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"Soon Come"

 ジャマイカの音楽に親しむようになって「パトワ」を知った。「パトワって何ぞや」という話になると歴史やら言語学やらが絡んでくるが、語れる知識はないので省略。簡単に言うと「ジャマイカ訛りの英語」。はじめはまったく聞き取れず、また、理解もできなかったが、耳は慣れるもので、少しずつ聞き取れるようになった。

 その特有の表現に "Soon Come" という「今すぐ」という「響き」を持つものがある。意味ではなく「響き」。「今すぐ」が即時を意味する国もあれば、そうではない国もある。ジャマイカ、いや、ジャマイカの一部の人々にとっては「その時」が訪れるのは神のみぞ知ること。そうかといって「先延ばし」ということでもない。

 要するに、各々のペースで生きているということ。時間という「観念」の受け取り方が異なるのかもしれないし、自然の流れに従っているのかもしれない。と、ここで「俺はただ自分を肯定しようとしているのか」との問いが湧いてきた。いや、別に肯定しているわけではなく、そういう人間なのだ。勿論、そうではない時もある。

 「先延ばし」という表現にはネガティブな響きがあるが "Soon Come" にはない。誰にでも、それぞれのペースがある。時間の感覚も違う。時間という枠はそもそも人間が作ったもの。その枠に入るも、枠として認識するも自由、なんて呑気なことは言ってられない世の中ですが、ちょっと一息ついてみるのはいかがでしょう。