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メガシンセシス・ケンブンロク pt18・ステップ・シーケンサー VII

Youtube等にアップしているMEGA SYNTHESIS CHALLENGE
カヴァーした楽曲が溜まってきて、遂にブランクのパターンを全部使い切ってしまいました。
なのでパターンをバックアップし、現在は上書きで新しいのを作ったりしています。
SmplTrekだとマイクロSDに保存(1プロジェクトフォルダに128個まで。フォルダを外部に移動する事でリセット可能)できるんですが、MEGA SYNTHESISではMIDI経由でファイルバックアップを行います。
尚、バックアップ等に関してはいずれ書ければなあって思ったりしています。

今回もステップシーケンサーに関して。
と言っても前回までで大方の内容は説明されている感じになっています。
なので、今日はちょっとしたシーケンスの手法を考えてみたいかなあっと。

MEGA SYNTHESIS CHALLENGEではメガドライブの楽曲を色々とカヴァーしていくのですが、音色だけでは無く多彩な表現を持つ原曲をできるだけMEGA SYNTHESISの内蔵シーケンサーで再現する方法を試しています。


・ベンドアップ/ダウン・・・ある音程を連続的に上げたり下げたりする効果ですね。
ギター等ではチョーキングなんて呼ばれたりするみたいですが、多分これと同じ効果だと思います。
一般的なシンセサイザーでは本体にピッチベンドホイール等が付いていて、演奏しながらこれを動かす事で再現しています。
メガシンセシスにはベンド用の装置は付いていませんので、この効果を再現するには外部MIDI装置(ベンドホイール付きの鍵盤など)を使うか、SWEEP機能を使います。
メガシンセシスのSWEEP機能はSPEEDとRANGEによって音色の音程を変化(ビブラート)させられますが、SWEEP CURVEの設定によりベンド系(正式名称不明。本記事では便宜上こう呼んでいます)のサウンドを設定できます。
ビブラート系はトラックごと(パターン中)に1種類の設定になりますが、ベンド系(カーブの違いで3種あり)はノートごとに個別に設定できます。
例えば同じステップでドとミの2種のノートを記録する際、ドはカーブがLINE、ミはカーブがEXPとした場合、それぞれの設定値でノートを記録して再生がされます。

func+SWEEP CURVEを押すたびに設定値が変更されます。
この中でLINE、EXP、LOGの3種がベンド系になります。
LINEは直線的に、EXPは出だしが遅く後半が速く、LOGは出だしが速く後半が遅く変化するカーブとなっています。
SPEEDノブでRANGEで設定した値までの変化時間の速度の変更ができます。
値は0~31で値が低いほど変化時間が速くなります。
RANGEノブでキーを押してから変化する音程の設定ができます。
値は+-2OCT、+-1OCT、OFF、+-1~11の設定が可能です。
例えば+2に設定した場合、ドのキーを押すと音程がレの音(+2音)に徐々に変化して行きます。

ベンド系のSWEEPはノートごとに別の種類、値を記録できます。
値を決めた後にシーケンスにノートを記録し、値を変更して別のノートを記録すると、それぞれの値でシーケンスが再生されます。
また、タイノートで伸ばしている間もSPEEDで設定した値に沿って音程が変化して行きます。
これらの記録された情報はパラメータ・ロックではなく、記録したノートに直接設定されており、PRM LOCKをオフにしてもベンド効果はしっかりとかかります。

それぞれのカーブによる変化の違いはこんな感じ。
LINE-EXP-LOGの順序、スピードは10、レンジは+1Octに設定しています。

・SWEEPによるビブラート・・・これはSWEEP機能の一般的な使い方であるビブラート効果(正式にはピッチLFOと呼ばれる効果)をノートに付与する方法ですね。
BANK1のプリセットパターン9番目[MG.SY]等でその効果を聞く事ができます。
メインメロディでノートが伸びた後半部分にビブラートがかかっているかと思いますが、これはノートステップに対してパラメータ・ロックでSWEEP機能を有効化する事で実現しています。
この機能はパラメータ・ロックによるステップへの記録となる為、複数のノートが混在するステップでは全てのノートに効果がかかります。
SPEEDは0~127で値が高いほどビブラートの速度が速くなります。
RANGEは0~127で値が高いほどビブラートの深さが大きくなります。
またRANGEの最大深さは+-1オクターブとなり、RANGEが0の場合はSWEEPは無効状態になります。

