自分の強みの方向は?〜洞察系HSP、共感系HSP、感覚敏感系HSP
こんにちは。HSPサステナワークプログラム「そういう個と。」編集チームです。
組織のHSPが強みを探す〜洞察系HSP、共感系HSP、感覚敏感系HSPという敏感さの方向を見ていくといい💖
をお送りします!来年の春あたりに、組織で働くHSPさんの強みの本を出すのですが、そこから少し抜粋でお送りします!
実は繊細に見えないHSPもたくさん存在する
自分を知るためのHSPのセミナーやワークショップをこれまで100回以上開催してきました
「チェックリストではHSPだけど、わたし、繊細でも弱々しくもなくて、、、」とか、
「ネットにでてくる儚い感じのHSPの特徴を見ていると、私は敏感だけどHSPじゃないなと思う」と言う人たちがいます。
その人たちは「相手の望むことをやってしまう、言ってしまう」共感力の高い繊細さんとは、日常的な感覚が非常に異なり、
「なぜか分からないが人の気持ちの地雷をふんでしまう!」または「言ってることが全く理解されなくて怒られたり、煩わしがられたりする」、
「小さい頃から浮いてしまって、そこはかとない疎外感をずっと抱えて生きていてしんどい」というHSPイメージとは逆の悩みがあります。
HSPというとひとの気持ちへの共感力ばかり取り沙汰されるキライもありますが、そうじゃないタイプも多いということです。
この記事では、キャリアコンサルタントとして、HSPとしての「高敏感性」の方向を見ていくことによって、才能や能力の方法を見出していく方法論をお伝えしてみたいと思います。
社会でラクに働く方が増えますように!
組織で働くHSPさんには、共感力の高さが目立つ人もいますが、上記の「本質キラーで冷たい人間だと思われている」タイプもまた、多いです。
この方たちは「あなたは気にし過ぎ」「心配性」「もっとおおらかに生きるといいよ」などと、幼少期から言われていて、そこだけとれば同じなのですが、「人はなぜ死ぬの?」「この時間は何の意味があるの?」など、人の気持ちよりも「ものごとの本質や真実」「ものごとの背景や原理」「組織のヒエラルキーがどうなっているか」「プロジェクトの構造」など、「ことがら」や「構造」「真実」や「哲学的なこと」などの本質的なことに対して敏感に察知するクセがあります。
そして全体像を俯瞰して把握したい という根源的な欲求がある傾向があります。
具体的な例です。
上司に「コンセプトをもう少しはっきりさせてから進めたほうが、あとでメンバー間でぶれなくていいと思うのですが」などと進言します。予測や予期のチカラをつかって「事柄がもっとうまく運ぶ」ことを望んで行動することが多いので、考えていることが膨大だったり、その思考の筋道がうまく伝わっていないときに、まわりから「めんどくさいやっちゃな・・・」という顔で見られ「ま、とりあえず手を動かそうか」などとスルーされたり「結構・・神経質なほう??」と怪訝な顔をされたりします。
高い敏感なセンサーが、
人の気持ちに向く共感性の人や、シンプルに感知能力としてはたらく感覚の敏感性が1番な人とは違い、
この方たちは洞察性を一番頻繁に、強度を持って使っているので、仮に洞察系のHSPと呼ぶことにします。
このタイプの洞察系HSPさんは、学校で生きづらさを感じた人も多く、小さい頃から「学校にはほんものの自由って、ないよね」(小学4年生)というような大人がぎょっとするような哲学的なことを言ったり、「先生はどうして最初からエラいの?」(多くの小学生)と組織のヒエラルキーに根源的に違和感を感じとることがあったり、「書き写し学習なんてなんであんな無駄なことさせられるの?」(小学3年生)と効率的なことや本質的な議論を好みます。
「こういうきまりになってんのよ…」という大人の都合には、命がけで抵抗します。(笑)
この洞察系HSPさんは人の感情を大事にしないわけではないが「モノゴトの本質が1番大事」です。
だから同じHSPのなかでも、人の感情をムダに揺らさないことが大事な共感力の高いHSPさんと一緒に仕事をしていると、HSP同士でも意見が食い違うことが起こります。
というわけです。
洞察系・共感系・感覚系HSP という見方の提案
HSPとしての高敏感性を生まれ持っての強みとして見直していくときに役立つ方法として、
洞察系HSP、共感系HSP、感覚系HSP、という見方を提案します。
敏感性・繊細性があるとわかっても「HSPでなければよかった〜」など漠然と不都合なものとして扱っているうちには、備わった力を自分の強みとして使うことができません。
何に対して敏感性が向いているのかを理解し、自身のことを正しく理解すれば、モチベーションの向きや今後の成長に目を向けることができるでしょう。
この考え方を取り入れて、チームでうまく機能することができた人からはこんな感想が聞かれます。
以上のように、人との「違い」を知ることで、それは優劣ではなくて、単なる違い・役割分担であると思えると、自分の能力を肯定的に捉えることができるかもしれません。
「洞察系・共感系・感覚系」は日常場面ではどのように現れる?
