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no.18 - 2020年の音楽を振り返って その2 -

(前回の続きとなります。)

Yellow Days - Love Is Everywhere
UK・ロンドンを拠点に活動するネオソウル・アーティスト、Yellow Days。
今年になって、有名になり始めた。ネオソウル、というより、クラシックなソウルが持ち味。


Dinner Party - Sleepless Nights (feat. Phoelix)
アメリカのジャズの牽引役であるロバート・グラスパー、カマシ・ワシントン、テラス・マーティン、9thワンダーが組んだユニット。
ジャズとソウル、ヒップホップ要素の融合をテーマとしているそうで、非常にバランスの良い音楽になっている。


Thundercat - Dragonball Durag
アメリカ西海岸の名ベーシスト、シンガーのサンダーキャット。非常にコミカルな動画であるが、音楽はとてもスイート。


Jon Hassell - Moons of Titan
トランペット奏者、作曲家のジョン・ハッセルは、前衛音楽とミニマリズムを混ぜながら、先鋭的な音楽を常に作り続けている。カール・ハインツ・シュトックハウゼンに師事し、さらにインド音楽のラーガを学び、音響信号処理を施したトランペットを吹き続けている。
1970年代後半、世界中の先住音楽に対する関心が高まった結果、「第四世界」という音楽コンセプトを開発。様々なスタイルを融合させた音楽は、世界中の音楽家に影響を与え続けている。その彼が、今年新作を発表。
今年は日本の誇るジャズトランペッター、近藤等則氏が秋に亡くなってしまったが、彼らの吹くトランペットは唯一無二の世界観。


Tiana Major9 - Same Space?
イーストロンドン出身の若きR&Bシンガー。Tiana Major9。
まだあまり日本では馴染みがないようだが、この人の歌声はすごいと思った。
グラミー賞にもノミネートされているらしいが、注目のニューカマー。


SG Lewis, Robyn, Channel Tres - Impact
スウェーデンのシンガー、Robynを迎えたSG Lewisのトラック。
ハウス感がすごく良い。


Jorja Smith - Come Over (feat. Popcaan)
イギリス・ウォルソール出身のシンガーソングライター、ジョルジャ・スミスと、ジャマイカ出身のDJ/シンガー Popcaan との曲。コロナ禍以前にジャマイカのポートアントニオでレコーディングされたそうだ。
いわゆるレゲトンのセンスのいい音楽。


Charlotte Day Wilson - Take Care of You (feat. Syd)
シャーロット・デイ・ウィルソンは、カナダのポップ、リズム&ブルース、そしてソウルシンガー。こちらも間をとった楽曲で素晴らしい。


Teyana Taylor - Lowkey ft. Erykah Badu

アメリカのシンガーソングライター、Teyana Taylor。
何よりも、エリカ・バドゥがフューチャーされている。現代的なラップの歌い方にちゃんと適合させているところがかっこいい。
ちなみに、Teyana Taylorは、カニエ・ウェストの秘蔵っ子とも言われるそうだが、そのカニエは今年アメリカ大統領選挙に出馬し、アメリカでは密かにネタになっていた。


SUPERGOMBO - Alien Felines from Beyond the Galaxy
フランスの生んだアフロビートバンド。
ジャズやファンク、ディスコっぽいものまで混ざっていて、非常にセンスのあるバンド。


Romy - Lifetime
世界的人気を博すUKを代表するバンドThe xxのメンバー、ロミーがソロ・デビュー・シングルを出した。サウンドは、80年代のポップサウンドなので、その辺りが好きな人はいいと思う。


Antoine Berjeaut - Walk
フランス・パリのトランペッター、アントワーヌ・ベルジュー。
非常にかっこいい、新しいタイプのジャズ。


Magdalena Bay - Woww
アメリカのシンセポップデュオ。
非常にシャレの効いた音楽で、音像も面白いと思った。


Petit Biscuit - Drivin Thru The Night
1994年生まれ、フランス・ルーアン出身の男性音楽プロデューサー・プチ・ ビスケット。エレクトロニックサウンドにセンスを感じさせる。非常に優れた音楽。


Biig Piig - Feels Right
ロンドンを拠点に活動する20歳の新人シンガー/ラッパー Biig Piig。
同じロンドンのバンドJungleのようなディスコっぽいビートで非常にノリが良い。


EABS - The Lady with the Golden Stockings (The Golden Lady)
ポーランドのジャズグループ、EABS。
非常に面白い楽曲。ついに、ジュークのリズムをジャズが取り入れるようになったかと、感動した。ものすごくプログレッシブなジャズ。


