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御伽噺

誰もが家路を急ぐ
コンクリートジャングルの真ん中で
煌々と光る満月を眺めていた

ふと気づくと隣に女の子が坐っていた
一言も言葉は交わさず二人で佇んでいたら
かすかに手が触れ合った

喩えようがない温もりが心を満たした
黙って手をつなぎ家路についた
どこへ帰ったは覚えていない