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Ø(ZERO)からはじめるAmbient pt.2

今回の記事:BMSノブ-WAVE/HARMONIC/PITCH/MODおよびサブ機能について。

令和のアンビエント・マッシーン、Ambient0。
初心者アンビエンターである私がイチではなくゼロ、まさに無からアンビでエントなミュージックを"初めて"しまおうーって事で色々と書き始めました、その第2回目。
前回はAmbient0のコア・システムであるBLENDWAVE MODULATION SYNTHESIS(BMS)のストラクチャ(構造)に関して書きましたが、今回はBMSの続きのお話。

Ambirnt0のストラクチャ関連パラメータはこの4個のエンジ色ノブ(エリアネームはBLENDWAVE MODULATION OSCILLATORとなっているので、BMS内のオシレーターに関連するコア部分のエリアだと思われます。)で調整します。
SHIFTと併用することにより最大8個のパラメータを操作できます。
尚、SHIFTホールドモード(SHIFTを押しながらfuncを押す)にするとSHIFTボタンがオレンジ色に点灯し、常にSHIFTが押されている状態となります。
これにより、両手でのノブ操作が可能(操作パラメータはサブ機能)となります。
ホールドを解除をするには再度SHIFTボタンを押します。

WAVE:
前回、BMSの構造(経路)を示す6種類のストラクチャによってサウンドの方向性を決められると言うのを書きました。
これで決定したストラクチャに対して「どんな音を鳴らすか」を決めるのがWAVE(ウェーブ/波形)となります。
Ambient0には32種類のWAVEが搭載されており、WAVEはエンジ色のノブの一番左のノブを回すことにより変更できます。

WAVEの種類に関しては数が多いので抜粋となりますが標準的なSAWTOOTH波(ノコギリ波)やSQUARE波(矩形波)、SINE波(サイン波)の他、FMやノイズ、はたまた著名な西海岸系オシレーターをシミュレートしたもの(ウェーブ名称[BCHL])なんてのもあったりします。
また同種の波形であってもモジュレーションされるもの、シェイピングされるもの等、WAVEによってサウンドニュアンスは変わります。

以下搭載WAVEを公式マニュアルより転載:
1.SAW.S 鋸歯状波をウェーブシェイピングする波形
2.SQR.D 矩形波のパルス幅をモジュレーションする波形
3.SIN.S サイン波をウェーブシェイピングする波形
4.SIN.D サイン波のデューティー比をモジュレーションする波形
5.SQR.S 矩形波をウェーブシェイピングする波形
6.TRI.S 三角波をウェーブシェイピングする波形
7.SQ.SN 矩形波をサイン波でウェーブシェイピングする波形
8.EV.OD 偶数倍音から奇数倍音へのモーフィングする波形
9.OCTV 複数の基本波形をオシレーターシンクした波形
10.SIN.M サイン波を倍音モーフィングする波形
11.SIN.F サイン波をウェーブフォールドする波形
12.TRI.F 三角波をウェーブフォールドする波形
13.SIN.C サイン波をビットクラッシュする波形
14.FM.CR サイン波を FM 変調しながらビットクラッシュする波形
15.FM.OD FM 変調とオーバードライブをモーフィングする波形
16.SYNC 鋸歯状波をオシレーターシンクする波形
17.HRM.1 鋸歯状波をベースに加算合成とオシレーターシンクでハーモニクスを加える波形
18.HRM.2 HRM.1をベースに加算合成や FM 変調でハーモニクスを加える波形
19.CL.FM デジタルクリッピングさせたサイン波を FM 変調する波形
20.FRML サイン波をクリップさせながらウェーブフォールドする波形
21.FRM.1 サイン波を FM 変調しフォルマント周波数変調を加える波形
22.FRM.2 人間の声をフォルマント周波数変調しながら FM 変調を加える波形
23.27.PS 倍音構成が 27 段階で変化する波形
24.FM.WF サイン波を FM 変調とウェーブフォールドする波形
25.FM.PF 2 オペレーターのシンプルな FM シンセをシミュレートする波形
26.AD.MP 倍音モーフィングと加算合成、ウェーブフォールドする波形
27.BCHL 西海岸系コンプレックスオシレーターをシミュレートした波形
28.SQR.R 矩形波をランダムノイズで AM 変調する波形
29.RNDM 127 個の波形を切り替えるオシレーターバンク波形
30.S.RND ランダムな波形の組み合わせがモーフィングする波形
31.TRI.N 三角波をベースにピンクノイズ、ホワイトノイズのスペクトル成分を含んだ波形
32.WH.NS "ホワイトノイズのスペクトル成分を含んだ波形
※LFO ASSIGN で HARMONIC を選択、HARMONIC と LFOdepth を 63 に
設定することでホワイトノイズを生成します。

1つのレイヤーにつき1つのWAVEを指定して音色を作っていきます。
WAVEノブを回すとディスプレイに選択したWAVE名が表示されますが、この時にVALUEノブを回しても選択ができます。
VALUEノブはクリック付きのインクリメント式(左右に1パラメータずつ進む)なので、状況によって使い分けると良いでしょう。
VALUEノブによる操作はWAVEだけに限らず、様々な局面で利用することができます。

