空空

　「『絵に描いた餅』は食えんな」「見るものですから」「印象はひとそれぞれだな」「それは食べても同じでしょう」「....となると『自分』というのは五感ということになるのか」「そう結論を急ぐのはどうかと」「では、その『自分』を足らしめているものは何じゃ」「それはもうありとあらゆるものが関わってきましょう」「時空を超えてか」「さあ、それこそ『絵に描いた餅』ではないでしょうか」

　「ありとあらゆるものが関わっているとなると『縁起』ということか」「いや、だからそれも....」「余計なことにも意味があるかもしれんぞ」「『余計』なものなどあるのか、と」「考えだすとキリがないな (笑)」「あれこれ考える前に存在しているもの、とか言ってみましょうか」「前後があるのか」「(苦笑)」「♩有る無し、有無 無し、夢問答。有りといえば有り、無しといっても C'est la vie!」

　「歌にしてみるのはいいかもしれませんね」「声に出してみる」「音読でもいいかもしれませんが、本音なるものに気づいたりするかもしれませんね」「『自分』が顕になると?」「ところで、自分の『自』とは何ですかね」「『自然』とでも言わせたいのか」「言ったところで変わりがない、と」「黙々とはたらいている何十兆もの細胞」「絶え間なく生滅しているから数えられないだろう、ですか (笑)」