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㉔腎機能障害患者では造影CTは禁忌なのか?

救急外来では造影CTをオーダーする機会は多いですよね. その際に腎機能障害を認める場合にはどうしているでしょうか?
結論は意外とシンプルですよね. 必要なときには造影する, 不要な造影は避ける, あたりまえのことを実践するのみです.
大動脈解離, 肺血栓塞栓症, 絞扼性腸閉塞, 敗血症のフォーカス検索などなど, 単純CTで診断がつけば不要な造影は避ける必要はありますが, 撮影しないが故に診断が遅れ, 患者の予後を悪化させることは御法度です. 状態が悪い患者の多くは腎前性腎障害を合併していることが多いため, 必要な細胞外液を投与する, 不用意にNSAIDsを使用しないことは必要ですが, 腎機能を理由に必要な検査を避けてはいけません1). ちなみに, 透析患者であってもヨード造影剤除去のために追加透析をする必要はありません2).
造影剤に伴うアナフィラキシーはどうしても一定数起こるので, 対応方法は必ず理解しておいてくださいね.

#1. Aycock RD, et al. Acute Kidney Injury After Computed Tomography : A Meta-analysis. Ann Emerg Med. 2018 Jan;71(1):44-53.
#2. 急性腹症ガイドライン2015. 医学書院. p113.

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救急医の坂本が『救急外来の勘違いプラクティス』としてまとめています.
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『救急外来の勘違いプラクティス』
①腎機能障害患者では造影CTは禁?
②D-dimer陰性ならば大動脈解離は否定的?
③ジギタリス内服中の患者ではグルコン酸カルシウムは禁?


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