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陣馬山

 「山路やまみちを登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」 皆様ご存知、漱石の『草枕』の冒頭の文章だが、なだらかで変化のない下りならともかく、登りとなると自分の場合はこうはいかない。登りでは、どうしたって、心より体との親和になる。さて、かなり久しぶりの藤野駅からの「秘境(笑)」陣馬山。気になる膝の具合を確かめつつ。

[ルート] 藤野駅→(バスには乗らず歩いて「一ノ尾根」で)陣馬山→明王峠→與瀬よせ神社→相模湖駅 13km弱、休憩込みで4時間強の山歩

 調べたら7年ぶり。少し雪があったので、ここぞと買ったばかりのチェーンスパイクをつけたことを思い出す。「陣馬登山口バス停」から登山口までの舗装路が今日一番の急登だった。以降、さすがに人気の山だけあって、歩きやすい道。「陣馬高原下バス停」から登ると短いので急登だが、こちらは少し長いが緩やかな道。藤野駅に5時半ごろ到着し、少し歩いて「藤野PA」のコンビニに寄って腹ごしらえ。

朝日のお出まし。天気はもちそうだ
「一ノ尾根」は数カ所からアプローチ可能
ピークを巻いて道が作られている

 2時間強で登頂。天気が芳しくないせいか終始ひとり旅。山頂には年配のご夫婦のみ。休日とは思えない光景。途中、ちらっとだが富士山がはっきりめに見えていたのだが、山頂では霞んでしまっていた。「見ることはできないだろうな」と思っていたので嬉しい誤算。少し休んで下山開始。もしかしたら、一本前のバスに間に合うかもしれないとちょっと急ぎ足で進んではみたが、無理そうなので計画変更。

「陣馬山」と言えば、のショット
霞んでいる。天気が悪いというのもある
ちょっととんがっているのは大岳山

 当初、底沢峠から「陣馬高原下バス停」へ下山し、そこから高尾までバスに乗ろうと思っていたのだが、明王峠から相模湖に下山することにした。歩いたことのある道だが、終始スズメバチに追いかけられ、ほとんど記憶にない。明王峠からグッと下ると、長い間平坦な道が続き、與瀬神社の近くになって、また急に下りだすルート。膝痛は少しあるものの、ここ数回で一番調子がいい。ブランク回復の兆し。

明王峠からの富士山
こんな伸び方をしている木が沢山あった
頂上に松笠を置いてきた
何も釣れなかったけど手漕ぎボートの
冒険を楽しんだ中学時代を思い出す相模湖
結構な斜度のつづら折れの道
本日お世話になった木の杖
「慈」

 與瀬神社に到着し着替えをする。前回、ここから「相模湖駅」までの道を間違え、炎天下、延々と歩いたことを思い出す。正しい道を進んだら駅まであっという間。駅に着いた途端に電車が行ってしまったが結果オーライ (よくあること)。今日みたいな整備された道だと「トレランを試してみようか」なんて気になるが、そんな日は来たりするのだろうか。少し迷っていたけど来て正解 (これもよくあること)。合掌。

與瀬神社。有難うございました
なんかホッとした道端の花
帰りの電車で二人の幼児から手を振られた

[ルート・標高グラフ]

休日でも早朝なら空いていると思われるルート
登り下り共に 800m くらいかと