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機縁

 むかし、イギリスである方にお会いした時に「私は『ジョージ』です」と自己紹介された。ん? どこからどう見ても、同郷の方に見える。また、日本語も日本人の様に話しているが…. ジョージ?  そんな顔をしていたのだろう。「いや『じょうじ』ではなく、ここでは『ジョージ』の方が何かと都合がいいので」と付け加えられた。そういえば、日本にも「じょうじ」という名の方はいるなと気付いた。

 「かな」変換キーを押し「英数」入力が切り替わるように頭が切り替わる。久しぶりの日本語だったので、一語一語確かめ、まるで覚えたての外国語を話している気分だった。こんなことを思い出したのは、どういう経緯だったかは忘れたが、詩人であり画家である「宮崎丈二」という方を知るに至ったことから。ほとんど何も検索できなかったが、すでに目の前には600頁を超える「全詩集」がある。

※写真の詩は「宮崎丈二全詩集」から