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会社の同期と飲んでいたんだけど

大阪の谷町六丁目付近は基本的に住宅街なんだが空堀商店街を中心に「知る人ぞ知る良い飲み屋」が多い。もちろんどんな地域にもそういう店ってあるんだけど、谷町六丁目はわざわざ店を探しに行ってもいいなと思うレベル。開拓して見たくなる魅力がある。

そんなこんなで美味しい料理と日本酒を会社の同期と食べに行きまして。(本来の目的はその後のキングスマン鑑賞会だったんだけどね。あくまで料理を食べに行ったのはメンバーがそろう前の一次会みたいな感じ。)

そこで「好きな食べ物は何か」という話になったわけですよ。

で、自分は「対外的にはメロンというけど、多分本当に好きなのはキノコ。特に舞茸。ぶっちゃけ松茸と舞茸を価格度外視で幾らでも食べていいと言われたら舞茸を選ぶ。」という回答だったんです。(ちなみに同期のうち一人は塩サバが好きらしい。もう一人はなんて言ってたかな…。)

すると、

「言うて舞茸ってそんなに食べる方法あるか?」
「いやいや、あるでしょ。天ぷら以外にも土瓶蒸しとかもあるし。」
「いや、好物に土瓶蒸しが含まれるのはレアすぎるだろ。」
「そもそも俺が『塩サバ』って言ってるのに食材で好物を挙げるのがおかしい。」

みたいなやり取りになりまして。まあ以降は意味の分からない議論ですよ。

「好きな食べ物を尋ねて『寿司』って言われたら納得感はあるよ。」
「でも『刺身』と言われたらネタは何か聞きたくならないか?」
「いやでも『そば』だったらそれ以上追求しないよね」
「そりゃ、『そば』って言ったら実質答え一つじゃん」
「でも『そば』が好きって言う人がその好物の範囲に『そば粉のガレット』を含めていたらちょっと違うやん」
「それに『スパゲッティ』なら具体的な料理名聞いてしまうわ」
「結局さ、食材と調理法はセットで伝えなきゃいけないんじゃない?」
「食材って言っても『豆腐』とか『明太子』って一応調理の過程を経ているしそのまま食べる場合あるやん。それも聞くべきか?」
「いや、さすがに情報過多でしょ。逆に食材不明でも『寿司』とか『ピザ』は納得しちゃうし」
「それはそうだけど、例えば『寿司』の中で具体的に好きなものを聞いた時『キュウリ巻き』とか『芽ネギ』だったらちょっと印象違う」
「であればやっぱり食材の情報が大事だよ」
「豆腐の場合だと冷ややっこなら納得できるけど好物で『豆腐』とだけ言われたら料理名聞いてしまうわ」
「例えばデートで何食べたいか聞く時、相手が『ごぼう』って言ったらめちゃくちゃ困るでしょ。『寿司』なら困らないのにさ。」
「じゃあやっぱり調理法も情報としては必要?」
「結局イメージが出来るかどうかか?」
「あとは店のメニューとして成立し得る言葉になっているかどうかだわ」
「まあそうなるのかー…。」

…要は「好物を伝える時にどう表現すべきなのか」で迷子になっていたわけです。もう少しきらびやかな話題はないのか。

「とりあえずさ、回答としてOK、NG、ズルいの3パターンあるよな。OKは食材と調理法が分かるもの、NGはどちらかがかけていて納得できないもの、ズルいのはどちらかが欠けているのに納得感はあるものだわ」
「じゃあ合流するメンバーに好物を聞いてみようよ」
「お、じゃあその解答を3パターンで判定してみようぜ」

とりあえず我々としては「食材と調理法が分かる」ということが必須条件なのだろう、という結論。で、そうこうしていると他メンバーが合流。

「好きな食べ物は何?」と早速聞く。
「あー、野菜かな」
「はいNG!!」
「え、どういうこと?」

経緯を説明する。

「…であるからして、やっぱり『食材』『調理法』が分からないと伝わらないってことだよ!」
我々一同、議論を重ね結論を出しているのでそれなりに自信のある分析なのだ。
しかし合流した彼は意外な言葉を口にした。


「いやそれはそんなことも許容できない器の問題だろ。君ら、恋愛できなさそうやな。」


なるほど!!痛いくらい正しい~!!

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