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【小説】胸躍るままにブルースを

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オリジナル純文学 小説『胸躍るままにブルースを』
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記事一覧

ケルアックの『路上』に人生を重ねて~あとがき『胸躍るままにブルースを』~

 約1か月間をかけて、自身の処女作 『胸躍るままにブルースを』(以下、胸ブル)を投稿し終…

愴明
6か月前
2

胸躍るままにブルースを_13(最終話)

八 仔牛のブルース  あれから三年の月日が経ち、猿楽は長らくイギリスに発つことになった。…

愴明
6か月前
13

胸躍るままにブルースを_12

七 天国の扉を叩け_02 ―「何度も同じこと言ってないで、質問に答えろよ、って何度言わせる…

愴明
6か月前
1

胸躍るままにブルースを_11

七 天国の扉を叩け _01  あまりに賑やかで輝かしい十二月のワンダーランドから逃げ出す様に…

愴明
7か月前
3

胸躍るままにブルースを_10

六 ユアソング  「もう言い訳をするつもりはないわ、本当はずっと寂しかったの。すごく。毎…

愴明
7か月前
3

胸躍るままにブルースを_09

五、チョコレート  ライブの次の日、成田にある馴染みのレストランでランチ反省会を催してい…

愴明
7か月前
3

胸躍るままにブルースを_08

四、グッド・リダンス  僕の話を少々。  僕は特徴も無い一般家庭に長男として生まれ、バブル期に入社した空港職員の両親の元で、少しばかり裕福な、でも金持ちでは決してない環境の中で育った。 おかげで欲しいものはある程度買ってもらえたし、好きなこともある程度やらしてもらえた。ある程度勉強もやらせてもらえて、偏差値と競争率がある程度高い学校に入り、ある程度女の子にモテた。  そんな柔らかな環境がそうさせたは不明だが、確かに覚えているのは高校生の頃の十五歳、僕は心に一生抱える“

胸躍るままにブルースを_07

三、胸いっぱいの愛を_02  三階の楽屋から下りてきた三人と、軽く食事をしに外出しようとい…

愴明
7か月前
2

胸躍るままにブルースを_06

三、胸いっぱいの愛を_01  コーポラビッツのベーシスト猿楽と僕は馬が合った。 もともと好…

愴明
7か月前
1

胸躍るままにブルースを_05

二、アンチャイド・メロディ_02  カフェから出ると、遊歩道に当たる日差しはまだ熱く、「暑…

愴明
7か月前
5

胸躍るままにブルースを_04

二、アンチャイド・メロディ_01    土曜日の夜のライブまでの二日間は、バンドの事を忘れて…

愴明
7か月前
1

胸躍るままにブルースを_03

一、太陽を振り返るな_02  やがて煙草を吸い終えた川畑と猿楽が、二重扉のうち一つ目の扉の…

愴明
7か月前
3

胸躍るままにブルースを_02

一、太陽を振り返るな_01  僕が在籍するロックバンド『Corporabbits(コーポラビッツ)』は…

愴明
8か月前
3

胸躍るままにブルースを_01

0. プロローグ  何か愛するものに身を捧げようと決意するということは、神様への誓いなのか、それとも悪魔に取り憑かれるということなのだろうか?  「あんまり良いとは思わないわ・・・」 麻里はイヤホンを外すのとほぼ同時に吐き捨てた。  「歌がメロディに合っていないわ。それに後ろの音は騒がしいし、全部がミスマッチな感じがするの・・・」 麻里の表情は少し申し訳なさそうに、その上残念そうに曇っている。  僕が所属するロックバンドの新しい曲を聴いてほしいと頼んだ僕自身は、麻