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シュタイナースクール

日本のエコビレッジ藤野に何度か訪れている。その際、なぜ藤野が盛り上がっているのか、元市役所の人と話した。保安林が多く、開発ができなかったなど、いろいろな要因があるが、その一つとして、シュタイナースクールを、誘致したことから、地域にいい循環が出来たと聞いていた。たまたまファームステイ先の子供が、シュタイナーに通っており、この際いろいろ学んでこようと、厚く関わることにした。

タスマニアのシュタイナースクール、Tarremahには、幼稚園から、高校2年まであり、メルボルンには、高校3-4年と、大学があるそうだ。一クラス20人前後。高校1年(クラス9)で、ロッククライミングや、トレッキングをひたすら学ぶ時間がある。それも、オーバーランドトラックという、クレイドルマウンテンを8日かけて歩くコースや、島全体が国立公園となっている、マリア島に一週間いくという本格的なものだ。

自分は、日本語の授業を手伝ったり、ラグビーや、高校の生物の授業に混ぜてもらったりしている。普段の授業では、教師がひたすら話すのではなく、簡単なワークショップや、やりとりがかなり多い。文字と言葉でなく、絵や体、空間をかなり意識的に使う。どうしても暗記しなけれはならないこと(皮膚の細胞の名前と役割など)は、時には外に出て、なんと、走る。ノートと、暗記する文章を持っている人の間を走る。運動した方が脳がアクティブになるとのことだったが、先生に尋ねてみると
「これが、どれ位効果があるのかって?実際には知らないわ」
と笑って言っていた。

こういった教えかたの背景には、はっきりとした思想がある。教師は何かを覚えさせるのではく、生徒の本来もつ好奇心(impulseとしきりに言っていた)を引き出すことに、全力を注ぐ。頭が悪いかよいかでなく、それぞれが成長する時期が違うだけだというスタンスでいると語っていた。

そういった思想が反映されているのは、授業の手法だけではない。クラス8と、クラス10で、カリキュラム外で自分の好奇心を持ったことを調べて、専門的な技術をひとつ身につける。男子は、スイミングや、ラグビーなどスポーツ、ピアノ、音楽、バイク等に好奇心がよる。女子は、写真、語学、馬術、製菓、等。短いスピーチののち、自分の成果物のブースで、パネル展示で質疑に応じる。ここまでやりたいことをやらせてもらえると、学校が楽しいだろうし、熱心になると思った。

シュタイナースクールでも、一つの小さな社会である以上、いろいろな問題はあるだろう。時おり生徒が昼休みに、先生と相談する姿や、ホームステイ先の子供が帰ってくる話題には、いろいろあるんだと思わされることもある。家庭のことだったり、クラスのなかでの関係がかならずしも、誰もがうまくいっているわけではないようだった。

そういったことを乗り越えるために、親、生徒、先生、卒業生のコミュニティも大切にしている。年に4.5回フェスティバルがあり、自主研究の報告会や、演劇など父母参加のイベントが多くある。また、演劇や、フェスティバルの際、学校のことを父母が積極性に手伝う姿も目にする。そして、車の送り向かえなど、それぞれの地域ごと、家族ぐるみで、日常的に関わっており、いい関わりが形成されているんだなと感じた。そういった地域の繋がりの中で子供を育てられることに、強く安心感があるだろうなと思う。

クラス8、シェイクスピア喜劇、「12夜」の一場面。2時間30にわたる長い舞台だった。
クラス10では悲劇を演じる。

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