46歳留学記㊼ 離れて思うこと

距離を置くことで分かることがいろいろある。
人間関係も文化も。


ニュージーランドでよく言われたことは『日本人は礼儀正しくてきちんとしている』と言われた。
空港でも日本のパスポートの信頼性がすごかった。
ほぼ何も聞かれない。


なんでかな?と思った時に「人に迷惑をかけないようにちゃんとする」とか、礼儀を正す人が育つ環境で周りにいて、正しさを気にしてどう見られるかを常に気にする文化だからそう言われるんだろうな、と思った。
しつけの文化はここからか?
だから日本は綺麗だし、ちゃんとしてなきゃいけないんだろうな、と。これが息苦しいと感じる人はいる。
正義警察とか礼儀警察が多いのだ。
他人に過干渉で、他人を気にする文化なんだなぁ、と思った。
ちゃんとしてなきゃいけないと、どこか抑圧されて、今度は裏で隠れてやらなきゃいけないことが増える。そうなると隠れてやる中身も濃くなる気がする。
「こうじゃないきゃいけない」も強いから、道から外れたら転落みたいな考えも強い。今は変わってきていると思う。


日本は綺麗で、ちゃんとしてるのはその通り。
だけどちゃんとしてなきゃいけないが故に不寛容で、失敗とか許されない感じもある。
これも両価性。いいところも悪いところもある。


英語の授業中にも自分の日本文化が出た。
自分の意見を求められた時に、「正解を言おう、無難なことを言おう」としている自分に気付かされた。
これはもう自分の意見じゃない。
授業中に自分の意見を言う経験も少ないので戸惑った。
でも自分の意見を言っても否定も肯定もされない。自分の意見として発表するだけだから。
ディベート力に差がつくのはこういうところからなのか、と思った。
授業自体にも毎回緊張していたのは「うまくやろう、無難にやろう」としていたからだ。
それとプレゼンするとか、スピーチするという経験も無い。
言いたいことを台本のようにあらかじめ書いて、それを読んで発表したい気持ちになる。国会と同じやん、と思った。これも無難にやりたいが故かな。
けど、周りのみんなはガンガンその場で意見を言える。
南米の子たちの交渉の強さに憧れた。先生にも意見できるのだ、かっこいい。
この経験の無さを痛感した。


ニュージーランドはほんとに他者にあまり関心がない。
どんな格好していても外歩ける。何なら半分ケツ出てる人もいたり。裸足で歩く文化にはびっくりしたけど、スーパーで会っても気にならなくなる。
オークランドはホームレスの人多かったなぁ。
確かにトイレとかフードコートのテーブルは汚かったなぁ。
帰りの飛行機の床も、お菓子ボロボロこぼれてるし、物は落ちまくってて笑っちゃうぐらい汚かった。

困ってると誰かが助けてくれる。
バス乗り場を間違えていることを教えてくれて、正しい乗り場まで連れてってくれるとか。
困ってなくても話しかけられるのでコミュニケーションになる。その場が楽しくなる。映画を見終わった後、隣に座ってた人と感想を話したり。


日本に戻って思うのは、トイレとか狭い!
マオリの人とか体格のいい人は全然入れない。
カプセルホテルとか、他の国にもあるのかしら?
あと人が多いと疲れるんだなぁと、東京を1週間旅して思った。
5秒に一回とか、人を避けて歩くのが大変。
あと乗り換えの時に思った階段の多さ。歩く距離も半端ない。車椅子の人は遠回りしなくてはならない。
オークランドも坂の街でお年寄りとか足が悪い人とか暮らしづらいと思ったけど、東京も大変だと思った。
あとなんか東京は人が多いからか、みんなイライラしてる?
目線が怖かったし、疲れている。
平日の昼間でも電車は人でパンパン。
都会はGoogle Mapが当てにならない涙、新宿迷いに迷った。

札幌ってちょうどいい都会なのかもしれない。


帰国した人全員言うと思うけど日本食最高、そして安い。
出汁の物を食べまくっている。出汁最高、うまい。
美味しいのに安いなんて最高。
これからおでんを作るぞ〜。


文化の違いってやっぱり面白い。



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