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初めての観劇に感激した話【口を開けば孤独】

どうも、コンカフェオタクです。

今回は先日見てきた演劇について書いていきます。

まずは概要
南京豆NAMENAME×家のカギ 合同公演 短編集
「口を開けば孤独」
公演日:2021年6月15日(火) ~ 20日(日)
場 所:スタジオ空洞
サイト:https://nanjingname2.wixsite.com/nanjingmamenamename
演 目:「それが孤独な祈りになる前に」
    「犬も食わない、棒には当たる」
    「オクタ」 
    「少年少女のハンマー」 計90分

自分は6月17日(木)の夜公演に行きました。
※あらすじは自分なりに考えたものです。

「それが孤独な祈りになる前に」

東京の企業から左遷されて地元に出戻ってきた男に妻が田舎暮らしのストレスで精神崩壊したり、金持ちの元いじめられ子に振り回されたり左遷先の会社の同僚の女性と良いカンジになったり運命を翻弄される物語-----------

シリアスな展開と演出の妙が光る作品
話が進むにつれどんどん雲行きが怪しくなっていくのと最初と最後のシーンがつながる時に主人公の意図が見えてくる素晴らしい展開でした。
個人的には妻役の人の表現力がすごかった。
序盤のいい奥さん像からパチンコで打ってるシーンのギャップと
中盤の主人公である夫との喧嘩シーンから終盤包丁で殺した後のもう何とも言い難い残虐さと虚無感が、息をのむほど圧倒されました。
(次の演目「犬も食わない~」の役のギャップにもやられました)
もう一人印象的だったのは元いじめられっ子の金持ちのボンボン役が全演目中でも一番好きでした。
この役が主人公への復讐なのが目的なのか、ただ人を弄んで暇をつぶしているのかどうかが考察の余地がある分、強く印象に残りました。
最後の刺されるところで紫の照明の演出はシンプルにグッときました。
セットがパイプ椅子2つのみで着替えもないため状況把握に時間かかったのと、場面展開の多さもあって、これが主人公の現実に起こっていることなのか主人公の心理的描写で虚像のものなのかわからなくなる感じが結果すげえもの見たなっていう見ごたえにつながったと思う。
シリアス一辺倒かと思えば、途中のゴーレムしゃべれるんかい!とかヤンキー女との電話シーンとか少し箸休めになる感じもこの作品の厚みなんだなぁって思いました。

「犬も食わない、棒には当たる」

引っ越し中にカップルの彼女が突如別れるを切り出した。別れたい彼女と別れたくない彼氏、引っ越しを進めたい引っ越し業者の三者三様の攻防が始まる-----------

個人的一番好きな演目
「それが孤独~」とは打って変わって段ボールがおかれていて一瞬で状況がわかる明快さと、引っ越し業者とカップルのそれぞれの攻防が少しズレてる感じとかがめちゃくちゃ面白かった。
「元カノとの思い出の品」のなかの「あなたの好きなところ100」を朗読し始めるところとか最高に笑った。
浮気だって騒ぐ女にただただペコペコするしかない男だが、浮気だっていう理由が「元カノとの思い出の品を処分しないこと」というあまりにも弱い理由じゃね?と思ったら、途中で引っ越し業者のペアがカップルだと判明して「おいおい、話が複雑になってきたぞ...」と思いつつ判明したとたんに引っ越し業者ペアの主従関係があからさまに逆転する感じとかもかなり良かった。

「オクタ」

文化祭3日目。たわいもない話をしているミステリー部は学校新聞に載っていた「文化祭七不思議」を巡って“ミステリーごっこ”を展開し、とある一つの答えに辿り着く----------

文化祭で作るクラスTシャツを着てたり、内輪特有のあだ名のノリとかが高校の文化祭の雰囲気そのまま、文化部特有の内輪ノリ感がめっちゃ出ててよかった。
推理していくにつれてこじつけが妙につじつま合ってしまって、答えが出てしまって「ナイナイ!(ヾノ・∀・`)」って必死に否定する感じもよかったなぁ。
「犬も食わない~」と世界観がつながってて男子部員の高校生時代の話なのと「あなたの好きなところ100」が出てきたりするところが大好きでした。
最後のシーンで暗転までの流れは個人的にはラーメンズのコントのような途中までめちゃくちゃ笑ったのに最後だけハッとさせられるような感覚に陥りました。

「少年少女のハンマー」

中学校の卒業式当日、担任の先生から愛の告白を受けるが担任が逮捕されてしまう。
そんなトラウマの過去を持つ男と同級生の女の元に一人の女性が訪れる。
男女と同じ職場の同僚の死の真相を巡って片田舎の現実、現代社会の悲観を愁う-------