ご一緒に自分の敏感さはどこに向いているか、どういう偏りがあるか、を見て行ってみましょう。その裏に強みがくっついています。
人間の思考や認知は、ユングが指摘しているとおり、生まれつきまたは生育歴のなかで偏りが生まれます。
考え方の「利き手」のような感じです。
読んでみてどのへんに当てはまりそうでしょうか??
① 洞察系HSP さんの日常
小さいときから難しいことや、哲学者のようなことを言う「本質キラーさん」。
物事の背景やどうしてそうなっているかがよく見えるので、会社などでそれを指摘すると怪訝な顔をされたり嫌な顔されたりする。だから気づいていても気付きツマミを限りなく下げて黙っていることが多い。
うわべだけ、や、浅い話が苦手でそれに付き合う席では疲労困憊してしまう。
雑談力がない自分は社会的にダメだと思う。
一方、本質と外れている!と感じる組織の中にいるのがつらい。
人間ウォッチングをし続けている、集団行動が苦手なこともある。
筋が通っているか、真実か、公平か、そこに人生の価値がある。
考えすぎてしまうことでヘトヘトになり、考えすぎて眠れないことも。
考えが湧きすぎてしまい、文章をまとめる、発言をするうちにどんどん話がそれて行ったり、話が長すぎる傾向がある。
部長が今日こういう注意事項をみんなに言うのは、昨日あのことがあったからだな、等一見関係のない事柄を結びつけて考える能力がある。
ユーモアや風刺が得意で、全体をいつも俯瞰して眺めていたりもするので司会やファシリテイターが得意な人も多い。
現状では、言葉選びに超絶気を遣う。深い話は、話ができる相手だとわかってから。
その頭のなかの情報量の多さが抜きんですぎていて「考えすぎだよ」「心配性だね、まずやってみてください」など言われて傷つくことが多い。
仕事始めに、仕事の全体像を教えられずに、とりあえず見えてることやってみて、と言われるのがツライ。この仕事が全体のなかでどう組み込まれているのか、知りたい。
考えていること自体が好き。ひとりでゆっくり考える時間がないとイライラする。
②共感系HSPさんの日常
人の気持ちがよくわかる。
子どものころから学校や会社などで、居心地の悪い人、困っている人がいるとすぐに察し、そのことに心を砕く。
相手がニコニコしていても「もしや帰りたい?」「もしかしてうらやましい?」など、声のトーン、顔色、しぐさから人の気持ちの機微にとても敏感。
気持ちの本音を見分ける力があるので、
「人の気持ちが入ってくる」、「気がつく、じゃなくて気を受け取る感じ」と体感で表現する人も多く、自分の気持ちと相手の気持ちの境界線がよくわからないことに悩む。または境界線を引くこと自体に罪悪感があることも。
強い口調や大声での叱咤には疲弊し、声の大きい人に振り回される感がある。
周りに気を遣うあまり、自分のことがよくわからないことがある。
誰も傷つかないのがいい。本質的にとっても優しいです。
人の反応を気にして期待に応えなければと思うと力が発揮できない。
生きているなかで人の気持ちが穏やかで幸せなことを大切にしており、知らず知らずのうちに相手に譲ってしまうクセがある。
自分の感情を抑えすぎてだんだんにストレスを溜めることも。
後天的(生育歴で)に受けた心のストレスから過剰に相手に同調することに陥りやすいが、相手と自分の境界線をうまく持てるようになると、人の気持ちを察知する強みは組織のなかで成果をあげる要素として使えるようになる。
③感覚系HSPさんの日常
感覚器にまつわる(五感)の能力が特に高い。
匂い、味覚、視覚、聴覚、触覚が敏感でかすかな違いを察知する。
小さな音や突然の音が気になる、光が眩しすぎるなど五感の鋭さがある。
だからこそ微妙な色の違いをよく見分ける。
触覚面が敏感な人は、寝具やタオルや衣類の手触りにこだわりが強く、衣類のタグや縫い目のチクチクが一日中気になる。
子どものころには「お母さん、味噌がかわった?コメがかわった?」と味のささいな変化を察知したり、季節の変わり目の匂い、雨になる匂い、などを感じてる。
電車のなかで柔軟剤などの香りがまざること=香害に苦しむ人がいる。街の匂い、国によって違う空気の匂いなどに敏感。
電磁波への敏感性がある人や、地震や電話が来る前の感知など、波動に敏感。
天候や気圧に左右されやすい、寒いとか暑いが気になりすぎる。
狭い空間やゴミゴミしたところ、片付いていない部屋やお店から視覚的に疲労を感じる。
子どものころ特に直感力・第六感が強かった人もいる。動物や老人など言葉を使わない相手でも意思疎通ができる。
ではご自身はどうでしょう?
