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新入社員のあなたへ 会社とは?戦略とは?

さて引き続き新入社員お迎え準備に意識が向いています。

会社に入ってからどのように教育をすすめるかは、会社によって全く違うでしょうが、

①まずはじっくり全体像や概要を見せる型

②いきなりこの仕事やってみ型

に(勝手に)大きく分類することができます。(もっとあるかもしれない)


①は全体から自分が任せられる仕事の意味を理解し、その仕事へのモチベーションをあげる、流れを理解するという利点がありますし

②は実感優先型で、やってみて感じたこと疑問を自分事としてリアルに実感することができる、という利点があります。

(世にいう、「鳥の目、虫の目」というやつとも言えます)

今回は①の視点にたって、会社ってこういうことしてるんやで、アンタにはこういう風な視点をもってやってほしいんやで、を伝えたい。(#いきなりの関西弁)

この話はいまさらながら「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建先生の著書)を読んで感動したので、その(しかも触りだけを)新入社員向けにかみ砕けないかな~とトライしたものです。読んだことが無い方はぜひ著書自体を読んでいただきたいです。

新入社員へ送るメッセージであるとともに、自分への戒めでもあります。

では、どうぞ。


1.会社ってどういうもの?

ズバリ”利益”をだすところ!

利益を出さなければ、世の中に価値を提供し続けられません。従業員が食べていけません。会社は死んでしまいます。

では、利益はどのようにして生まれるのか。

”WTP(Willing to Pay) - C(Cost)=Profit(利益)

Willing to Pay :”支払っても良いと思える価値”を創造し

Cost     :”その価値を創出する費用”を抑える

その差としてProfit(利益)が生まれます。

2.強い会社とは?

ズバリ”利益”を出し続けられる会社です。

利益が出れば新しい商品(サービス)開発に取り組むなどお客様への価値提供に磨きをかけるための選択肢が増えます。するとお客様(ファン)が増えます。さらに従業員に還元することで優秀な従業員を確保し、それがまたお客様への価値提供へ繋がる、というサイクルを生み出します。


3.では、どう利益を出し続けるか?

世の中の会社は競争していますよね。利益を確保できる価格を自由に設定できれば良いですが、競争相手がいるとそうはいきません。

利益を出し続けるために4つの切り札(カード)があります。(順番に切ります)

①魅力的なユニークな業界・商品を出す

要するに競争相手がいない状態をつくるということです。


②他社と異なるポジションをとる

A社は高級路線、B社はコスパ重視 …例えば同じ洋服でもシャネルとGapのように。(例が極端すぎるか?)どこの客層を狙ってどういうポジションをとるか。異なるポジションを取ることで他社との競争を避けます。


③他社に勝つ組織力を鍛える

組織力・オペレーションは一朝一夕でマネできるものではありません。故に他社がマネしようと思っても同じ方法で完全競争の状態に至るまでには時間を要します。(筋トレみたいなもんですね。)

トヨタ生産方式は有名ですが、これを公開したからといってすぐに他社が完全にマネをして同じ成果をあげられるものではありません。


④他社とは異なる戦略(ストーリー)を実行する

特定の②や③の違いだけで持続的な利益が出しにくくなっている場合、最後の切り札は戦略です。戦略とはつまり、上記の②(ポジション)や③(組織力の違い)単体だけでなく、それら要素をどうつなぎ合わせて利益につなげるか、を意味します。

同じような要素でもどう積み上げるかによって、結果は変わってきます。(子供のおもちゃでいうと、積み木とか?)

サッカーもそうでうすよね。同じプレーヤーを配置したとしても、パス回しによってどうゴールを挙げるかは変わります。


4.じゃあ、どうやってその切り札(カード)を強くするか?

最後の切り札はポジションや組織力をどう掛け合わせてゴール(利益)に繋げるか、というカードですが、

”その繋げ方(ストーリー)を強く・太く・長くする”こと。そうすることで他社がマネしづらい戦略になります。(その中に”キラーパス”をいれるとさらに効果的!キラーパスが何であるのかはぜひ著書を読んでください!めちゃ面白いです。)

強く=それぞれの要素・打ち手が相互作用をポジティブに起こしている

太く=ひとつの打ち手が一石二鳥三鳥になっている

長く=その打ち手をした結果、それでどうなる、そしてこうなる…の連鎖が次々に起こる

これが強い論理で組まれていればいるほど、強い切り札(カード)になります。



5.で、社員のあなたは何をする?

その戦略を考えるのは経営者の仕事でしょ~ という心の声が聞こえそうですが、そのとおりです。

ですが、その戦略に沿って実質的/具体的な行動に落としこみ実践するのはそれぞれの社員です。(社長が全部一人でできたら、社員無しで事足りる)

では、その社員が戦略とその先のゴール(利益)を理解して日々行動するのと、ただ目の前にある頼まれた仕事をするのでは、どちらがモチベーションが上がり、成果があがるでしょうか?

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少し話がそれますが、日本人って「あなたの仕事は?」って聞かれたとき

「○○という製品(もしくはサービス)を作ることに携わっています」っていう考え方(受け止め方)が多いと言われています。これは創造する”価値(商品)”に焦点をあてています。

これに対し「マーケティングです」とか「検査員です」という考え方は組織対する”機能”に焦点をあてています。これは欧米企業の組織によく浸透している機能分化です。

どちらかというと価値(商品)に焦点をあてることに馴染んでいる日本人は「こういうものをお客さんに提供したい」という想いが理解・共有されていたほうが、仕事のよりどころになりやすいといえます。

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この性質も踏まえると、やはり戦略/仕事の流れを理解して進めていくのが理想的な状態と言えそうです。

これから(研修や実務で)説明され覚えていく仕事の流れについて、「全体の中でどのような役割になっているか」、「それに”流れ”(論理の一貫性と時間軸)はあるのか」を意識して日々行動していきましょう。

実際に仕事を任されたときも、指示は「誰が、誰に、何を、どうやって、どこで、いつまでに: やってくれ!」という指示になるでしょう。(またはいくつかが欠けた指示かもしれません)

ただその時仕事を受けるあなたが、「なぜ」を突き詰めて仕事に向き合えば、実はもっと良い方法があったり、仕事依頼側の別のニーズに気づいたりするかもしれません。良い仕事の流れを考え実行することは、会社の戦略を強くします。

だからあなたには”筋”や”流れ”を考える癖をしっかり身に着けてほしい。そのうえで”数字”で結果をだせば、とても社内でも社外でも強い人になれる。筋があって、裏付けの数字を出すこと。 それができればどこでも活躍できる人になっている。

以上の言葉を新入社員のあなたと、そして自分に贈ります。

さぁ、今日も一日いっしょにがんばろう! 


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