♩Freddie Redd - You
夜行に乗って明くる日の朝に到着する街をひたすら歩き、そしてまた夜行に乗り移動する毎日。インターネットなどないので、ガイドブックを片手に、道に迷ったら人に聞いた。名所も訪れたはずだが、それよりも空気感を味わう旅路だった。
イギリスで知り合った友人宅に泊めてもらうことも多かったが「異邦人」的な感覚は皆無だった。毎日の様に言語も文化も違う国に移動する日々だったが別段違和感を感じることはなかった。どこへ行こうと十人十色であることに変わりはない。
無知だったことと全てに勝る好奇心が境界を取っ払っていたのかもしれないし、底知れぬ未知への恐怖心が表層の違いよりも深層の共通する何かを見つめさせていたのかもしれない。"Under Paris Skies" というアルバムタイトルからの回想。
Freddie Redd は "Shades of Redd" というアルバムくらいしか聞いたことがなかったのだが、どういう経緯かは忘れたが、このアルバムに辿り着き "You" という曲に心を震わされた。入り口はあれど出口はない、男にとって宇宙である女。