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防音材の重要情報を公開します

今回の記事は、私が防音材を30年間使用したり、取引先から現場に納品をした経験に加えて、提携先の現場で音響透過損失を詳細計測してもらった資料をもとに記述します。
各社メーカーが公表していないオフレコを含みますので、今後は、これ以上の詳しい情報を一般の人にお伝えすることはないと思ってください。
*メーカーからクレームが来て、記事を修正する場合もあるかもしれないので、コピーして保存してください。
※該当する製品の画像を掲載できませんので、代わりにイメージ画像を載せます。

市販の防音材は密かにマイナーチェンジされる

これは、メーカーの勝手な内部事情で、単価を変更しないで加工する原材料の品質や配合を変更した結果、性能や施工精度が低下することです。
ある有名メーカーの遮音ゴムは、面密度が小さくなったり、切断面がよじれて突き付けても隙間が出来るようになりました。
この事実は、私の専属職人と取引先の建築士が気づきました。

また、複数の相談事例では、施工要領が変更された結果、床からの音漏れが酷くなり、調査した結果、施工要領が間違っていたという大変な事実が露呈しました。
おそらく、製品の特性などに変化が生じたためか、取り扱い説明書の方を修正したことも影響したと思われます。
これもユーザーが知らないところで改変された事例になると思います。

防音職人では、上記のような事が知らない間に起きるので、20年以上、防音材の市販品は、私の現場では使用していません。
ただし、施主が購入した製品を有効活用するために、重ねて施工したことはあります。その場合は、製品の特性を確かめたうえで、問題がないと判断された製品だけ使用しています。

メーカーの防音材の試験体と現場の効果は乖離する

この事実は、専門家なら常識として知っている内容ですが、一般の施主や建築士は認識していません。
当然ですが、通販業者も全く知らないで販売しています。ただメーカーのカタログをそのままコピーして流用しているだけです。
なので、通販業者の販売する防音材の大半は、現場で計測すると製品の性能データとかなり違う結果となります。

主な理由は、市販品は小さな試験体で、つなぎ目のない区画で音響透過損失の計測実験を行うので、現場のような大きな区画では、つなぎ目が複数生じるなど、異なる条件で施工されるからです。
また、複数の防音材や建築材との相乗効果などを考慮していませんので、施工要領や設計仕様によって、防音効果が大きく変動する場合があるためです。※防音職人では相乗効果を計測するために、設計仕様ごとに精密測定を行った経験値をもって補正するようにしています。

今後、受注生産品も市販品も、原材料の価格変動や輸送などの経費の値上りが、さらに懸念されており、今年中に再値上げされることが予想されます。
すでに現場に納品する送料が、地域ごとに改定されています。
しかし、重要なのは防音材の性能が維持されることや、正しい施工要領で施工されることでしょう。
引き続き、取引先と現場の職人や担当建築士からの報告をチェックしながら留意したいと思います。

なお、市販の吸音材はグラスウールとロックウールでは吸音効果に差が出ます。背後空気層の有無や製品のタイプ(断熱専用と吸音用)によっても、大きな差が出ますので要注意です。吸音材の分析は、また別の機会に触れたいと思います。

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