Moses Sumney - Colouour
モーゼス・サムニーは、1990年カリフォルニア生まれのシンガー・ ソングライター。アーティスティックでもあるし、楽曲もとても美しい。この人も唯一無二。


SPARKLE DIVISION - For Gato
ウィリアム・バシンスキーによるラウンジ、ジャズ、ディスコを融合させたエレクトロニック・フュージョン。


Anderson .Paak - JEWELZ
アメリカのミュージシャン、R&Bシンガー、ソングライター、音楽プロデューサー、マルチ奏者。
今年は誰もがコロナ禍でPVをどうやって作るのか悩んでいるのがよくわかる。
相変わらず、ファンキーな楽曲。


McClenney & Baby Rose - Karma Plays
Chris McClenneyは、 アメリカ、メリーランド州ボルティモア出身、現在はニューヨークを拠点に活動する23歳の新鋭マルチミュージシャン。
2021年以降の音楽のトレンドになりそうな、間のある音楽。これも秀逸。


Rina Sawayama - Bad Friend
ロンドンを拠点に活動する新潟県出身の女性シンガーソングライター、ファッションモデル。ケンブリッジ大学卒業後、ロンドンで活躍中。
彼女は歌がうまい。2年前に一聴した時、いいなと思ってみたら日本人だったので驚いた。英語が完全にネイティブの発音だったので、相当勉強したようだ。
かなりストイックな人のようで、楽曲にも表れている。


Keith Jarrett - Part VII (Live)
ジャズピアニストの巨匠、キース・ジャレット。
ブダペストのベラ・バルトーク国立コンサート・ホールでのソロ・ピアノ演奏。
彼の即興演奏は、いつ聴いても、やはり神がかっている。
今年、2度の脳卒中を起こし、音楽活動の復帰が困難な状況にあると報じられ、演奏活動は今後行われることはない模様。
彼の音楽は、録音で聴いてもライブ感がいつもあるので、本当に不思議だ。


Jackson Mathod - The Park
サウスロンドンの若きトランペッター、Jackson Mathod。
ダブステップのビートに乗せた、新しい感覚のジャズのような音楽。
日本では全く紹介されていないが、これからブレイクしそうな新人。


Dalai Lama - The Buddha

あのダライ・ラマの1stアルバム,“Inner World”が今年発表された。
非常にスピリチュアルな内容で、コロナ禍にある世界で、生命の深さのようなものを感じさせる。
ニュージーランドのミュージシャン Junelle Kunin(ジュネル・クニン)の提案で実現したこのアルバムは、完成までに5年の歳月をかけ、Dalai Lamaの85歳の誕生日である7月6日(現地時間)にリリース。
マントラの朗読と音楽に織り込まれた短い教えを与えてくれるDalai Lamaからの供物。


Little Dragon - Where You Belong
1996年結成のスウェーデン ヨーテボリ出身のバンド。日系スウェーデン人、ユキミ・ナガノの力強い歌声とカリスマ性は、輝きを増すばかり。
この人たちのソングライティング能力、メロディのキャッチーさは、本当に天才的だと思う。ほぼ毎年、コンスタントに作品を出しているが、本当に完成度が高い。
また、アーティスティックな側面もあり、非常に面白い。
そして何よりも、聴いている人々をUnityに導いていくスピリチュアル感がある。
2021年以降、多様性が最も鍵となる時代に、大きな音楽のヴィジョンを与えてくれるバンドである。


いかがだったでしょうか?

今回紹介した音楽以外にも、私の聴く音楽は多岐にわたっていた。
現代音楽や、ワールドミュージック、古いカタログなども聴いた。

コロナ禍ではあったが、世界中から面白い音楽が届き、2021年以降も音楽家は新たな作品を創造し続けるであろうと期待感を膨らませた。

逆に、音楽産業という分野は、かなり打撃を受けた分、2021年以降、どのように変化していくのだろうか?

今年は、プロフェッショナルのマイクや家で音楽制作をする機材が結構売れたようで、音楽家たちもどうやってこれから作品を人々に届けようかいろいろ模索した年だったのかもしれない。

かくいう私のプロジェクト、Sound Style Cloudsも現在2枚のアルバムを制作中で、2021年1〜2月にはリリースする予定です。こちらもぜひ、宜しくお願いいたします。

2021年はどんな一年になるのか全くわかりませんが、みなさま、良いお年を!!

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