかわからない。できるだけ止まらないようにはやめに速度を落として運転したり、車間を開けて止まったり。公共の場では細心の注意を必要としています。

そんな世界がある一方で、電車の横がけに肩を並べて大の大人がスヤスヤと。ふと不安になって周りを見渡しますが、スマホ組も数人おり、何か強制的に眠らされているわけではなさそう。平和だ。いや、いくら平和でも公共の場で大多数の人がスヤスヤと眠れてしまうって危機感なさすぎっていうか、乗っかりすぎっていうか。まさに保育園児のように与えられる保護を一方的に享受しきっている様を象徴しているようです。

こぼれた笑いはいつしか苦笑いに。なんだかむしろ空恐ろしい光景に見えてきました。

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