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燃料

あの世にでも
逝っちまったかのように
夢を見ることもなく
ぐっすりと眠った後で
目が醒めたら

深い藍色の空が
ゆっくりと橙色を
帯びはじめるように
頭のてっぺんから爪先まで
全身に陽気を巡らす

お祭り騒ぎの様な
無数の産声が聞こえてきたら
指揮棒を上げるように
すくっと起き上がる
——燃料は愛だ