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添水

 「お、珍しいな。砂時計か」「3分のものです」「下に砂が落ち切れば『永遠』が現れるな」「(踏み潰して粉々になった砂時計を指し) これではどうでしょう」「(呵々大笑しながら) 物は大切にせんとな」

 「そんな鹿威しじゃ、鹿は逃げませんぞ」「お前はどうじゃ」「逃げ場など、一体全体どこにあるというのでしょう」「その知ったような口を塞いでから物を言え」「四方八方、すでに劈かれています」