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雨降って地固まると弥助と長兵衛

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

bowです。

雨降って地固まる

と申しますが、どれくらいの地が雨降って固まったのだろうか。
この言葉が生まれたってことは、そこそこの地が雨降って固まったとは思うんですが、最近の局地的大雨、所謂ゲリラ豪雨や記録的短時間大雨などを体験してしまうと、雨降って固まる地が流されてしまうことを思い浮かべてしまいますね。雨降りすぎたら地固まらず。地固まるくらいの雨になって欲しいですね、今年くらいは。

適量

世の中、なんでも適量ってものがあるんでしょうな。体に良いものでも、摂りすぎたら体を壊すように。水でも水中毒になることを知ったときは
「人体の7割なのに!?ままならねぇな、人体。」
と驚いたものです。

そんな水中毒の話を聞いて驚いたのは自分だけではありませんでして。
ここにおりますのは普段から大酒飲みで有名な弥助って長屋にすむうだつのあがらない大工。この弥助、毎夜、大酒を飲んで帰って、酔い覚ましにかぶかぶ水を飲むもんですから、水中毒と聞いてこれは酔い覚ましに飲むものを変えねぇといけねぇやってなもんで、大急ぎで酒屋の長兵衛のところに走り込んだ弥助

「おい!長兵衛!長兵衛よい!」
「なんだってんだぃ、騒がしいねぇ。って弥助じゃねぇかい。大慌てでどうしたい、ツケの支払いでもしてくれるってんなら大歓迎だよ。」
「ツケなんてしけた話じゃねぇぜ、長兵衛さんよ!水中毒だよ、水中毒。」
「水中毒?誤った水分補給をして、体内のナトリウムイオン濃度が低下して体調不良をきたし、最悪死にいたるって言う、水中毒かい?」
「なんでぇ、詳しいね。」
「そらそうよ、こちとら酒屋だよ?人さまが飲む物を知らないで商いができるかってんだい。」
「見上げた酒屋魂だね、頭が下がるよ。」
「頭は下げてもらわなくていいから、ツケを払っておくれ。いくらツケてるかわかってんのかい、弥助。」
「たぁ!お前さんは口を開けばツケツケツケ!ちったぁ、面白いことのひとつやふたつ、言ってみろってんだい!そんなんだから、この酒屋は流行らねんだよ!」
「ツケを待ってくれてる、お優しい長兵衛さんに向かって、言うに事欠いて、流行らねぇと来たか、えぇ!弥助さんよ!ああ、わかった出てってくれい!ツケなんてもういらねぇやい!その代わり!うちの敷居を二度と跨ぐんじゃねぇぜ、弥助さんよ!」
「だぁぁ、悪かった!すまねぇ!この通り!言いすぎた!頼む!許してくれ!」
「ったく、お前さんは調子に乗るといつもでかいことを口にしちまうからな。わかっちゃいるけど、頭に来ることもあるんだぜ。で、水中毒がどうしたってんだい。」
「よくぞ聞いてくれました!俺はお前さんのところでいつもちょいと酒を飲むだろ?」
「ちょいとで一升二升空けてくれるお得意様だよ。」
「それでちょいと飲んで帰って、酔い覚ましに水をかぶかぶ飲んでるんだがね。」
「それで、次の日もちょいと飲みに来れるわけだ。」
「そうなんだけどよ。このかぶかぶで水中毒になったら、大好きな長兵衛さんの顔を拝みに来れなくなるんじゃないかって、心配になったわけよ。これは、ここに来る長兵衛さん好きのやつらも同じだと思うんだよね、俺は。」
「気持ち悪いこと言うんじゃないよ。」
「そこでだ!長兵衛さん!酔い覚まし用の酒を売り出せば、大儲けだよ!そしたら俺も、ずっと酒を飲んでられるってなもんだ!」
「なぁ弥助さんよ。」
「あいよ!」

「お前さん、アルコール中毒だよ。」

お後がよろしいようで

この一年、天候も健康にお互い気をつけて参りましょう。

それでは、本日はこの辺りで。

失礼します。

bow


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