感覚系・共感系・洞察系 がどのような割合で混ざっているか、自分をサーチ(内観)してみる
洞察力・共感力・感覚敏感力は、HSPさんならどのチカラも多少は持ち合わせていることでしょう。ものごとを深くよく考え、人の気持ちがよくわかり、ささいなことに気づくのは、HSPなら全て持ち合わせている特徴です。
そのなかでも、自分はどの方向の力を、使っていることが多いでしょうか。日常のなかでのバランスやグラデーションはどうなっているでしょう。人は使っている能力にバランスの傾きがあります。脳の利き手を確かめる感覚で日常を振り返ってみましょう。
内観して、円のなかにご自身の特性としての「洞察力・共感力・感覚敏感力」のグラデーションを描いてみませんか?
例えば、こんな図を描いた人がいます。
<洞察系HSPさんが描いたグラデーション>
①が洞察能力の成分 ②が共感成分 ③が感覚敏感成分
<洞察系HSPさんの例>
洞察力をたくさん使っていると内観したこの方は、感覚の敏感性や共感力の強さはあまりご自身の要素として感じていませんでした。
組織のなかでは、プロジェクトのコンセプトをみんなで共有して、チームが動きやすいようにするには、どういう担当分けするのがいいかな、と考えたり、職場の導線をこう改善したほうがいいのになあ、と考えたり、マニュアルのこの部分、無駄じゃない?それをやると何の結果につながるの?など合理的で効率的なものごとを考える方面にエネルギーを費やすことが多かったのです。
実際、洞察系HSPさんは脳の動きとして研究や分析が得意で(研究職だけがいいという意味ではなく)、組織のなかでも役割としてその力を発揮できると、やりがいを感じるかもしれません。単純なルーティンワークなどには疲弊を感じ、相手と深い話をすることを好むので、飲み会などの軽くて浅い会話に負担を感じることもあります。
洞察系HSPさんの大好物は「真実」「本質」「背景」「原因」などです。因果関係や物事の背景に対して、多角的に観察して、どれだけ回りくどい話であっても相手の言いたいことは「このポイント」と分かります。もちろん直接本人に確認しないと思い込みである可能性もありますが、小さい頃からずっと本質大好物で、考えが複眼的で深いことに特色と強みがあります。
<洞察系さんの能力の活かし方>
① 情報処理が 浅いけど早い VS 深いけど遅い
真実や本質と言っても、その使い方は仕事内容や部署によってさまざまでしょう。まずは自分が考えて処理している情報は、他の人と比べて「膨大なのかもしれない」ということを自覚しましょう。これは優劣の話ではなくて、違いです。「なんもわかってね〜な!」と相手にイライラするときは、違いでなくて優劣にフォーカスがあるかもしれません。
脳の動きには、浅い情報を処理し早く意思決定する動きと、深い情報を処理し時間をかけてゆっくり意思決定する動きの2種類があることがわかっています。
(情報処理と意思決定が)浅いけど早い VS 深いけど遅い は仕事における役割が違ってきます。
機敏な動きが必要な営業さんは、考え込んでいるよりも回転数早く、臨機応変に動いたほうがビジネスチャンスを逃さずにすみます。対して精密機械設計者などは、深く考えてじっくりと誤作動の起こらない商品を制作していくためには、ある程度時間を使ってたくさんの情報処理をしながら確実で安全なものを作る必要があります。
ただ営業さんであっても、営業企画で戦略的にチームを動かしていくポジションの人は、企画・提案・期内予算・販売促進案・製造管理との連絡など複雑な情報を頭のなかで組み合わせながら成果をあげる、という場合もあるでしょう。
多角的な情報処理、考えの深さ、予測性の正確さなどに強みがあるので、組織のなかで、そういう能力の使い方ができているか振り返り、不適合が起こっていたら上司と話し合いましょう。本質的なことにも聡く、無駄をはぶき効率的に変化させるのも得意なはずです。
