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心境

 広がり続ける無限大の宇宙に浮かぶ地球。宇宙の大きさを地球とすると物質の最小単位ほどにも満たないであろうこの星で、平気な顔をして生活し、また、宇宙の謎に挑んでいる人間。なんともお目出度い存在とも思える一方、連綿と受け継がれている何かに突き動かされている感じもする。何度も言っているが「奇跡」以外に形容する言葉は見つからない。いや、つまるところ「然もありなん」か。

 当たり前すぎて忘れ去られていることは数多ある。その最もたるものは「今ここに在ること」。突き詰めるほどに謎は深まり、同時につながりが強まる。何もかもが相互に作用し合っている。それを「一なる存在」と呼ぼうが「無限」と呼ぼうと変わりはない。零と呼ぼうと変わるのは観念のみである。波立つ表層と静まり返った深層。切り離すことを覚えた観念の居場所は常に無限の懐である。

2021/10/10