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茶話

 「言葉にした途端に天地が分かれる」「足のない概念が一人歩きし始める、と」「概念は別の概念を生じさせ、もはや地に足が付くことはない」「『人間』もそのひとつである、と」「ほんの一瞬でもそのタグを外せば一目瞭然」

 「猫は猫であることを知らない。勿論、他の無数の生命体も同様」「何か問題があるか?」「さらに言うと衣をまとってもいないですね」「何の問題もない」「優劣も善悪も超えている、というか、もともとそんなものはない?」

 「生命は生命に他ならず、と」「語れば語るほどありのままから離れていく...」「しかし、語らずにはいられない」「なぜ…?」「信不信のないところに信不信を持ち出したからじゃろう」「もともとないものがあることはない、と」