② 洞察系HSPさんは、頭で考えていることの容量がとても大きいので、説明も膨大となることが多いです。そしてその構造的で複雑な話を「相手にもわかってもらいたい」熱が高いです。
しかし、長すぎる話や複雑すぎる話は、相手にとって負担であるかもしれないことを理解しましょう。相手は浅めの情報で早い意思決定をできるタイプである可能性も高いです。
そういうタイプには、複雑で長い話はとても負担なのです。
今しようとしている話は、まず相手にとって興味のある話かどうか、さわりの10分の2だけ話して確かめてみます。相手の反応がよければ、10全部を話す、というような工夫がいいかもしれません。
最悪なのは、自分が膨大な量の情報を後手に隠し持っていることをきちんと伝える段取りを考えずに、ちらっと「会議のあの提案、片手落ちだと思うんですよねえ・・・」などと、相手が理解不能な断片的な話をふわっと投げかけ、相手が反応しなかった時に「全然わかってないんだな」などと断じることです。
これは結構あるあるなのですが、相手が自分と同じようにささいなことに気がついて、ずっといろんなことを考え続けている、とは限りません。自分に見えていることは、相手にも分かっているのだろうと人間は思いがちですが、実際には全く違います。
「先日共有された資料に、同じ部署の山田くんが一桁間違った数字を打ち込んだことで、目標予算がおかしくなってるっぽい。2を打とうとしてとなりの1を一緒にさわっちゃったんだろうな」ということに、いちはやく気づいているのは、部内でただひとり、あなただけかもしれません。(笑)
<共感系HSPさんが描いたグラデーション>
②が共感成分
共感系HSPさんは、日常の大半において「人の気持ち」にセンサーがたっている感じがすることでしょう。職場において押しの強い、声の大きい人にはビクッとしたり、機嫌が悪い人のそばにいることと自分もイライラして心がささくれてくる。人の気持ちをまるで自分の気持ちのようにリアルに感じ、あまりに強い感情がやってくると手先までしびれるような感じがする人もいます。
人の気持ちがわかる、というレベルではなく、人の気持ちが「入ってきて」どこからが人の気持ちでどこからが自分の気持ちかがわからない、というほどの方も多いです。「穏やかな上司のもとで働きたい」とか「優しいものの言い方をする同僚とチームを組みたい」等は万人にとって共感事項!かもしれませんが、共感力がご自身のなかで一番たくさん使われていると感じている方にとっては、お茶飲み話ではない、死活問題でありましょう。
いつも言いたいことの100分の1も言えていない気がする、これ言ったら相手はどう思うだろう、と相手の立場のことばかり考えていると、しんどいですし、自分の強みどころではありません。
が、うまく境界を持てる訓練ができると、共感能力はピカイチな強みとなります。
<共感系HSPさんの能力の活かし方>
優しく、繊細な雰囲気はHSPさんのなかでも随一で、それを本人が望んでいるかどうかは別として、いつも人から相談される、秘密を打ち明けられるという方が多くいます。
子どもの保育や学童などやカウンセラー・セラピストとして、人の話を聞く仕事は向いています。会社のなかでも人事のような人の話を聞く必要のある部署や、部署でなくてもチームのリーダー役として、チームメンバーの考えていることや感情をすくいあげることに使うと成果があがります。(やりすぎはいけませんが!)
チームの調整役、プロジェクトの潤滑油になれます。
あなたの気持ち、わかる。
あなたの気持ちも、わかる。
と両サイドの言っていることを、翻訳してわかりやすく伝えてあげると、仲直りが起こった!という場面を多く作ってきたのではありませんか?
