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【メチャコルタ】アルゼンチン系繁殖牝馬研究

(1)今後はアルゼンチン系に大注目

サトノダイヤモンドやマカヒキ、ダノンファンタジーなど、母馬がアルゼンチン生産の馬(これを「アルゼンチン系」と名付ける)が、近年、G1競走でメキメキを成果を挙げ始めた。

これに呼応して、社台系生産者、特にノーザンファームがアルゼンチン系牝馬を買いまくって、ディープインパクトにつけて、第二のサトノダイヤモンド、第二のマカヒキを生み出そうと怒涛の勢いで生産を開始した。

ディープインパクトが2019年に亡くなって、大量に日本に導入された、これらアルゼンチン系繁殖牝馬の動向が気になる。

とりわけ、アルゼンチン系のメチャコルタ2020(父サトノダイヤモンド)は、本年度(2021年)のサンデーサラブレッドクラブの募集リストに掲載されている。

こんな背景を押さえたうえで、今日からアルゼンチン系繁殖牝馬の産駒成績と、種付け状況について解説してゆく。

(2)メチャコルタの成績とデータ

アルゼンチン系繁殖牝馬研究の第1回となる今回はメチャコルタについて見ていきたい。

上にメチャコルタが勝った2015年GⅠミルギニーズ〔芝、1600m〕の動画を貼った。

3番の青い勝負服が勝ったメチャコルタ。

あおり気味のスタートで後方から進むと、3コーナーの勝負所でスッと動いてすかさずインを取る。抜群の操縦性と勘所の良さがうかがえる。

直線、逃げた馬と競りながらも、最後は鋭い末脚で半馬身差の勝利。

加速するにつけ体が沈み込む。フォームの良さと切れ味の良さが伝われば、産駒は日本の芝コースでも適性を見せるだろう。

(3)メチャコルタ産駒の成績

メチャコルタ

今年募集されるメチャコルタの2020の半姉に今年3歳のロジモーリス(父モーリス)がいる。

この馬は既にデビューしていて、2戦して3着が2回。現在は未勝利クラスに在籍している。

デビュー戦の函館新馬戦(芝1800m)ではルメール鞍上で1番人気に支持された。

レースでは、出遅れて後ろから行き、直線、伸びあぐねて、差して届かず3着に敗れた。

勝ったのは桜花賞馬ソダシ。

ロジモーリスの馬体重は486kgで、勝ったソダシは472kg。

体重では上回るのに、ソダシのほうが大きく見えた。

このレースでは、正直あまりいい印象を持たなかった。

2走目は取り消し。

3走目の中山未勝利戦(芝1800m)では、今度はスタートはうまく出て、先頭に並びかける勢いであったが、スッと押さえて3番手で折り合って、直線抜け出して先行したガンバンテインと叩き合って、外から差し込んできたファユエンの前に13/4馬身差の3着と惜しい競馬だった。

レースぶりが変わってきたので、順調なら近いうちに勝ち上れるだろう。

(3)まとめ

ディープインパクトにつけるために大量に導入されたアルゼンチン系の牝馬であるが、このメチャコルタについては、存命中にはディープにつけず、初年度はモーリスにつけたところが妙味。

モーリスはポストディープインパクト世代に、ドゥラメンテ並ぶ社台スタリオンの2枚看板だから、これは悪いことではないだろう。

2018年モーリス(種付け料400万円)のあと、2019年キタサンブラック(種付け料400万円)→2020年サトノダイヤモンド(種付け料300万円)→2021年モーリス(種付け料800万円)の順につけている。

ポスト・ディープインパクト後、種付け料最高額のロードカナロアからすると、メチャコルタは種付け料の価格的には中堅クラスに配分している。

だからと言って、牧場の評価が低いわけではないだろう。

今年(2021年)は種付け料が倍増したモーリスに再びつけている。

メチャコルタは生産者が期待する繁殖牝馬の1頭という判断でいいだろう。

ロジモーリスに話を戻すと、父モーリスは新馬こそ勝ち上がったが、本格化するのは古馬になってからなので、産駒は決して仕上がり早というわけではない。この馬が勝ちあぐねているのは、そんな血統背景からくるものだ。

一方、メチャコルタ2020は父がサトノダイヤモンドに変わったことで、早いうちからの勝ち上りが予想される。

サトノ自体が新馬から3連勝した馬なので、メチャコルタ2020は大いに期待できる。



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