♩The Stills-Young Band - Midnight on the Bay

Midnight on the Bay か Midnight On The Bay か 頭文字だけ大文字か オールキャップスか 整合していればどれでもいいのか それとも 文法ではなく内容か。「いや まずはそのものに浸れではないでしょうか」「『そのもの』とは何ぞや」「はい いくら言葉を尽くしたところで尽くせぬものがあることです」「ああ なんと小賢しい」

先日亡くなったデビッドクロスビーのドキュメンタリーを見たが、目に拭いきれない深い悲しみが宿っていた。このアルバムもなんだかんだメンバー間でいざこざがあったようである。『草枕』冒頭の「智に働けば角が立つ....」のくだりを思い出すが、それに続く言葉が取り上げられているのはあまり目にしたことがない。

We look before and after,
And pine for what is not:
Our sincerest laughter
With some pain is fraught;
Our sweetest songs are those that tell of saddest thought.

『草枕』で漱石が抄訳しているシェリーの "To a Skylark" である。漱石は「前をみては、後えを見ては、物欲しと、あこがるるかなわれ。腹からの、笑といえど、苦しみの、そこにあるべし。うつくしき、極みの歌に、悲しさの、極みの想、籠るとぞ知れ」と訳している。「あこがる」は「心が体から出て彷徨う」と辞書にある。

ニールヤングはほとんど聞かないが、どこかでかかっていると、聞きたくなる。そんなことを繰返しているので、結構知っている。AOR のコンピレーションに入っていても不自然ではないこの曲をしばらく聞いていた。先日ライブで一緒になった方はニールヤングなんだな。個人的には南国風味のバッキングを想像し聞いていた。