高い精度で相手の言いたいことや、思っているけれどもうまく説明できない気持ちなど「言語外」を察知するのがうまいので、老人や外国人の方に「よく話しかけられる」という人もたくさんいます。(この、話しかけられやすい、も強みのひとつです。え?そんなこと誰でもあるでしょ?とこの強みを持つ方はみなさん言われますが、そうではありません。話しかけられやすい人は、タクシーにワンメーター乗って降りる、というときでも、運転手さんに身の上の打ち明け話をされたりするのです)
人の役に立ちたいと思う方がとても多く、良心的傾向が強いので、福祉・介護職や看護職に就こうとする方が一定数いいます。学校の先生にも実は多いです。
共感力を何に使っていくか、という思考に切り替えると、職場で使える武器になります。例えば営業職で、クライアントがはっきり口に出さないけれども、こういう望みがあるのだなということをタイムリーに拾って提案に織り込むことができる方は、当然成果があがります。「上司と商談に行っても、持って帰る結果が違う(クライアントの顔色やニュアンスを察知する能力が高い)」とか「私だけはあの難しい上司に怒られたことがないんですよ!」という言葉も聞きます。
逆にまわりの人の機嫌に左右されやすい(5章で見ていきます)ことは、HSPのなかでも随一ですが、その問題さえ乗り越えれば世の中のほとんどの問題はコミュニケーション術なので、相手の感情察知できる能力は、誰もがうらやましい強みであり、才能です。
<感覚系HSPさんが描いたグラデーション>
感覚の敏感性という身体反応を使うことに一番多くのエネルギーを使っている人
③が感覚敏感成分
日々、音や光の存在を強力に感じ、時によってはそこに不都合を感じることもある。
たとえば、小さな音でも敏感に感じ取る、色のグラデーションで色の違いを人より多く感じる、調香のような微妙な匂いを嗅ぎ分ける、など五感が鋭い、感受能力の強い人のグラデーションです。
この方はまさに解像度の高い、人より色鮮やかな世界に住んでいると言っていいでしょう。今でいう4Kの大画面テレビの世界です。
けれども感覚(五感)が人より増幅されて強いので、嗅いだ匂いが不快な匂いだったとき、例えば電車のなかで汗と香水の入り混じった匂いには、「具合が悪くなるような匂い」になります。デパートの1階の化粧品売り場に入れない、という人はHSPには多いですが、大多数の人ならばそこまで感じない「入り混じった匂い」の不快さを、バクハツ的に感じています。
感覚の敏感さ、というのはそういった身体反応も含めた外界の刺激を処理するチカラの深さを表しています。
外界の音に反応する力は、神経が安定していてうまく使えると「音の微妙さやニュアンスを感じる力」ですが、ストレスにさらされているときは、自律神経の刺激限界値が狭まってしまうので、感覚過敏となってでることもあるようです。
人の気持ちがわかりすぎるとか、本質を追求してというのはそんなにないな・・・というパターンの方この感覚系HSPさんです。
何かを感じ取る力は、
① 身体の外の情報を感知する力(五感=視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚=外受容感覚)と
② 身体内部の情報を感じ取る力(内受容感覚)両方のことを指します。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が五感で、わたしたちは目や・耳・鼻・舌・皮膚などを使って、自分の外の世界がどうなっているかを感知します。これは身体生理的には外受容感覚といいます。(アーロン博士が指摘しているように感覚器そのものに敏感性や高性能があるわけではなく、感覚器でとらえた情報を脳で神経処理するときに、深く処理しているのが特徴です)
対して、内受容感覚というのは自分の内側の感覚です。そんなの感じたことないよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、お腹がすいた、胃腸が重たいな、とか息が浅いか深いか、背骨のまわが心地よいかどうかというような身体感覚です。
<感覚系HSPさんの能力の活かし方>
感覚系HSPさんは、どちらかというと洞察力、共感力の人たちより、
専門職についている確率が高いです。
専門職というのは組織内であっても、個人事業であってもという意味です。
① 身体の治療家、ボディーワーカーなど 身体を扱う職業の専門家@感覚系HSP
感覚の鋭敏さによって、身体のどこが滞っているか、など察知しやすく、それを透視能力のように使っている人は多いです。言葉にすると怪しいですが、触れるとわかる、とか観るとわかる、という感覚だそうです。
② アーティスト、クリエイター、創造する人@感覚系HSP
HSPのアーティストさんが多いのはなんとなく想像ができますね。そのするどい感性や内的世界の大きさで、創作活動に向いています。このタイプは、判断したり処理したりするよりも、新しい世界を想像したりイメージしたりする力がすごいです。
