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飾れない孔雀

なんて不公平な世の中なんでしょう。

春になると、周りの仲間には美しい飾り羽が与えられます。
でも、私だけ、飾り羽がほとんど生えません。
枯れ枝のような、ひどい見た目です。

私は何か、悪いことをしたのでしょうか。
私は誰かを、決定的に傷つけてしまったのでしょうか。
そんな悪いことをした覚えはありません。
なのに、こんな仕打ちはひどいじゃないですか。

飾り羽のない見すぼらしい孔雀には、誰も振り向いてくれません。
楽しそうにカップルになっている仲間たちを遠目に、私はいつも一人。
もう涙も出ません。

みにくいアヒルの子という話がありますね。
私にとっては、あまりにも理不尽な話。
外見で馬鹿にされていたアヒルが、最後に立派な外見の白鳥になって幸せになるなんて。
結局、外見だけなのですか。
それでは、飾り羽が生えない私には、なんの希望もないじゃないですか。

神様を毎日呪い続けて、半年が過ぎました。
それでも、何も変えてくれないんですね。
仕方がないので、あなたを呪うのももう止めます。
これからは、自分の力で生きていきます。

ずっと悩んでいる間に、大事なことに気付きました。
飾り羽がなくても、私は空を飛び回り、立派な声で鳴くことができます。
食べ物を探すのも上手だし、体も健康です。
実は神様は、多くのものを私に与えてくれていました。

たった1つ、飾り羽だけはくれなかったですね。
私はその1つの贈り物がなかったために、あなたを恨んでいました。
そして、私の人生を全否定していました。
でも、それはちょっと贅沢だったのかもしれない。
神様が与えてくれたものは、どれも貴重なものばかりでした。
頂いたものを大事にして、これから生きていきます。

飾り羽がないと、恋愛することは難しいかもしれません。
でも、そんな私でも好きになってくれる相手がいるかもしれません。
なぜなら、私は強いから。
神様からの贈り物が少し足りなくても、
与えられた健康な体と聡明な頭脳で、この世の中を楽しく生き抜けるから。

神様のばーか。
でも、神様、ありがとう。

この詩は、数十年前から外見に悩み続け自分自身と格闘してきた私が、これまでの過去を振り返って詠んだ詩です。
私の過去の格闘については、こちらをご覧ください。
https://note.com/sou_arukida/n/nfa363c57cd3e

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