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『無題』

美術館に入ると
天井を指す矢印があり
見上げると天窓があった。

よく見ると天窓ではなく額縁で
『空』と題されていたが
作者名は記されていなかった。

奥へ進むと道が左右に分かれていた。
右方向には海、左を見ると山々。
こちらも共に作者名は無し。

その時、はっと目が覚めた。
海の見える山の頂で
少しうとうとしてしまったようだ。

下山路で夢の意味を考えたが
麓に着く頃にはすっかり忘れていた。
振り返ると山がこちらを見ている気がした。