見出し画像

コミュニティガーデン

パーマカルチャーデザインコースが終わってから、参加者の人の家を回り、デザインや仕事を手伝い、今は3件目のケリーさんのお宅に来ています。
ケリーさん、旦那さんは庭づくりや、タイル張りなどをもともとしていましたが、最近では教会や高校等の公共のスペースで、コミュニティガーデンのデザイン、メンテナンスをしています。

これらのコミュニティガーデンは、失業者の人の職業研修と、手当てを兼ねており、3人ほどの参加者の人と一緒に働きます。また、学校がある期間は、登校拒否の子供たちが畑で作業しているそうです。その取り組みに、ケリーさんたちは、スーパーバイザーとして活動しています。

このコミュニティガーデンがどのようなデザインとなっているのか、説明のため、パーマカルチャーのやり方に則って、簡単に図に落とすことにしました。

大きさとしては、ざっくりヨコ50m×タテは40mの空間です。

北側の入り口から入ってすぐに、コンテナが農業資材置き場としてあり、周縁に畑が広がっています。

南端に道路と平行にリンゴの木が並んで植わっており、その正面にビニールハウスがあります。また、入り口左右には、カボチャや豆類用に簡単なドームがつくられていました。

次に、目的別にゾーン分けをします。

パーマカルチャーでは、ゾーン1を住居と定めてその周辺にキッチンガーデン等のゾーン2が広がりますが、ここでは住居がないので、コンテナをゾーン1と仮定します。

そうすると、ゾーン2はキッチンガーデンというよりも、作業場の方が適切です。行き来の多い場所、野菜を洗ったり、苗の植え付けなどをするコンテナ西のスペースを区切ります。

ゾーン3を分かりやすく、主な野菜の生産場所としてしまいます。

ゾーン4は、南端、東端に沿っているリンゴ、ラズベリー、ストロベリーの果樹。

ゾーン5は藁や木材の私財置き場になっている中央の木の下と運動場に隣接する木々の開拓されていないスペースかなと考えました。

本来は、セクター、マイクロクライメート、水系のデザインなどを把握して、その上でようやくデザインという順序です。今回は、パーマカルチャーの手法がどのようなものかざっくり紹介したく、実際にデザインするわけではないので、割愛します。(キチンとデザインされ、完成したものの事例はこちらをご覧ください)

コミュニティガーデンの野菜は、付き合いのある地域のカフェに格安で提供しています。
まさにシティファームのお手本のような事例で、見ていて気持ちがよかったです。

コミュニティガーデンでは、収穫高を高くすることよりも、利用する人や、作業する人、関わる人に対してが一番の目的でつくるので、想像力の使い方も変わるように思います。

考えるとしたら、水の集積や、多様性を出すために地形を盛り上げたり、溝を作ったりという土地のデザイン。はじめて作業する人に対しての分かりやすさ。水系のデザインなどでしょうか。また、ゾーン5を整理して、イベントができるようにしたり、畑の作物を学校で消費できる機会をつくるなど、畑の外のことにもいろいろと考えられそうです。

こういった「場」としての可能性が多用なのが、コミュニティガーデン、シティファームのいいところかなと思いました。

フリーランス、専業で活動していますが、パーマカルチャーの記事、書き物等、基本的に無料で公開しています。仕事に充てられる時間を削って執筆しているので、もし、活動に心を動かされた方がいたら、1000円から7000円のスケール型のドネーションでご支援いただけたらとても嬉しいです。