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揺籃

 「清濁併せ呑んで平然としている」「『いまここ』のことですね」「幼子をあやす揺り籠のように千変万化している」「ふと日常から切り離される時がありますね」「風の便りじゃ」「時に、風も吹いていないのにゆらゆらと揺れている葉を目にします」「そんな特別なことではなく、日常茶飯のことじゃ」

 「日常が非日常に変わる瞬間のことですね」「詩人気取りで『永遠の間』とでも呼んでみようか。そして、また日常に戻っていく」「埋没していたものを発掘したかの様な一瞥」「発見ばかりだと『発見』に飽きてしまうのではなかろうか」「気の利いた揺り籠ですね」「大人を気取っても皆子供だからな」

2021/10/12