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詩趣

 木製の道標が酷いことになっていた
「多分クマの仕業だろう」 と
 近くで休んでいる人が言った

「爪でも研いだんですかね」
 と言いつつ、よく見ると
 ある方向を指していることに気づいた

 目をやると、何とも素晴らしい景色なので
 振り返って、伝えようとしたら
 その「人」はもういなかった

 足下の破片に目をやると
 何やら書かれているようだったが
 もちろん判読は不可能だった