可愛いと思ってしまった1人の男友達の話

女の言う「可愛い」に信用がない

と、いつからか言われるようになった。
私は「可愛い」は人によって違うと思っているし、言葉の単純さだけで信用がないと言われるのは不服だ。

そんな中で私は、男に対しても「可愛い」
という感情を持つことがある。
（「可愛い」という感情の相手が、女だけのものでは無いのはもはや当たり前なのかもしれないが）

まずそれが何なのか説明する前に、そう思ったきっかけについて話そうと思う。

私には仲の良い男女6人のグループがある。中学生の頃から仲良しでそれぞれ幼稚園からずっと同じ人もいる。
中には恋愛感情を持った相手もいるが、今となってはそんな事はほとんど関係なく、一緒にいるとただ純粋にあの頃に戻ったような気持ちになる。

全員趣味も性格も進路もバラバラで、どうしてこんなにも仲が良いのか全く理解ができないが、何故かそれが愛おしかったりするのだ。

その中に、何人か大人の階段を登っていない人がいる。

経験人数や速さがその人の価値を決めるわけでは全くないが、今までそんな話をこの6人でしてきたことがなかったので、ひどく私は興味を持った。

ただ一概に童貞が「可愛い」と言いたい訳では無い。
彼らの中に未経験なのは1人だけではないし、私の性癖が童貞に詰まっている訳では無い。

私が「可愛い」と思ったのは、ついこないだ６人で会った時にいつかの話題で、キスかハグどっちが好き？というようなものがあった上で、口々に5人が答える中、小声で「キスかな」と言ったエロさや、「ピアス開けたら超いいのに」と言った私の言葉に対して「え〜開けようかな」と照れ笑いしながら言うところや、未経験をカミングアウトする友人がいた瞬間に自分もそうだと言わなかったプライドや、「え、だってした事あるでしょ？」と問うた時に、「いや、無いよ」と恥ずかしそうに言う感じや、高校生の時に2年間付き合っていた彼女がいたのに！というような、なんか、そういう所にあるのだ。

これはきっと分かる人と分からない人がいると思う。

私は彼を思い出してしまうのだ。
たった1日に積み重なった彼の「可愛い」を。

私はこの感情を「可愛い」で置いておける自信がまるでない。だから2人では会えないのだ。

全く、自分の事がより一層難解になってしまったな。