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日記

 簡単に見つかるだろうと思っていた本が見つからなかった。他の棚をひと通り見た後、もう一度じっくり探してみたが、やはりない。野口晴哉さんの『風声明語』という本が目に止まった。つい最近『回想の野口晴哉 (ちくま文庫)』という本を読んだばかり。

 別の店に行ってみたが目当ての本は見つからず。しかし、またもや野口晴哉さんの本があった (購入はせず)。『風声明語』に荘子を思い起こさせる短文が載っていた。久しぶりに再読しようと買って帰った岩田慶治さんの著書には「荘子」が引用されていた。


 月をお供につれて、太陽の周りを一めぐりしたら、火星と木星が笑いかけた。シリウスが遠くから眼をパチクリさせて見せた。
 この次はアルデバランのところへ散歩に出かけたいと、口を開いた拍子に、眼が醒めた。
 やはり、地球の上に、仰むけに寝ていた。—— 野口晴哉『風声明語』