CURVEの種類はSINE・SQAR(矩形波)・TRI(三角波)・SAW(ノコギリ波)・RSAW(逆ノコギリ波)・RNDM(ランダム波)となります。
また、トラックごと(1パターン中)の設定となりますがベンド系とは違い、1種類のSWEEP CURVEのみ利用できます。
別のカーブに変更するとSPEEDとRANGEをそのカーブ設定で読み込みます。

PRM LOCKを使用してノートにビブラート効果を追加する手順。
パラメータ・ロックで記録するのでPRM LOCKをオフにするとノート以外の情報は読み込まれなくなります。
またCURVEを変更するとビブラートのかかり方が変化します。

・レガートによるビブラート・・・当初、一つのトラックで利用できるSWEEP CURVEは1種類までと思っていたため、苦肉の策で考えた手法です。
まあ、その後にベンド系とビブラート系のSWEEPが混在できることを知って「あのシーケンスワークは何だったんだ・・・」となったワケですが。

と言うワケでトラックをレガートモード(LGT)に設定し、つながったノート間の音程変化をスムーズにするグライドを設定することによりビブラート風に無理やり聴かせるやり方となります。
メリットはステップごとにビブラートの切り替わりや範囲を細かく設定できる事、デメリットはトラックをLGTモードにするため、モノフォニックとなってしまう事です。

設定手順は以下の通り。
1.トラックを選択し、func+MODE(ステップ2)を数回押し、レガートモード(LGT)に変更します
2.タイノート等を使用し、発音させるノートを記録します
これは最初から最後まで(例えばNOTE1/16で1小節の場合、1~16ステップまで)を記録します。
3.ビブラートを開始するステップを選択し、既に記録されているタイノートの上下1音(半音)のノートを記録します。
連続するステップ、または2ステップごと等で記録することにより、ビブラートの速度を、上下1音の部分をそれよりも大きいノートにする事でビブラートの深さを変化させられます。
4.シーケンスを再生するとノートが重なる部分でビブラートの様な効果が聴こえてきます。
このままだと違和感があるので微調整を行います。
5.func+ADJ(ステップ3)を押した後、Valueノブでグライドの値を変化させます。
初期値では0(グライド無し)ですが、これを徐々に上げていくと繋がったノート間でグライドが発生し、ビブラートが自然に聴こえる様になります。

タイノートに対して入力するノートの範囲を徐々に大きくすることにより、ビブラートの深さが徐々に変化させられます。

LGTモードでのビブラート再現はこんな感じ。
前半は2ステップごとに半音上の音を、後半は1ステップごとに上下1音のノートを入れてビブラートを深くしています。

SWEEPでのベンドアップ、そしてレガートモードでのビブラートを行った例がこちら。
この時はまだベンド系とビブラート系が混在できるのを知らなかった・・・


と言った感じですが、メガシンセシスでは本体シーケンサーだけでも色々な技法によって豊かな表現ができるのが面白いですね。
DAWの様に無制限に色々と出来るわけでは無く、ある程度の制約があるのが

ベンド&ビブラートの元曲がこちらの空牙(のメガシンセシスチャレンジ)。
基となってるゲームがギターサウンドを意識していたためか、ベンドアップ(チョーキング?)とかビブラートとか多用されていた感じですかね。


メガシンセシスには現在、3月出荷予定の分までが予約で埋まっている状態となっています。
4月以降出荷分の予約が始まっていますので超気になる!って人はMEGA SYNTHESIS製品ページ(こちらのページから予約ページへとジャンプできます)にとりあえずレッツゴーです。
またページ上部の[オンラインマニュアル]からMEGA SYNTHES日本語マニュアルやPCMリスト等、各種マニュアルをダウンロードする事が出来ますので併せてチェックしてみてください。

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