最後にこれを持ってくるかという感想。
シリアル→コメディー→ミステリーときて最後はシュールで来たかと。
まず中学校の卒業式のシーンからはじまるのだが、担任の先生が急に男子生徒に「俺は大人と子供の中間の中学生男子が好きなんだ!!」と告白し始めるが、駆け付けたミニスカポリスに連行されてしまう。
余談ですがこの作品も「それが孤独~」と世界観を共有しており、主人公の男子が『そでやましゅん』と一緒だったので、これも繋がっている!?と思った矢先に妻役だった人がミニスカポリスで出てきて「そう来ましたか...メガネクイー」ってなりました。
中盤のピーポー君を持ったあの時の担任(大人という概念)と、よくない別れ方をした元カノに挟まれたときにどうなっちゃうの~?と手に汗握りましたが「夢はおわらない」が流れて、終盤に流れていく感じが観客総置いてけぼりでめっちゃ面白かった。

今回勉強不足で「デウスエクスマキナ」というものを初めて知りました。
名前だけは何となく聞いたことはあったんですが、意味は知らなくて調べました。いろいろ端折るとつまりは「爆破オチなんてサイテー!」というようなことだと消化しました。
最後は更地になったところに男女が生き残って「セックスしようか」で終わる。めっちゃオシャレ。

それこそどう捉えるか分かれるような、むしろ何も捉えなくてもいいのかと思えるような作品で、面白かったです。


「それが孤独な祈りになる前に」「少年少女のハンマー」が『南京豆NAMENAME』の作品で「犬も食わない、棒には当たる」「オタク」が『家のカギ』の作品で、
前述しましたが、それぞれ作品内の繋がりがあってそれがめっちゃ好きでした。個人的にめちゃくちゃ伝えたいことでした。

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というわけで各演目の感想をつらつらと述べていきましたが、端的に言えばすっごくおもしろかったです。
はじめてお芝居を生で観るということをしましたが、いい体験だったなぁと思います。
会場の空気感、演者の背中、暗転の時の見えないけど感じる気配、観客の反応、お尻の痛みetc.
それはやはり生ならではのものだったり、生でしかできないものだと思いまし、このコロナ禍でなかなかできなかったものの一つだと思います。

コロナ禍じゃなかったらもっと笑えたかな、声出して反応できたかな。なんて思いますが、コロナ禍だったからこそこの公演の受け取り方があったと思うし、平時だったらスルーしてるかもと思うといい出会いだったなと思います。
今回は知人に誘われて行ってみました。
誘いを受けた(この公演を知った)のが行った当日の午後で、仕事終わりに池袋に直行しました。
池袋はそんなに歩きなれてないので地図見ながらホテル街を横切って着いたスタジオ空洞。時間ギリギリなうえに予約なしで入ったので、めっちゃスタッフさんに確認してもらいました。大変失礼しました(汗)
知人の機転もあって無事入場できて上手最前列に座りました。

見ている間は圧倒されまくりで、一本一本こんな感じなのか~とおもいながら笑ったり驚いたり感心したりいろんな感情を揺さぶられて、四本見終わった後にはぶわっと感情の波が押し寄せてきて、知人と一緒に池袋駅に歩いて帰りましたが感想を言い合うようなエモいことしました。
本来だったら居酒屋でも入って飲みながら公演の感想を朝まで語り合うくらいしたかったですが、こういうご時世もあって直帰しました(本当)

帰りの電車の中で公演のアンケートをWEBで回答して別途で感想を書こうとiPhoneのメモ帳にぶわーと書いてたら、よくない読書感想文のような演目の内容を書き連ねるという自分の中で勝手に再上演してたので、これは違うよなって気づいて再度書き直してたら公演最終日が過ぎてました。

演劇っていいなって思いましたし、改めて生で観るということが何よりも素晴らしいと再度確認できました。

今後もこういった演劇の公演をまた見たいなって思うし、次回の『南京豆NAMENAME』『家のカギ』の公演も見に行きたいなと思います。

というわけで、長文失礼しました。最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。
小生、観劇は初めてなのでこの記事がどう捉えられるか心配な部分もあります。記憶違いなところもあって「門外漢なやつが何言ってんだ」と思われるんじゃないかな。と思いましたが、それよりもこの思いを伝えたい!素晴らしかったことを書き残しときたい!と思ってこの記事を書いています。

演者の方、スタッフの方、観客の皆様、誘ってくれて一緒に見てくれた知人
皆々様ありがとうございました。有意義な時間でした。

ではまた。

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