【ドレフォン産駒の価格を考える】第2回(1口馬主)
(1)サラブレッドクラブライオンのドレフォン産駒はリーズナブル
前回はセレクトセールからドレフォンの落札額を考察した。
セレクトセール2019では、ドレフォン産駒の競りで最初に登場したアドマイヤセプターの2019が2億5000万円の落札額をつけた。
この価格がアンカリング効果※となって、その後のドレフォン産駒(特に牡馬)の競り値に影響した。
結果として、セレクトセール2019のドレフォン産駒の平均落札額がセレクトセール2020よりも1000万円以上高くなったことを結論付けた。
※アンカリング効果については、以下の記事を参照ください。
東京サラブレッドクラブで募集されているドレフォン産駒の2頭(ルージュリッシュ<メス、1口:10万円/400口>とレッドバロッサ<牡、1口:12.5万円/400口>)の1口価格が高い理由はこれで判明した。
両馬はこのセレクトセール2019で購買された馬だから、仕入れ値が高ければ売り値が高くなるのは当然だ。
一方、セレクトセール2020では、アドマイヤセプターの2019のようなアンカリング効果をもたらす馬が上場されていなかったため、ドレフォン産駒は比較的落ち着いた価格で取引きされた。
この市場では、1口馬主クラブのライオンが2頭のドレフォン産駒を購買した。
ビアンカシェボンの2019 (メス、ノーザンファーム生産)は 1,500万円で落札されて、その後、1口:5.5万円/400口で募集された。
スウェアトウショウの2019(メス、ノーザンファーム生産)は2,100 万円で落札されて、1口:7万円/400口で募集されている。
ビアンカシェボンの2019(競走馬名フローラルビアンカ)は既に入厩して募集を締め切った。
スウェアトウショウの2019のほうは美浦・加藤士津八厩舎預託で、2021年4月6日現在、募集中だ。
ノーザンファーム生産なので、馴致や調教もノーザンの施設で行うことができる。東サラよりもリーズナブルである。
ドレフォン産駒が欲しくても、社台・サンデーでは実績面で取れない人にはお勧めだ。
(2)1口馬主のドレフォン産駒価格は高いか、安いか?
第2回の今回は社台系1口クラブのドレフォン産駒価格について考えてみたい。
まずは、2020年度のサンデー、社台、G1の各クラブで募集されたドレフォン産駒の価格リストを作成した。
初年度(2019年産)産駒から9頭(牡4頭、メス5頭)が募集されている。
内訳はサンデーから4頭(牡3頭、メス1頭)、社台から1頭(メス1頭)、G1から4頭(牡1頭、メス3頭)となる。
総額の平均価格は2,289万円(牡2,900万円、メス1,800万円)。
1口あたりに直すと、平均価格は57万2千円(牡72万5千円、メス45万円)。
この価格は1口馬主の中~低価格帯となる。
セレクトセールの平均落札価格は2019年の修正値が4340万円、2020年が3171万円だから、これと比べると1~2,000万円安い。
もっとも価格形成の方法が異なるから単純に比較はできないが。
さらに東京サラブレッドクラブやサラブレッドクラブライオンで募集されているドレフォン産駒よりも安い。
それは当然だ。東サラやライオンの募集価格はセールでの仕入れ値に上乗せされているから、高くなる。
対して、社台系の1口馬主は生産者であるから、いわば産地直送品にあたり、安いのが当たり前。
ただ、人気馬は倍率や実績が高くなり、思うように出資できない。
(3)ドレフォン産駒を狙うなら今年がチャンス
今年(2021年)の社台系クラブの募集馬でドレフォン産駒は8頭。
社台:1頭(ハラペーニョペパーの20<牡>)
サンデー:5頭(ルフォールの20<メス>、デグラーティアの20<牡>、ボージェストの20<牡>、アンブロワース<メス>、ワンミリオンス<メス>)
G1:2頭(ティックゴールドの20<メス>、サンソヴールの20<牡>)
サンデーサラブレッドクラブからは5頭も募集されている。
ドレフォン産駒は人気が分散して今年は比較的取りやすいのではないだろうか。
今年、初年度産駒がデビューする。
もし良好な競走成績を上げるようであれば、来年、人気が沸騰するのは必須。
取るなら今年がチャンスだ。
価格と厩舎、馬体写真・動画の発表が望まれる。
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