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生生

 「水は『心』のようなものじゃの」「その『心』とは何でしょうなどと聞いて話を腰はおりませぬ」「状況に合わせて如何様にも変化するが、増えもしなければ減りもしない」「時に氷化し、時に気化。しかし、常に流動し、動きが止まることはない、と」「論理的にも非論理的にもなり、また、すっかり忘れ去られている時もある」「『心』の話になってきたようですが」

 「臨機応変している何か」「生生のはたらき」「そう。それこそが『心』ではないかのう」「ありとあらゆるものに浸透しているはたらき」「言わずもがな。言えば言ったで言葉尽きてはじめてありありと」「言おうが言うまいが『生生のはたらき』は不変だ、と」「日常のことじゃ」「定義できぬ故に同義語も対義語もない自然。いつどこでもひたすら生生していると」