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メガシンセシス・ケンブンロク pt10・PCMトラック I

10よりも16、250よりも256、1000よりも1024にキリの良さを感じてしまう事ってありませんか?
そんな風に少しでも思ったそこのアナタ、デジタル症候群ですよ。
と言うワケでデジタル症候群に最適解なシンセサイザー、メガシンセシスに関するお話。
今回はPCMトラックについて。

PCMトラックはその名前の通り、サンプル音声を扱う事が出来るトラックで、FMやPSGと言った合成によるものとは違い、例えば小川の流れる音や声などリアルな世界のサウンドを鳴らす事が出来るものです。
まあ早い話サンプリングサウンドを鳴らせるトラックですね。
メガシンセシスではこのPCMサンプリング音声を6バンクx16スロット、合計96個のサンプルを本体に保存しておく事ができ、これらは瞬時にロードさせてプレイバックする事が可能です。
LIVENってサンプル扱う機能なんてあったんだな~って思ったんですが、よくよく考えたら8bit warpsにもルーパーが付いていたので(ルーパーは電源を落としても記憶されるメモリ保存は出来ないけどサンプリング&プレイバックをその場で行える機能)、機能的には可能なワケですね。
メガシンセシスより以前のLIVENシリーズはサンプルを主体としたマシン(Lofi-i12とかLofi-6、あるいはTexture Labなど)もありますし、LIVENの設計思想はサンプルベースとの親和性が高いのかもしれないですね。

さて話は戻り、メガシンセシスのPCMは6番目のトラックに搭載されています。
このトラックは2種類のプレイバックモードに対応しており、モードによって同時発音と挙動が変わります。
まず一般的なのがDRUMモード。
これは最大同時3音まで発音できるモードでPCMスロットに格納されている1つのサンプルを指定した分割ポイントごとに鍵盤に並べ、ドラムキットの様にサウンドを鳴らせます。
本体に予め収録されているPCMサンプルもこれに則ってプリセットを呼び出した時点で即鍵盤にて演奏が出来る様になっています。
プリセットPCMは標準の状態で6個のサンプルがアサインされ、無設定でそのまま鳴らす事が出来ます。

もう一つのモードはSHOTモードで、こちらは1つのサンプルに対して音階を付けて演奏するモードです。
サウンドは中央左のC鍵盤(オクターブ+-0)を起点(※)として右に行くほど音程が上がり、また再生速度が速くなり、左に行けば行くほど音程が低く、また再生速度が遅くなります。
このモードはサンプルでPCMを使った簡易的な演奏(例えばリアルなピアノやストリングスサウンド等)やボイスやサウンドエフェクト等を音階を付けて演奏したい場合に利用します。
SHOTモードの同時発音数は1音となります。
※このキーでサンプリングされたオリジナルの音程でサンプリングされたファイルが再生されます。
DRUMトラック用として用意されたサンプル(1つのファイルにバスやスネア、ハット等の音が混在している)のオリジナル音程をチェックしたい場合にも有効です。

PCMトラックでも基本的に操作子は他トラックと同様となります。

BANK・・・6個あるうちのPCMサウンドバンクを選択します。
標準では1~4のバンクはGAME、KIT1、KIT2、MISCに分かれ、それぞれのカテゴリに即したプリセットサンプルが格納されています。
より正確にバンクを選択したい場合はネーム表示後にValueノブでも選択できます。

SOUND・・・各バンクごとに16種類あるサンプルスロットを選択します。
SOUNDノブを回すとディスプレイ上にサンプルネーム(最大4文字)が表示されます。
より正確にサンプルを選択したい場合はネーム表示後にValueノブでも選択できます。

その他、AtackやRelease&Gate(ノートオフ時の音の減衰速度(0~41でゲートタイム/10~90%、42~127でリリースタイム))、Sweep、PAN、Level、→FXも他トラックと同様の動作となります。
ただしOCTAVEに関してはDRUMモードの場合は無効化(動かそうとするとディスプレイに”DRUM”の文字が点滅します)され、動作しません。
SHOTモードの場合は鍵盤のオクターブ選択を+-3の範囲で行います。

尚、PCMトラックのモードおよびスライス設定(別記事予定)はパターンに記憶される形となります。


と言った所で今回はここまで。
次回はPCMトラックのDRUMトラックに関してより突っ込んだ形のお話ができればなあ・・・って感じです。

プリセットキットを使ってちょっとしたフレーズを。
プリセットのGAMEカテゴリにはCMXZとかTJE2とか、SNC3とか意味深な名前の付いたキット多数です。
CMXZ?なんだろ。なんか本体の終焉機にひっそりとリリースされた結果、本数が出回ってなくて高騰しまくったけど後年になってミニチュアゲーム・プロジェクトに収録されて歓喜されたアメコミ調のコマ割りアクションゲームとは一切関係なさそうだけど。
あと陽気な二人組宇宙人がポップに動いて母星を守るアクションとか関係ないですよTJE2。
ちなみにこの動画はRMANと言うキット。
そのヒーロースーツ、きっと乾電池では動かないよ。
毎月レンタル料を払わないと機能停止とかしないよ。



メガシンセシスには現在、第二次生産分(3月以降に出荷予定)の予約が始まっていますので超気になるって人はMEGA SYNTHESIS製品ページ(こちらのページから予約ページへとジャンプできます)にとりあえずレッツゴーです。
またページ上部の[オンラインマニュアル]からMEGA SYNTHES日本語マニュアルやPCMリスト等、各種マニュアルをダウンロードする事が出来ますので併せてチェックしてみてください。

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