根本

　「『一点物』に惹かれるのは何故だろう」「『誰もが』そうだからではないですか」「気づいていようがいまいが変わらんな」「機械を使わなければ同じものは作れませんね。まあ、それでも違いはあるとは思いますが」「機械を作っているのは唯一無二の存在だからな」「『誰もが』そして『何もかも』が」

　「値の付けようがない芸術品のようなものだな」「そうであるなら、その芸術品が作るものにも値がつけようがないですね」「もちろん。自然に値札はない。見渡す限り自然の恵み以外に何もない」「姿形をいくらかえていたとしても変わりませんね」「人間も例外ではない」「自分の自とは、自然の『自』か」