小話 太っちょの細井君
※実話を基にしたフィクションです
名は体を表すという言葉がある。しかしながら、キラキラネームという言葉があるように名前というのは残酷なことに本人との乖離を産んでいることが多い印象がある。
例えば見た目が万人受けしない真美さんとか。国語の授業で自分の名前の漢字の意味を発表する際に「まぁ真美だからね」と切り捨てた教師がいたことを思い出す。
しかししかし、名前は親がなんとか出来る。桜は散ってしまうから梓にしたと粋な名付け方をした人もいたように色々と対処方法はあるし、日常生活に支障をきたすようなら改名することだってできる。
そうはいかないのが名字だ。
それが太っちょの細井君。
よりにもよって何で君が細井君なんだ。
幼少期というのはホルモンバランスとか、ちょっとした怪我や風邪との兼ね合いで無理なく太ってしまうのが往々にしてあるので食生活がだらしないとかそういうのもない(というか給食でカロリーコントロールはある程度されるし)。
親も本人もどうしようもない。細井のルーツはおそらく、小さい井戸の管理をしていた家の流れからきていると思われる(小井戸さんもいる)。水場を管理しているので実はそこそこ以上の家柄だ。
ではそんな太っちょな細井君だが、もうこんなんイジられるに決まってるやん・・・ってことはなかった。無論イジられてる太っちょの細井君太っちょの細井ちゃんもいるとは思うけど
小学校低学年にして全員が空気読み開始。
細井君関係なく太った 痩せたをうっかり口にしようものなら
ザワ・・・・・・・・・・・・・・
と静寂の喧騒と表現したくなる矛盾した空気が流れる。
今にして思うと、そんな変な気を使うくらいなら誰かイジったれやってなるが、いじめ だめ ぜったい の精神があったのか
人畜無害な太っちょの細井君の人柄故か あるいは両方か
筆者の知る限りこの太っちょの細井君でイジられてる イジメられているという場に遭遇することはなかった。
まぁだいたいそんなところだ。
筆者借金中につき支援していただけると嬉しい限りです。
面接時に「遊ぶ金欲しさに」と言いたい人生だった。