発想し、0から1を生み出す人です。ひらめきなども鋭いです。
HSPでアーティスト・表現域の方へ〜『変わった人』と思われる強み
③ 五感という感覚器を使って仕事をする人@感覚系HSP
聴覚…音に対して敏感で、小さな音やささいな音程の差などを察知します。音楽家、レコーディングエンジニア、通訳さん、など音を聞き分ける能力は多岐に渡ります。インプットが刺激の限界を超えてしまうと(刺激の限界値はその人によって違います)、過敏傾向として出ますが、ストレスや刺激のコントロールによって、強みとして使っている人もまた、います。
視覚…光に敏感ということは、色にも敏感です。色は可視光線の波長で見わける世界ですので、他人が見分けられない微妙な色合いの違いを見分けたり、スッキリ見えるディスプレイなども得意です。
味覚…米の種類や味噌の種類がかわるとすぐにわかるくらい敏感な人が多いです。保存料や添加物にも敏感なので、オーガニックの美味しい料理を作ることができたり、薄味の微妙なニュアンスの調理を得意とします。もちろんシェフや料理人が全員HSPということではありませんが、HSPに味覚に鋭い人が多いのは確かです。
嗅覚…調香師やアロマセラピストなど、嗅覚を使う仕事の人がいます。微妙な匂いを嗅ぎ分けますので、その分匂いにとても敏感で、電車のなかや閉ざされた空間での強烈な人工香料に圧倒されたり、コンビニの添加物の匂いが気になる人もいます。
触覚…肌触り、手触りで敏感性を発揮しています。最高の布やタオルの手触り、紙の触感、肌着や寝具などの吟味は随一です。このチカラは組織のために使う人は少ないかもしれませんが、ご自身の幸せのために使っている方達が多いです。
「暖かさ、肌触り、締めつけ加減、そういうものが全部絶妙に最高!っていうタートルネックのセーターを命がけで探しているんです」という女性にお会いしたことがあります。「見つけたら、即大人買い!!」笑。ですよね。
④ 見えないものを見るチカラ@感覚系HSP
霊媒師・巫女・エネルギーワーカーなど見えないものを視るチカラを持つ人がいます。とても不思議ですが、実際にそういう方はいます。小さいころから妖精が見えていて、それはみんなが見ているのだろうなと思って普通に話題にしたら、友達に引かれて「これは話題にしちゃいけないことなんだと悟った」という感じです。HSCのお子さんは、何か大人が見えていないものを見て、家族のなかで話題にしている子がけっこういます。
うちの子どもたちも、小さいときに「お母さん、階段をおじさんが通ったね」などニコニコしていました。(ぎょっぎょ)心理カウンセラーさんのなかには、「HSPは、エネルギーを感知する人たち」と表現する方もいます。
これも感覚の敏感さの方向性なのでしょう。科学では解明されていないかもしれませんが、日本には昔から、村にひとりは神様のお告げを聞いたり、自然と会話する巫女さんがいました。
HSPさんのなかでスピリチャル能力がある方のお仕事のこと。
HSPの感覚過敏と才能開花はコインの裏表
<洞察力・共感力・感覚の敏感力をわりとまんべんなく使っているなと感じる人の例>
ご自身はこのような図を書かれたでしょう。
まんべんなくどの力も意識できるというのは、すばらしいことです。
・・・
このように、自分のHSPとしての高敏感性をどちらに向けて使っているかを考えることは、強みの方向を明らかにします。
普段から意識していないとわかりにくい部分もありますが、じっと考え込むというよりは、ちょっと頭の隅において仕事をしてみるといいと思いますよ!
1週間仕事をしている間に「自分はどこ使ってるかな?」と何となく感じてみます。
3つの力の割合に関しては、その組織で何を求められているか、によっても当然あらわれ方が違いますし、人生のタイミングによってもかわります。
マーケティングや数字の分析などを任されている仕事をしていれば、洞察力が磨かれるでしょうし、子どもを育てているときは子どものニーズを読み取る共感力が磨かれるでしょう。
同じ名前の職業のなかでも、例えばアパレルで毎日洋服の検品などでは色を見る感覚(視覚)能力が磨かれますし、同じアパレルでも広告戦略をやる部署にいたら洞察力が磨かれるでしょう。
強みは本来、生まれ持ったものですが、以上のように仕事や人生の状況によって磨かれてプラスオンする能力もあります。本来の強みに沿った力を使えているときは、ラクに成果が出たり、人が苦労しているところで早くできたりします。そして強みを使うと、疲れるどころかエネルギーが湧き、パフォーマンスがあがります。
疲れる世界で仕事をするのではなく、
自分の強みの世界で仕事をすると、余計なエネルギーを使うことなくスムーズな成果がでやすいです。
すべてのHSPさんが、スムーズに楽しく社会のなかで力を発揮することができますように💖
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