尚、WAVEはStructureと同様に切り替え方式となっており各WAVEが相互補完でなめらかに変化する、いわゆるモーフィング方式ではありません。

HARMONIC:選択しているストラクチャのハーモニック(H)が接続されているパラメータに作用します。
各WAVEには128のテーブル(範囲は0~127まで)を持つHARMONICがあります。
このパラメータにより、サウンドはシンプルなものから複雑なものまで様々な変化を行えます。
尚、HARMONICノブを回すことにより変化する各テーブルはスムーズに切り替わる方式となります。
テーブルの選択となっていますがニュアンスとしてはシンセサイザーのパラメータ変化のそれとほぼ同義の様にふるまいます。
いわゆる「ギュワーーーン」みたいな感じのアレです。
対応ノブはエンジ色の左から2番目となります。

balance:SHIFTボタンを押しながらHARMONICノブを回すとbalanceの変更ができます。
このパラメータは2つ(あるいは複数)のオシレーターの音量比率を変更したり、FMモジュレーションの量を変更したりします。
balanceの役割はStructureにより変化しますが、ATMOS1の様にbalanceが無効(このストラクチャは陽オシレーター1基のみのため)になるものもあります。
またATMOS2では1キャリア・1モジュレーターのFMシンセシスとなるため、balanceノブはFMモジュレーション量の設定になります。

32個のWAVEを順番に聴いてみます。
序盤がHARMONIC0、中盤はHARMONIC127となっているのでその変化をチェックしてみてください。
終盤は幾つか抜粋したWAVEのHARMONICを可変しています。
尚、WAVEによってはサウンドが聴きとりづらい(特にSINE系波形)場合があるので、その時はヘッドフォンでチェックすると聴き取りやすくなります。

PITCH:
選択しているストラクチャでピッチ(P)が接続されているオシレーターのピッチを調整します。
範囲は-240~0(センター)~+240で10きざみで変化します。
10ごとに半音あがり、120で1オクターブ、240で2オクターブの変化となります。
またPITCHノブを回し、ディスプレイにパラメータが表示されている時にVALUEノブを回すと1きざみによる微細なピッチ設定を行う事もできます。
尚、ATMOS2ではFMシンセシスのMULTIPLIERの様に0.50~15.99までの設定範囲になります。
対応ノブはエンジ色の左から3番目となります。

detune:SHIFTボタンを押しながらPITCHノブを回すとdetuneの変更ができます。
このパラメータは選択しているストラクチャでデチューン(d)が接続されているパラメータに作用し、サウンドに広がりを与えます。
値は-63~+63となります。
尚、ATMOS2ではフィードバック量が変更されます。
先のbalanceによるFMモジュレーションとの組み合わせによってはノイズサウンドへと変化します。
この場合の値は0~127となります。

MOD:選択しているストラクチャでモッド(M)が接続されているパラメータに作用します。
このノブを回すとMOD(モジュレーション)の速度を変化させます。
例えばDRONE1ではMODはdetuneノブに接続されておりサウンドに周期的な広がりを、DRONE2ではHARMONICノブに接続されておりサウンドに倍音の揺らぎを与えます。
MODではfunc+STEP8のボタンを押すことにより、MOD波形を変更することができます。
標準ではサイン波となりますが、SQUAREやTRIAMGLE等、様々な波形を設定できます。
MODノブのパラメータ範囲は0~127。
対応ノブはエンジ色の一番右となります。

depth:SHIFTボタンを押しながらMODノブを回すとdepthの変更ができます。
このパラメータMODに対する深さを設定します。
パラメータ範囲は0~127。

ストラクチャを操作する8種のメインノブやその他パラメータなどを利用して簡易的にドローンサウンドを作成してみました。
Ambirnt0ではOK(HOLD)ボタンを押しながら鍵盤を弾くと、鍵盤を離しても鳴り続けるノートホールド・モードがあるので音色づくりはもちろん、演奏を行う際も非常に役立ちます。

と言ったところで今回はこの辺りで。
次回はストラクチャ外のシンセサイズ機能に関して見ていこうかなーっと思っています。

Ambirnt0のみで制作した練習トラックはこんな感じ。
[Ø GRAVITY]なんていう御大層なタイトルをつけてしまいましたが、Øの文字をからめてみたくて・・・と言う、アレな理由です。


Ambient0は現在は第5次生産分(9月12日以降発送予定)の予約を受け付けている最中です。
気になる方、今のシステムに追加したい方、そして私の様にゼロからアンビエントを始めてみたい方、Ambient0製品ページをチェックしてみてください。
また上記リンクから上部のオンラインマニュアルに入ることにより、Ambirnt0の電子マニュアルにアクセスできるようになっています。
Ambirnt0の更なる詳細を見てみたい方は是非ともチェックしてみてください。


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