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ノンモンについての考察1

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Twitterで先日このようなアンケートをさせていただきました。おかげ様で88人の方からリアクションを頂く事ができました。

何もできませんがお礼申し上げます。
ありがとうございました。

早速結果です

完パケをQCソフト等(再取り込み含む)でチェック
4.5%

音声納品時の音声ファイルでチェックでOK
22.7%

素材で切っているのでOK
26.1%

なにそれ?/結果だけ知りたい
46.6%


まず大前提ですが、地上波TV、BSなどの民放放送では番組もしくはCMなど、プログラムの前後に必ずノンモン(無音)を半秒入れるというルールがあります。

一般社団法人 日本民間放送連盟・営業委員会 一般社団法人 日本広告業協会・テレビ小委員会
テレビCM素材搬入基準 より引用

・ CM内容の開始点より最小限0.5秒間、終了点前の最小限0.5秒間を無音声とし てください。

------------------引用ここまで----------------------------


特にCMに関してはかなり厳格に指示されていて、
守られていない場合は放送局が納品を受け付けない、戻されるという事があります。

今回想定したのはTVCMでのノンモンの扱いです。
規則では0.5秒間を無音声としてくださいとありますが、
当然ながらアナログテープの時代はバイアスノンモンがあったわけで。
それでも問題にはなりませんでした。

しかし、テープ納品も過去の事になり、時代はデーターをサーバーにアップロードするオンライン送稿へ。
そうなると人の耳では感知できない小さな音も、データー上は存在する事になります。(先述のバイアスノンモンのような)

そこで、ProtoolsなどのDAW特にプラグインのちょっとした遅延が、
即、納品不可となる事が起きる可能性があります。
(実はスタジオで働いていた頃、外部から持ち込まれたMIXのノンモン処理って結構な頻度でやっていました。)

私が聞いた話だと、今でもサーバーアップロード時にチェックで弾かれるものが意外と多いとの話でした。特にプログラム最後の0.5秒無音声にしなければいけない所に、音がこぼれているという事は起きる事が容易に想像がつきます。


現在ほとんどのチェックがアプリでのQC (Quality Check)になると思われますが、精度はアプリでの設定で如何様にでもなります。

納品として完璧を期すのであれば、同様のQCアプリを運用して設定を納品先と合せる事が良いのですが、
コストや習熟度などの問題で、そういう訳にもいかないのが現実だと思います。

さてアンケートの結果ですが有効票数は88票。

そのうち
なにそれ?/結果だけ知りたい が46.6%
およそ41人、半分近くの方が、知らない、結果だけ知りたいという事で、
隅っこでよくわからん事を言ってる私のTwitterに来ていただき感謝です。

よくわからないという方向けの説明は先ほどしました。

ではここからは、ノンモンを理解している、いわゆる本職の方向けです。

完パケをQCソフト等(再取り込み含む)でチェック
4.5%
4人ですね。
データの危険性は色々ありますが、ちょっとした事が大きな事になる事です。特に通常はPCモニターの前は1人でしょうから、ついうっかり忘れた。なんて事が起きる事があります。
流石にQCや再取り込みしてチェックすれば、そういうミスも減らす事ができますね。


音声納品時の音声ファイルでチェックでOK
22.7%
20人の方から納品時の音声ファイルでチェックするという回答を頂きました。私も(投票してませんが)この枠です。
ただし、念には念を入れて納品前にProtoolsのDestructive Recordingで前後半秒は0データになるよう処理しています。


素材で切っているのでOK
26.1%=23人
思ったより多いなあという印象。
素材での音声をCUTした場合ソースやプラグインの遅延問題で、ノンモンこぼれが起きる可能性があります。Protoolsの場合、プラグインによっては音がこぼれる物が意外とあります。
大丈夫って思ってても、-80dbの音とか。人間には判別不能です。
実は納品先のエンジニアがこっそり直してるなんて事もありますが、やっぱり納品物には責任をもって納めたいものです。

しかし何のためにこんな事しているのか。理由はよくわかりませんが、私のTwitter見た人がそんな事故を起こさないで頂ければいいなあってだけです。

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